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ChatGPT・生成AIで提案書を作る方法|丸投げしない7ステップと確認テンプレート

公開日:2026年8月6日
最終更新日:2026年8月6日

※生成AIの機能、データ利用条件、料金はサービスやプランによって異なり、変更されることがあります。本記事は営業提案書作成の一般的な実務手順です。契約、法務、知的財産、個人情報などの判断は、社内責任者や必要な専門家へご確認ください。

結論:AIに任せるのは「提案の決定」ではなく、根拠の整理と下書き

ChatGPTなどの生成AIへ「A社向けの提案書を作って」と頼めば、見栄えのよい構成や文章は出せます。しかし、顧客が話していない課題、確約していない納期、根拠のない効果まで自然な文章で補う可能性があります。

生成AIで提案書を作るときは、先に次の5つを分けます。

  1. 事実:商談・資料・記録で確認できたこと

  2. 仮説:自社が考える課題・原因・優先順位

  3. 約束:提供範囲、納品物、担当、期限、対象外

  4. 価格:金額、前提条件、追加費用、見積有効期限

  5. 根拠:効果、仕様、実績、数値を支える資料

AIの役割は、この5つを混ぜずに構成し、不足情報を指摘し、読み手の反対質問を出すことです。提案の勝ち筋、価格、納期、契約範囲、効果の表現は、人が決めて承認します。

この記事では、AIよろず室が提案書作成を整理するときに使う「5つの境界」と、7ステップ、コピペできる根拠カードとプロンプトを紹介します。これは公的な基準ではなく、中小企業の実務向けに提案する整理方法です。

この記事で分かること

  • ChatGPT・生成AIへ渡す前に整理する情報

  • 提案書の構成案と本文を安全に作る7ステップ

  • AIが作った約束・効果・価格を見抜く確認方法

  • 提案書作成の効果を測る数字

商談直後のメモ、お礼メール、次回確認事項の整理は、「商談メモからお礼メールと次回提案を作る方法」で詳しく解説しています。本記事は、その後に作る社外向け提案書を担当します。


提案書で混ぜてはいけない5つの境界

1. 事実:確認できた情報だけを書く

事実には、顧客が述べた内容、現在の業務、処理件数、利用中のシステム、合意済みの期限などがあります。

数値には状態を付けます。

  • 確定値

  • 顧客から聞いた概算

  • 自社による試算

  • 未確認

「月100件程度」と聞いただけなら、確定した実績値として扱いません。出典、確認日、確認者を残します。

2. 仮説:顧客の発言と、自社の解釈を分ける

顧客が「報告書の作成に時間がかかる」と話しても、原因が文章作成とは限りません。材料探し、承認待ち、転記、確認の方が長い可能性があります。

「報告書作成をAI化すれば解決する」は自社の仮説です。顧客が認めるまでは、顧客の要望として書きません。

提案書では、次のように分けます。

  • 確認済みの現状

  • 現時点の課題仮説

  • 仮説を確認する質問・検証

3. 約束:できること、しないこと、条件を明記する

提案書の文章を良くしようとすると、AIが提供範囲を広げる場合があります。

  • 診断だけか、実装も含むか

  • 初期設定、研修、定着支援を含むか

  • 納品物は何か

  • 誰がデータや確認結果を提供するか

  • 対応しない領域は何か

  • 追加対応の条件は何か

「支援します」「伴走します」だけでは、契約後に認識差が生じます。提案書、見積書、契約書の表現が一致するか確認します。

4. 価格:AIに計算させても、人が前提を確定する

生成AIは、単価、数量、税、割引、期間、追加費用の前提が正しければ計算補助に使えます。しかし、価格そのものや値引き判断を勝手に決めさせません。

最低限、次を確認します。

  • 税込・税別

  • 単価と数量

  • 初期費用と月額費用

  • 含まれる作業

  • 個別見積りになる作業

  • 交通費・外部サービス費

  • 契約期間と解約条件

  • 見積有効期限

計算結果は元の料金表や見積条件と照合し、承認者が確定します。

5. 根拠:効果を「できそう」から「確認方法」へ変える

「作業時間を50%削減」「売上が向上」「ミスをゼロにする」など、根拠のない効果を提案書へ入れません。

実績がない場合は、保証のように書かず、次のように表します。

  • 現在の作業時間

  • 改善対象の工程

  • 試行期間

  • 測定する数字

  • 継続・修正・中止の判断条件

たとえば「月20時間削減します」ではなく、「30日間、作成・確認・修正を含む総作業時間を測り、継続可否を判断します」と書きます。

ChatGPT・生成AIで提案書を作る7ステップ

ステップ1:利用できる情報を確認する

提案書には、顧客名、担当者、未公開の業務情報、価格、契約条件、個人情報などが含まれます。

会社が許可した生成AI、アカウント、プランを使い、秘密保持契約、自社ルール、サービスのデータ利用条件を確認します。許可されていない情報は入力せず、必要なら「A社」「業務X」のように置き換えます。

