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「内なる声」に導かれて③ ~軽井沢で畑チャレンジした話


|軽井沢「発地(ほっち)地区」

当時、東京から長野県に移住して5年目。軽井沢に越して半年。

家庭菜園や農業をやりたくて地方移住する人もいるけれど、私は特に関心がありませんでした。

軽井沢は森のイメージが強いけれど、町の南に位置する発地(ほっち)地区は、農地が多い場所です。

畑から浅間山を望むと、遮るものは何もありません。

そして「ちょっとお洒落な道の駅」みたいな存在の軽井沢発地市場があり、新鮮な高原野菜が買えるため観光客にも大人気です。ものすごく大量に並びますが、午後にはほとんど売り切れてしまうので、午前中に行くのがおすすめです。

|軽井沢での畑チャレンジ

2024年5月。

特に強い動機はなかったのですが、景色の美しさに感動し、1区画5㎡のシェア畑を借りて、野菜作りをしてみることにしました。

観葉植物を育てた経験はあっても、食べるものを育てるのは初めての体験です。

軽井沢は高地の寒冷地のため、4月から苗を植えると霜が降りて失敗しがちです。そのため、5月から畝づくり開始です。

雑。下手だけど、まぁ、初心者ですから・・・。

知識も農具もない状態からのスタートでしたが、オーナーが初歩から丁寧に教えてくれ、農具も貸していただけるので、手ぶらで行けます。自分で用意するのは軍手と長靴くらいです。

シェア畑の名前は「軽井沢リゾートファーム」。

オーナーは小泉志津代さん。関西出身で、東京で長く働いた後、趣味のキャンプで頻繁に軽井沢を訪れるうちに、地元の方と親しくなり、休耕地を借りることができたそうです。現在は軽井沢在住の移住者です。

シェア畑オーナーの「シズやん」

畝を作るだけで疲れましたが、「とりあえずやってみよう」と気楽に始めました。

レタスとキャベツを植えるところに防虫ネットを張ります。
テレビ東京のクルー。『昼めし旅』の取材が来てた。

虫はいるものの、害虫被害というほどではなく、風景の一部として気になりませんでした。

この畑は地下水が豊富な土地で、日照りが続いても水やりの必要がないのは、とても助かりました。

ときどき小泉シズやんから「それはいけない」とツッコミが入ることもありましたが、基本的には自由に育てられます。(果物と花はNG)

春夏野菜は生育が早く、あっという間に食べきれないほどの量が実りました。枯れてしまった苗もありましたが、気にしませんでした。

初夏になると、もりもり育って、にぎやかになった。

苗は、プロが利用する苗屋さんで買うことを勧められましたが、車がないと持ち帰りが難しい場所だったので、私はJA、発地市場、ホームセンターで購入しました。

別に農「業」をしたいわけではないので、本業に支障がない程度に、ゆるく管理していたのですが、続けているうちに、「隣の畑はたくさん実っているのに、うちは…」と歴然とした差に気付いてしまい、だんだん欲が出てきて、独学で学び始めたのです。

いろんな農法がある中で、私が採用したのは「コンパニオンプランツ」です。一人で管理しているので、野菜同士が助け合ってくれたら、スタッフとして働いてくれるようなものだと思ったからです。

コンパニオンプランツとは:
植物は1種類だけで繁殖することはほとんどなく、何種類かの植物で群落を作って共栄します。中でも、互いに助け合って生育する、相性のよい植物同士のことを「コンパニオンプランツ」といいます。

シェア畑の土は、春にリセットされ、耕して石灰と鶏糞のみ混ぜられたシンプルな土壌です。基本、利用者が農薬を使うのはNGです。(つまり「有機栽培」です。「自然栽培」は鶏糞も使いません)

小さな苗だったレタスがこんなに大きくフリフリになった!

たくさん採れたときは、スカラ座に持って行きました。オーナーの惠子ママがお客様に分けてくれ、無農薬で新鮮な野菜は皆さんにとても喜ばれ、それが励みになりました。

1区画5㎡は、一人分では大きすぎるのです。(2人世帯くらいの大きさ)

いちばんの生育期には、2~3日に1度行くだけでこれくらい収穫できる
鬼のように採れるピーマン
この頃は計画性に欠けていた。苗の間隔など考えていなかった。

軽井沢の友人にあげてもまだ余るときは、東京の友人にも送りました。

スーパーで野菜を買うことほぼなくなり、食費が減りました。

そして食べきれない量は人にあげたら喜ばれるし、すごいコミュニケーションツールだなぁ!と思いました。

|秋冬野菜、はじめての壁

秋冬野菜は種から育てることに挑戦。しかし、ここで壁にぶち当たりました。2024年は夏が長く、雨も多く、虫の被害が多く出ました。

キャベツがアブラムシ被害で悲惨な状態になり、いつまでも芽が出ない種もありました。

大根だけは上手にできました!

採ったどー!
すぐにしおれてしまう大根葉を新鮮なうちに食べられるのが自給自足の醍醐味

ずっと上手に育てている隣の畑の方にアブラムシ被害の原因を聞いたところ、「苗や種はプロが買う店で買ったほうがいい。丈夫さが違うから」と教えていただきました。

秋になると本気で害虫駆除に悩み、毎日畑に行くほど夢中になっていました。

コンパニオンプランツを採用しているから多品種がひとつの畝にある

自分で育てた野菜は、はじっこまで丁寧に食べたくなるから不思議です。

ベビーキャロット、コマツナ、小カブ、パセリを入れたホワイトシチュー

野菜は冷蔵庫に入れないほうがいいと聞き、採ってすぐ食べるのがいちばん美味しいと感じました。個人的には、よけいな調理しないで塩だけ、しょうゆだけ、味噌つける、みたいな食べ方が好きです。

ピーマンは丸ごと焼いてかつおぶしと醤油かけるだけで完璧。

さつまいもやかぼちゃなどは、追熟させたほうが美味しくなります。

|軽井沢で畑チャレンジのススメ

軽井沢は寒冷地のため、冬はたまねぎとにんにくくらいしか育たないそうです。そのため、シェア畑のレンタル期間は5~12月までとなっています。

思っていた以上に楽しくてびっくりしました。

定住ではなく、別荘オーナーだったり、たまにしか軽井沢に来ない方には、お世話を代行するサービスもあります。

畑づくりは楽しいことばかりではなく、病害虫に苦慮したり、生育が悪いときに原因を探るといった「根気」のいる作業もたくさんあります。

私はもともと草木が大好きで、自然の中にいるだけで楽しめる性格です。

実ったときの喜びも大きいですが、なにもないときのプロセスもまた楽しいです。

畑の近所の方に「あなたがいちばんよく来てる」と言われました。何もせずにただぼんやりしているだけのことも多いので、そう見えるのかもしれません。

近年、自給自足に関心を持っている人が増えましたが、東京の方なら、新幹線ですぐに行ける軽井沢でチャレンジするのもいいと思います。
軽井沢ならレジャー施設もありますしね。遊びついでに。

自宅での家庭菜園は、宅地のため土の微生物が畑向きに育っていないことがあり、うまくいかないこともあります。
すでに土が育った農地でやる方が簡単だと思いますよ!

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