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中国でトラブル体験しチャイナ#01/えなりかずきもどきの裏切り

はじめに

2回目の海外出張の行き先は、中国の北京交通大学だった。

そこで私は初めての口頭発表をこなすことになるんだけど・・・この旅は、お世辞抜きで「ガチ」なトラブルの連続だったんだよね。

どれくらいガチかというと、最終的に警察大使館まで介入する羽目になった、笑えないレベルの事件が含まれてる。

あまりに濃密なサバイバル生活になってしまったので、みんなへの注意喚起も兼ねてこの記事を執筆することにしたよ。

これから中国に行く予定がある人は、私の教訓を役立ててほしい。

「まさか自分が」ということが現実に起きる、そんな海外出張の裏側。よかったら参考にしてみてね!

今回の旅の仲間

今回の出張は、実は某大学の研究員から、国立研究開発機構に転職した直後のタイミングだった。

国際会議への参加が決まった後に転職が決まったので、発表内容は前の大学での成果。

これが、とんでもなく不運な状況を招くことになったんだよね。

まず、前の大学からは当然のように旅費は出ない(現所属じゃないからね)。

そして新しい職場からも、これまた旅費は出ない(うちの研究成果じゃないから、という理屈だ)。

おまけに転職直後だというのに、この出張のために10日間もの有給休暇を使い果たす羽目に。

結果、凄まじい額を「完全自腹」で支払う、激しい出張が確定してしまったのである。

一緒に行くメンバーは、前の職場の研究室メンバー。
ボスである研究室を運営しているM先生、そこのポスドクのNさん、Kさん、そしてわたしの4人だ。

今回の登場人物・・・結構似てる・・・。

旅程はM先生の趣味が爆発していて、行きはあえて韓国の仁川空港での乗り継ぎを23時間にして1泊観光をねじ込み、北京では5つ星ホテルの最上階付近に泊まるという豪華なもの。

自腹の身としては、この華やかさが余計に心に刺さるんだよね。

波乱の入国審査

M先生の大学は九州地方。

というわけで、わたしはまず福岡空港へ飛び、そこで他のメンバーと合流して仁川を目指すことになった。

・・・うう、言うまでもないけれど、この国内線分の旅費も私だけの余分な出費である。自腹には辛すぎる追加ダメージだ。

仁川に着くと、トラブルメーカー・・・ではなく、トラブルに愛された男・Kさんが入国審査から一向に出てこない

ゲートの前で待つこと2時間。

しびれを切らしたM先生が「もう置いていっちゃおうか」なんて冗談とも本気ともつかないことを言い始める始末。

ちなみにM先生は超がつくほどの自由人だ。

大韓航空の機内でも、客室乗務員のみなさんとじゃんじゃん一緒に写真に写っちゃうようなタイプ。

一方でポスドクのNさんは黙りこくっているので、このままだと本当にKさんが空港に置き去りにされかねない。

わたしは慌てて口を挟んだ。

「いやいや、置いていくのはかわいそうすぎるでしょう・・・!」

そんな時、ようやくKさんが入国審査のゲートとは全く違う方向からフラフラと現れた。

「日本のパスポートを持ってるのに、『中国人に顔が似てる』とか言われて。日本人であることの証明をさせられたり、パスポートを取り上げられてチェックされたり、散々でしたよ・・・」

他の人より2時間遅れで入国してきたKさん

・・・ああ。なんとなくわかる。

わかるんだけれど、韓国の入国審査官、ちょっと厳しすぎやしないだろうか。

かくして、ようやく揃った一行は今晩の宿がある明洞(ミョンドン)までタクシーで向かうことになった。

すると早速、M先生が怪しい男に捕まっている

M先生「この人がめちゃくちゃ安く連れていってくれるって言ってるよ!」

「めちゃくちゃ安いよ!!」

私「先生、それ『白タク』っていう違法タクシー。どこに連れて行かれるかわかったもんじゃないから、絶対にやめましょう」

M先生「ええ? いい人そうだよぉ」

・・・M先生・・・放っておいたら何に巻き込まれるかわからない。

結局、私が安全なタクシーを捕まえることにした。
M先生、お願いだから一人で海外に行かないでね・・・。

明洞の夜

街に出て夕食をとることにした。

屋台の食べ物を売っている店がたくさん並んでいたので、私はトッポギを買って、がじがじとかじりながら歩く。

すると、突如として私たちの前に「えなりかずき」の立て看板を掲げた焼肉店が現れた。

これだけ堂々と看板を出しているなら、日本人ウェルカムな店だろう。

そう思って店内を覗き込もうとした瞬間、大柄なおばちゃんが仁王立ちで立ちはだかった

そして、カタコトの日本語でハッキリとこう言い放ったのだ。

「ウチはタカいからムリだよ。カエッテ!」

えなりくんにあやまれ!!

・・・きさま、えなりかずきの看板を立てるな。
失礼! 言葉遣いが荒くなってしまったけれど、当時の私の心の中では、たしかにこのセリフがリフレインしていた。
えなりくんに謝ってほしい。
べろべろばー!!!

しかし、お金を持ってないようにみえたのだろうか・・・。M先生以外はみんな若かったからなぁ。ぴちぴち。

私たちは仕方なく、ほかの無難そうな、日本語の書かれていない焼肉店に入った。

ところが、そこでは最高のホスピタリティでおいしい焼肉をいただくことができた。

あのお店の悪い評判を流してやりたいところだけど、あまりのショックに、もはや店の名前すら覚えていないのが悔やまれる。

その夜は、ユースホステルのような宿泊施設の、男女混合の雑魚寝部屋で眠って翌朝を迎えることになった。

Kさん、明日の出国審査では捕まらないといいな・・・。
とりあえず、少し早めに空港へ行くことを提案しようと心に決めた。

北京首都国際空港に到着

仁川を出る時、Kさんは拍子抜けするほどあっさりと出国審査を通過できた。

そして飛行機は、ついに目的地である北京首都国際空港に到着。

空港に着いてまずやるべきことは、日本円から人民元(元)への両替だ。

ここで、当時の中国における「通貨両替の鉄の掟」について触れておかなければならない。これ、めちゃくちゃ重要なのでテストに出るよ(出ない)。

中国ではお金の管理が非常に厳しく、帰国時に余った元を日本円に「再両替」するには、入国時に発行された「両替証明書(証書)」という紙を提示しなければならなかった。

さらに厄介なのが、「再両替できる金額は、入国時に円から元に替えた金額を超えてはいけない」というルールだ。

中国元は中国でしかゲットできないし、円にも戻せない。

要するに「お前ら外国人が中国国内で商売して稼いだ金を、外に持ち出すんじゃねえぞ」という管理体制なわけだ。

このルール、当時の旅行者にとっては常識だったけれど、今振り返るとかなりの無理ゲー設定だよね。

・・・ここ、テストには出ないけど、私のその後の運命を左右するのでよく覚えておいてほしい。

私がこの後見舞われるトラブルは、先に少しだけバラしてしまうと、「意図せず、とんでもない額の『元』の札束を手に入れてしまった」ことにある。

一体何が起きて、その札束がどうなったのか。 地獄の北京ダック事件については、次回のお楽しみということで・・・。

(つづく)

追記

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第2話はこちらから

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