個人情報保護委員会は、生成AIサービスへ個人データを入力する場合、利用目的の範囲内か、提供事業者が入力情報を機械学習へ利用しないこと等を十分確認するよう注意喚起しています[1]。

入力禁止情報や承認者を会社として決める方法は、「生成AIの社内ルールはどう作る?中小企業向け12項目とひな形」を参照してください。

ステップ2:「提案書根拠カード」を人が作る

商談メモや過去資料を、そのままAIへ丸投げしません。確認済み情報だけを5つの境界へ分けます。

空欄があっても構いません。AIには推測で埋めさせず、不足情報として出させます。

ステップ3:提案の中心を一文で決める

提案の中心は人が決めます。

誰の、どの業務を、どの状態へ変える提案か

例:営業責任者が毎週行っている会議後の記録作業を、決定事項・担当者・期限が当日中に共有される状態へ変える。

「AIを導入する」「DXを進める」だけでは、顧客が得る変化が分かりません。

ステップ4:AIに不足情報と矛盾を指摘させる

いきなり本文を作らせず、先に次を確認させます。

  • 事実と仮説が混ざっている箇所

  • 提供範囲が曖昧な箇所

  • 価格の前提不足

  • 効果の根拠不足

  • 顧客の判断に必要だが欠けている情報

AIの指摘も正しいとは限らないため、人が元資料と照合します。

ステップ5:構成案を作り、節ごとに下書きする

最初から長い提案書を一度に作らず、次の順序で構成を確認します。

  1. 提案の要約

  2. 確認済みの現状

  3. 課題仮説と未確認事項

  4. 提案内容と対象範囲

  5. 実施手順と役割分担

  6. 価格・条件・対象外

  7. 効果の確認方法

  8. リスクと停止条件

  9. 次の行動

構成が確定してから、節ごとに下書きを作ります。説明の重複や、前後で異なる数字が混ざるのを減らせます。

ステップ6:反対質問を作らせる

AIを文章作成だけに使わず、読み手側の確認にも使います。

  • なぜ今取り組む必要があるのか

  • 現在の方法では何が問題なのか

  • なぜこの範囲から始めるのか

  • 効果が出なければどうするのか

  • 情報漏えいや誤回答をどう防ぐのか

  • 誰が社内で対応するのか

  • 追加費用はどこで発生するのか

答えられない質問は、隠すのではなく、未確認事項、対象外、試行中に確認する項目へ変えます。

ステップ7:責任者が「社外提出ゲート」を通す

最後に、営業担当者だけでなく、価格・契約・実装・情報管理の責任者が必要な箇所を確認します。

AIが作った文章をそのままPDFへ変換して送らず、提案書、見積書、契約書、実際の対応能力が一致しているか確認します。


提案書作成が担当者ごとにばらつき、AIへ何を渡し、誰が何を確認するか決まっていない場合は、AIよろず室の30分の無料相談で、1種類の提案業務について入力・下書き・承認の境界を整理します。相談後に契約する必要はありません。



コピペして使える「提案書根拠カード」

【提案書根拠カード】

提案先・対象部署:
提案の目的:
読み手・決裁者:
誰の、どの業務を、どの状態へ変えるか:

確認済みの事実:
事実の出典・確認日・確認者:
顧客が実際に述べた言葉:
未確認の情報:

自社の課題仮説:
仮説の根拠:
次に確認する質問:

提案する内容:
提供する成果物:
提供範囲:
対象外:
顧客側にお願いする作業:
当社の担当・期限:
顧客側の担当・期限:

価格:
税込・税別:
価格に含むもの:
追加費用が発生する条件:
見積有効期限:
契約・解約条件:

期待する効果:
効果の根拠:
試行期間:
測定する数字:
継続・修正・中止の条件:

入力してはいけない情報:
最終確認者:
提案書の版・更新日:

