中国でトラブル体験しチャイナ#02/3つの洗礼
第1話がまだの方はこちらからどうぞ!
甘い緑茶の洗礼
空港からはバスに乗って、天安門広場まで向かうことになった。
バスで高速道路と思しき道を走っていると、異変に気づく。

・・・なんか、対向車線が霞んでよく見えないのだ。
今でこそ大気汚染が改善された中国だけど、当時はまだ全力で空気が汚かった。排気ガスなのか何なのか正体不明の気体がどろりと漂っていて、視界を遮っている。
やがて天安門広場前のバス停で降りた。
そこからは、よくわからない地図を頼りにホテルを目指さなきゃいけない。ちなみに、地図を読む能力に関してわたしは完全な「戦力外」である。
しかし、どう見てもかなりの距離がありそうだ。
結局「タクシーを拾おう」ということになった。
当時の天安門広場はだれでも自由に行き来ができて、とにかく露店商が怪しくて賑やかだった。
放り投げるとカチカチと妙な音を立てる石(のちに磁石だと判明するおもちゃ)を売る者や、キャップの空いたペットボトルに手元の水筒から「謎の水」を注いで売っているおばちゃん。
水道水は飲めないときいていたけど、その怪しい補充水も絶対に飲みたくない。

そこでわたしは、ちゃんとキャップが密閉されている既製品のペットボトル緑茶を買った。
そして静かに一口飲んだ。
・・・あまっ! 超あまい!!
あろうことか、緑茶に砂糖がこれでもかと入っている。しかも「したたか」に。
紅茶に砂糖を入れるのと同じ感覚なんだろうけど、脳が「緑茶」として受け付けるのを拒否するレベルだ。
捨てるのももったいないし、我慢して最後まで飲んだ・・・おえぇ。
わたし、泣かないもん!

中国お寿司の洗礼
タクシーをなんとか捕まえる。
中国のタクシーは、後部座席と運転席が鉄格子で仕切られていた。強盗対策なんだろう。
英語はさっぱり通じないけれど、ホテルの住所が印刷された紙を手渡すと、運転手さんはニッコリして発車した。
・・・のだが、なんだかUターンを繰り返して、同じ道をぐるぐる回っている。 迷っているのかメーター稼ぎなのかはわからないが、運転手さんのちょっぴり焦った顔を見るに、普通に迷子になっているようだ。急に親近感が湧いた・・・んだけど、タクシードライバーとしてはどうなの、それ?
ほどなくしてホテルに到着。
しかし、なんだか目がチカチカする。これがあの光化学スモッグの影響なんだろうな、と肌で感じた。
ホテルの入口付近には客引きのようなお姉さんが何人もいて、M先生、Nさん、Kさんに熱心に声をかけている。 わたしを完全にスルーするところからすると、きっとえっちなサービスの勧誘なのだろう。たぶん、あの3人は興味ないはず。
到着したホテルは、さすがの5つ星。
何の不自由もなく客室まで通された。 わたしたちは2部屋借りていて、広さは同じ。
もちろんわたしは一人で1部屋を占拠し、残りの1部屋に男性陣3人が押し込まれることになっていた。
それにしても、部屋はすっごく広い!
最上階付近のようなので、眼下に広がる街を眺めようと窓に駆け寄ったら・・・。
なに、この立ちこめる雲海。

もちろん雲じゃない。光化学スモッグが街に立ち込めており、真っ白で下が何も見えないのである。
ある意味幻想的なのだけど、「さっきまでわたしたち、あそこを歩いてたんだなぁ」と思うと、目のチカチカも納得である。
さて、今日の夕食は、ホテルのレストランでビュッフェスタイル。
みんなの部屋をノックして合流し、レストランのあるフロアに向かう。
会場には、結構いろいろな料理が並んでいる。
M先生「おおっ。お寿司があるぞ!」
結構高級そうなお寿司がずらりと並んでいるのを見て、M先生が大量に皿に盛ってきた。4人分まとめて、というつもりなのだろう。
おお・・・大トロがたくさん。
わたし、お寿司はサラダ巻きとかコーン巻きとか、わりと邪道なやつが好きなんだけど、それでもネタの質が高いことはすぐにわかった。
「いただきまーす」と口に運ぶ。
ぱくり。
・・・???
な、なんだこれ。
わたしの知ってるお寿司の味じゃない。 残り3人も、見たことがないような、形容しがたい表情をしている。
酢飯が・・・酢飯じゃない。
なんと、お米が「レモン」で味付けされているのだ。
レモン飯のお寿司・・・。
どんなにヨイショしても美味しくない。
・・・というか、まずい。耐えがたいほど、まずい。
昼間の甘い緑茶のときは「泣かないもん!」と耐えられた。
でも、これは無理だった。 わたしはあまりのまずさと、脳が処理しきれないパニックで、ついに頬に一筋の涙が流れた・・・。

好き嫌いなく何でも食べるわたし。食べ物のまずさで泣いたのは、あとにも先にもこの1回だけじゃないだろうか・・・。
中国にお酢くらいあるだろうに、なぜあえてレモンでお米に味付けしたの・・・?
中華料理は美味しいし、味覚が近いものがあるのかと思っていたけれど、この「レモン飯のお寿司」で、わたしはすべてを警戒するようになった。
Kさん「これは、まあ・・・刺身として食べましょう」
ネタが剥がされて、皿にはこんもりと「レモン飯」が残る。
「食べ残しは別料金」とか言われませんように・・・。
しかし、M先生。なんで味見もせずにこんなにたくさん取ってきたの・・・。
M先生「いやぁ、早いもの勝ちかと思って、いっぱいとってきちゃったなぁ」
ああ、そういうこと・・・。つまり連帯責任か。
大丈夫ですよ先生。早いもの勝ちなんて気にしなくても、そのお寿司、今もカウンターにたくさん余ってる。
というか、これ・・・現地の人の口にも合ってないのでは?
トイレの洗礼
日本以外のトイレはトイレットペーパーを流してはいけない、ということは知識として知っていた。
トイレにはサニタリーボックスのようなちょこんとしたものではなく、どかっと大きいゴミ箱が備え付けられており、使用済みのトイレットペーパーはそこに捨てるようになっているのである。
抵抗はあるのだけど、仕方ない。郷に入っては郷に従え、である。
しかし、3人の部屋から悲鳴が聞こえてきた。
「トイレが!トイレが!」
という必死すぎる声が廊下まで響いているので、だいたい何が起きたか察しがついた。
・・・紙を流したな?
案の定、一瞬でつまって汚水があふれだしてきたようだ。
わたしは、救いの手を差し伸べようかと思って一瞬ドアの前で立ち止まったのだけれど・・・

「ま、みんないい大人だし、自分たちで解決するでしょ」
と思い直して、ノックするのをやめて自分の部屋に戻ったのであった。
わたしの部屋のトイレは、まだ平和で清潔なままだ。
事件は次の日から
あれ? こうやって思い出してみると、初日からいろいろあったんだなぁ。 というわけで、今回もわたしが大量の札束をゲットした事件まで到達しなかった! ごめんね!
まあ、ある意味これも立派な事件ではあったわけだけど・・・。
みんなも海外のトイレを使うときは、くれぐれも気をつけてね!
(つづく)
続編はこちら
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