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【最初で最後かもしれない家族4人の箱根旅行】86歳の父と85歳の母、59歳の私と58歳の弟で過ごした時間

生まれて初めてだった「家族4人だけ」の旅行

金曜と土曜、両親と弟の4人で
箱根へ行ってきました。

泊まったのは、箱根の
「強羅花扇 円かの杜」です。

父はこの6月で86歳になります。
母は85歳になる年で、
弟は私の年子なので58歳になります。

今回の旅行を企画したのは弟でした。

実は弟から聞いて、
少し驚いたことがあります。

父、母、私、弟、
この4人だけで旅行をするのは、
生まれて初めてだったというのです。

私は最初、
「そんなことはないだろう」と思いました。

子どもの頃から家族旅行の
記憶はありますし、
どこかへ出かけたことも
何度かあるからです。

でも、よく思い返してみると、
そこにはいつも親戚の家族がいたり、
近所の人がいたり、

大人になってからは
私や弟の家族が加わったりしていました。

純粋に父と母と私と弟だけという形は、
確かになかったのでしょう。

父の老いを受け入れるということ

父は4年ほど前から認知症の
症状が出始め、
最近は歩くこともかなり
難しくなってきました。

弟は、おそらく遠くへ出かけられるのは
これが最後になるかもしれないと思い、
今回の旅行を企画してくれたのだと思います。

迎えに行くところから大変でした。
車椅子を準備し、
休憩を挟みながらゆっくり移動する。

自分が59歳なのですから、
親が年を取るのは当たり前なのですが、
実際に父や母の老いを見ると、
やはり胸にくるものがあります。

昔はあれほど元気だった父が、
旅行中には何度も
「ここはどこだ」
「なんでここにいるんだ」
と聞いていました。

ただ、不思議なもので、
時々ふっと昔の父に戻ったように
会話が通じます。

その時は昔話をしながら、
私も弟も母も自然と笑っていました。

認知症という言葉だけで見ると、
とても重く感じます。

でも実際には、その人が完全に
いなくなるわけではないのだと、
今回改めて感じました。

昔の父が、
ふと戻ってくる瞬間があるのです。

兄弟で初めて話した「これから」のこと

弟とも久しぶりにゆっくり話しました。

楽しい話だけではなく、
これから父をどう支えていくのか、
母の負担をどうするのか、
かなり現実的な話もしました。

若い頃は、兄弟でそんな話をする日が
来るとは思っていませんでした。

でも、親が年を取り、
自分たちも年を重ねると、
人生には避けて通れないテーマが出てきます。

今回の旅行は、父のためでもあり、
母のためでもありましたが、
本当は私と弟自身のための旅
でもあった気がします。

「最後に4人で一緒に過ごせた」

その記憶が残るだけでも、
この旅行には意味があったのだと思います。

弟への感謝と、私なりのけじめ

父と母には、「また3カ月後に来ようね」
と約束しましたが、
実際に行けるかどうかは分かりません。

費用は私と弟で出しましたが、
私は弟に

「兄貴だから少しかっこつけさせてくれ」
と言って、多めに出しました。

正直に言えば、そこには私なりの
罪滅ぼしの気持ちもあります。

弟は私の代わりに、父の建設会社を継ぎ、
赤字だった会社を立て直し、
今では銀行から「お金を借りてください」
と言われるまでになったとか。

迎えに来た弟の車を見た時、
私は驚きました。

仕事が本当にうまくいっているんだな、と。

若い頃には分からなかったこと

親孝行という言葉は少し照れくさいものですが、
この年齢になって、ようやくできる
親孝行もあるのだと思います。

若い頃には分からなかった親の老い、
兄弟のありがたさ、
家族だけで過ごす時間の重み。

今回の箱根旅行は、
派手な旅行ではありませんでしたが、
私にとって心に残る時間になりました。

父のためでもあり、
母のためでもあり、
弟のためでもあり、

そして自分自身の中で、
一つのけじめをつける旅でした。

年齢を重ねるというのは、
失うものが増えることでもあります。

でも同時に、若い頃には見えなかったものが
見えてくる時間でもあるのだと思います。

今回の旅行で、
私はそのことを静かに感じていました。

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