構成案を作るプロンプト

以下をコピーし、提案書根拠カードと一緒に生成AIへ渡してください。

【プロンプト】

あなたは法人向け提案書の編集支援者です。以下の「提案書根拠カード」だけを根拠に、提案書の構成案を作ってください。

守る条件は次のとおりです。

  1. 入力にない事実、顧客の発言、数値、価格、納期、実績、効果を追加しない

  2. 確認済みの事実と、自社の仮説を別の項目にする

  3. 未確認事項を顧客の課題や合意事項として書かない

  4. 提供範囲、対象外、顧客側の作業を省略しない

  5. 効果は保証せず、根拠と測定方法を併記する

  6. 価格条件は入力された内容だけを使い、不足があれば要確認とする

  7. 各見出しに「使用する根拠カードの項目」を付ける

  8. 最初に、不足情報、矛盾、誤解が生じそうな表現を列挙する

構成は、提案要約、現状、課題仮説、提案内容、対象範囲、役割分担、進め方、価格と条件、効果測定、リスク、次の行動の順を基本としてください。不要な章は削除し、必要な章があれば理由とともに追加してください。

以下が提案書根拠カードです。

[ここへ根拠カードを貼り付ける]

架空例:会議後の実行管理を改善する提案

以下は説明用の想定例であり、実在企業の提案、AIよろず室の支援実績、効果保証ではありません。

確認済みの事実

  • 営業会議は毎週月曜日に実施

  • 議事録作成に1回約40分

  • 会議後の記録は営業部長が作成

  • 「決まったことが翌週に抜ける」と営業部長が発言

自社の仮説

  • 要約時間より、決定事項・担当者・期限の共有方法が課題

  • 全社展開より、1会議で試す方が検証しやすい

提案する内容

  • 架空データを使い、決定事項・担当者・期限を抽出する手順を試す

  • 30日間、1つの会議だけを対象にする

  • 最終確認と社内共有は営業部長が行う

約束しないこと

  • 作業時間の削減率

  • 全会議への展開

  • 自動送信

  • 本番データを利用できるという判断

効果の確認方法

  • 記録作成から確認・共有までの総時間

  • 決定事項、担当者、期限の抜け

  • AI出力の修正箇所

  • 試せなかった回と理由

このように、確認済みの事実と仮説を分けると、「議事録を40分から10分へ削減します」と根拠なく断定することを防げます。提案の価値を、派手な効果予測ではなく、検証可能な進め方で示します。

AIに反対質問を出させるプロンプト

構成案ができたら、別の会話または新しい入力で、次の確認を行います。

【反対質問プロンプト】

あなたは提案を承認する側の経営者、現場責任者、情報管理責任者です。以下の提案書案について、承認前に確認すべき質問を出してください。

質問を次の5分類に分けてください。

  1. 事実と仮説

  2. 提供範囲と責任分担

  3. 価格と追加費用

  4. 効果の根拠と測定

  5. 情報管理・失敗時の対応

各質問について、提案書内に答えがあるか、答えが不足しているかを示してください。入力にない答えを作らず、不足は不足として示してください。

[ここへ提案書案を貼り付ける]

AIが出した反対質問が十分とは限りません。実際の決裁者、現場、法務、情報管理の確認を置き換えるものではありません。

送付前に確認する「社外提出ゲート」12項目

  • 会社名、部署、役職、氏名は正しいか

  • 顧客の発言と自社仮説を混ぜていないか

  • 数字の出典、対象期間、単位があるか

  • 実績と想定例を区別しているか

  • 提供範囲と対象外を説明しているか

  • 双方の担当者と期限は確認済みか

  • 価格、税、数量、期間の前提が正しいか

  • 追加費用が発生する条件を示しているか

  • 効果を保証する表現になっていないか

  • リスク、停止条件、人の確認を示しているか

  • 提案書、見積書、契約書の内容が一致しているか

  • AIが入力にない約束や根拠を追加していないか

この確認は誤字脱字チェックとは別です。文章が自然でも、約束や価格が誤っていれば社外へ出せません。

総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」も、AIの出力を利用する際に、正確性・必要な場合の人間による合理的な判断、プライバシー保護などへ留意する考え方を示しています[2]。自社では「人が確認する」だけで終わらせず、確認項目と承認者を決めます。

