【頭の中身】歴史とブランディングとコンプライアンス
ネットを俯瞰していて違和感を感じる。
見ている観点からの違いだと思う。違和感を感じたので記しておく。
「昔は弱かったんだから、また一から見守ろう。」
最近、この言葉を見かけるたびに少し違和感を覚える。
もちろん、その時代を知る人の気持ちはよく分かる。弱い頃を知っているからこそ、今の苦しい状況も長い歴史の一場面として受け止められる。その感覚は、長くクラブを見続けてきた人だからこそ持てる価値観だ。
ただ、その価値観を今のクラブ全体や、新しくクラブに触れた人へ求めるのは少し違う気がする。
歴史は、それを見てきた人にとっては大切な記憶だ。しかし、見ていない人にとっては過去の出来事でしかない。これは冷たい話ではなく、ごく自然なことだ。
ブランディングの世界でも、ブランドが選ばれる理由は「昔こうだったから」ではない。「今、このブランドはどんな価値を提供してくれるのか」が問われる。歴史は魅力を深める要素にはなるが、現在の価値を代弁するものではない。
それは企業のコンプライアンスにも似ている。「昔は普通だった」という説明はできても、正当化にはならない。社会の価値観が変われば、評価の基準も変わる。ブランドも同じで、歴史があることと、その歴史を理由に現在を評価してもらうことは別の話だ。
だから、「昔は弱かったから見守ろう」という考え方には共感しつつも、それをクラブの共通認識にしてしまうことには違和感がある。
今の浦和に求められているのは、かつての苦労話ではない。今、どんなサッカーを見せ、どんなクラブでありたいのか。その現在の姿勢こそが、ファンやスポンサー、新しくクラブを知る人たちから評価される時代になっている。
歴史は大切だ。でも、歴史は未来への免罪符ではない。
積み重ねてきた歴史を誇るからこそ、その歴史に甘えるのではなく、今という時代の基準で評価され続ける覚悟が、ブランドには必要。これがブランディング。
何を求めるのかの違いでしかないけどね。
ブランドの歴史を前面に出すより、「今このブランドが自分にどんな価値をくれるか」を伝える方が、新しい人には届きやすい。そして好きになった人が、「このブランドはなぜこういう考え方なんだろう」と過去をたどる。その順番のほうが自然だなというブランディング論でした。
おしまい。