提案書作成の効果は、作成時間だけで測らない

生成AIで初稿が早くできても、確認や修正が増えれば、業務全体が改善したとは言えません。

最初の30日間は、次を測ります。

  • 材料整理から提出までの総作業時間

  • AIの出力を修正した箇所と理由

  • 数字・価格・約束に関する修正件数

  • 上司・技術担当・法務などの差し戻し回数

  • 不足情報を顧客へ確認した件数

  • 提案後に生じた認識差

  • 根拠カードを他の担当者が再利用できたか

受注率は重要ですが、顧客状況、価格、競合、営業力など多くの要因が影響します。生成AIだけの効果と断定しません。

生成AI導入初期の効果測定は、「AI導入の最初のKPIを『売上増』にしてはいけない理由」でも解説しています。

過去の提案書を再利用するときの注意点

過去資料は構成や確認項目の参考になりますが、そのまま正解例にはできません。

  • 顧客名や個人情報が残っていないか

  • 古い価格・仕様・日付を含まないか

  • 現在は提供していない範囲がないか

  • 特定顧客だけの例外条件がないか

  • 実績を別の顧客へ流用してよいか

  • 第三者の文章・画像・データを含まないか

過去資料からは、章立て、質問項目、確認手順だけを抽出し、新しい提案の事実・条件へ置き換える方法があります。

自社で進めやすい場合と、相談した方がよい場合

次の状態なら、社内で根拠カードから始められます。

  • 商談記録と提案責任者がいる

  • 価格表と提供範囲が決まっている

  • 社外提出前の承認手順がある

  • 入力できる情報を判断できる

  • 効果の確認方法を説明できる

次の状態では、外部支援や専門担当者を含めた方が進めやすくなります。

  • 営業、技術、契約で説明する範囲が違う

  • 見積り条件が担当者ごとに異なる

  • 過去提案書が複数の保存先へ分散している

  • 提案書から見積書・CRMなどへ連携したい

  • 顧客情報や機密情報の扱いを判断できない

AIよろず室では、業務診断、AI活用ロードマップ、実装、社内定着までを支援しています。月額39,800円(税別)の伴走プラン以外にも、課題やご希望に応じた支援を用意しています。

外部システム連携、複数部署をまたぐ実装、継続的な保守・監視などは、内容を確認して個別に範囲と費用を提示します。法的判断や高度なセキュリティ監査は対応範囲外です。

よくある質問

Q. ChatGPTへ過去の提案書をアップロードしてもよいですか?

一律には判断できません。顧客情報、秘密保持契約、個人情報、第三者の資料、自社ルール、利用するサービス・プランのデータ利用条件を確認してください。許可されていない場合はアップロードせず、必要な構成要素だけを匿名化して整理します。

Q. PowerPointのスライドまで生成AIへ作らせてもよいですか?

構成案や下書きには利用できます。ただし、文章、図表、数字、画像の権利、レイアウト、ブランド表現、表示崩れを人が確認します。スライドが完成したように見えても、提案内容が承認済みとは限りません。

Q. プロンプトを作れば、営業担当者全員で使えますか?

プロンプトだけでは、入力材料、価格表、提供範囲、承認者がそろいません。根拠カード、構成、社外提出ゲート、保存場所までを一つの業務手順にします。

Q. 顧客ごとに提案書を完全に変えるべきですか?

共通の会社紹介、提供方針、確認項目は再利用できます。一方、顧客の現状、課題仮説、提案範囲、価格、効果測定は案件ごとに確認します。テンプレートと個別判断を分けます。

Q. 提案書作成だけを相談できますか?

相談できます。月額プラン以外にも、課題やご希望に応じた支援があります。顧客情報の提供範囲、成果物、確認者、対応範囲、費用を事前に確認して進めます。

まとめ

  • 提案書を生成AIへ丸ごと書かせず、事実・仮説・約束・価格・根拠へ分ける

  • 人が提案の中心と提供範囲を決め、AIは不足情報・構成・下書き・反対質問に使う

  • 数字、価格、期限、実績、効果には根拠と確認者を付ける

  • 提案書、見積書、契約書、実際の対応能力を一致させる

  • 効果は初稿時間だけでなく、確認・修正・差し戻しを含む総作業で測る

AIよろず室の30分の無料相談では、提案書作成業務を伺い、生成AIへ渡す情報、人が決める範囲、送付前の確認項目を1つの手順へ整理します。相談後に契約する必要はありません。



この記事を書いた人
AIよろず室。
中小企業を対象に、業務診断、AI活用ロードマップ、実装、社内定着までを支援しています。代表は、IT業界20年以上のエキスパートです。


参考資料

[1]個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)

[2]総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日)


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