「内なる声」に導かれて② ~軽井沢移住を決めてから(おひとりさま移住、地域の人との出会い、住まい探し)
1・望む人生をデザインするということ
両親を見送ったあとのおひとりさま
松本で2度目の冬を迎えた頃、母が施設で亡くなりました。
誤飲による急死でした。
コロナ禍で3年近くオンライン面会しかできなかったのですが、亡くなる3か月前に東京へ行き、「窓越し面会」をすることができました。
直前の、神様からのギフトだったと思っています。
「これで、両親を見送った。私、これから“やること”なくなっちゃった・・・」
やり遂げた、という気持ちでした。
長年のミッションが終わった。
でも、まだ人生は残っている。
「どうしよう・・・?」
そんな気持ちでした。
「これからは自由に、何でもできるってことじゃない」
友人がそう言ってくれました。
「自由に・・・」

自由への困惑、軽井沢での出会い
「もう自由なんだ。大事なことをやり遂げた。何を望んでもいいんだ」
そう思っても、なかなか気持ちが切り替わりませんでした。
とりあえず、普通に生活し、仕事を続けました。
松本で。
そして秋――お彼岸。
その日は少し蒸し暑く、小雨が降っていました。
小諸にある先祖のお墓掃除をした帰りに、軽井沢で遅い夏休みを取ろうとしていました。
水曜日で、軽井沢ではほとんどのお店が定休日でした。
そんな中、小さな喫茶店が開いていました。
「新宿スカラ座」という名前の喫茶店です。
「軽井沢なのに、新宿?」

「新宿スカラ座」という名前を聞いて、私は何かを思い出そうとしていました。
「そういえば、昔、新宿にそんな名前のお店があったような・・・」
調べてみると、そのお店は閉店し、軽井沢に移転したとのことでした。
理由は、2019年のAERAの記事に詳しく書かれていました。
その日、お店にいたのは、前オーナーの林さんの奥様でした。
林さんが亡くなられた後に訪れた私は、林さんとは一度もお会いしたことがありません。
歌舞伎町にあった「新宿スカラ座」を知っている世代でもありません。

なので、私にとって「新宿スカラ座」は、今でも「惠子さんち」のような感覚です。

その日は、雨でお客さんが少なかったこともあり、初めて訪れた私とたくさん話してくれました。
それが、とても心地よかったのです。
中軽井沢は、軽井沢駅周辺のような観光地とは違い、生活感のある街です。
畑も多く、別荘地もありますが、旧軽井沢よりも庶民的な建物が多い印象です。
なんといっても、大人気スーパーのツルヤ軽井沢店があるのが魅力です。

中軽井沢を歩きながら、
「ここ、いいなぁ。住みたいな・・・」
そう思っていました。
「新宿スカラ座」でその話をすると、軽井沢での暮らし方をいろいろと教えてくれました。
自分が住んでいるシーンがリアルに浮かぶくらい、具体的に。
もう一度言いますが、それまで住んでいた松本に不満はありませんでした。
ただ、軽井沢が好きになってしまったのです。
「好きになった」という理由だけで移住を決めたのは、これが初めてです。
それまでは、鬱屈した気持ちからの脱却、リセット願望が移住の主な理由でした。
そして、私はまたしても爆速で軽井沢の賃貸物件を見つけ、爆速で引っ越しを決めてしまいました。
また決めてから1か月で。
2・軽井沢での住まい探し
軽井沢の賃貸事情と交通手段
よし、引っ越そう!
そう思ったものの、軽井沢は由緒ある別荘地で、賃貸物件が非常~~~に少ない町です。
隣の御代田町は賃貸物件が多いのですが、私はどう~~~しても中軽井沢に住みたかったのです。
「いい物件が見つかるまで、1年でも2年でも待とう。軽井沢に住めないなら、もう一生引っ越さない!」
そう決意し、私は地道に賃貸物件を探し始めました。
賃貸物件検索サイトをチェックしたり、「軽井沢、賃貸」で検索したりする日々。
別荘オーナーが賃貸に転用した物件にも惹かれましたが、ひとりで住むのに大きすぎるのは光熱費の無駄以外のなにものでもありません。大きい家が好きな人以外。
またそれが夏の滞在用に考えられた住宅なら移住には向いていません・・・
どんなにかっこよくても!!
冬も過ごす気なら冬対策が万全なところを探さないと、信州、とくに軽井沢のような標高1000メートルクラスの寒冷地では心身を病んでしまいます。
そんなある日、ついにニーズにマッチした物件を見つけました。
地元の不動産会社サイトにアップされたばかりの素敵な物件。
すぐに内見の予約を入れ、あとは流れるように契約まで進んでいきました。
私がその物件を選んだ決め手は、「複層ガラス」と「床暖房」です。
軽井沢の冬は非常に寒く、よほど若くて根性に自信がある、あるいは冬山装備を持っている人以外は、断熱性の高い住宅を選ぶべきです。べきです。(二度言った)
複層ガラスは、2枚のガラスの間に空気層を設けることで、断熱効果を高めることができます。
床暖房は、足元から「輻射熱」で部屋全体を暖めることができる暖房です。
賃貸物件で床暖房を導入している物件はほとんどありませんが、複層ガラスは軽井沢では優先事項に加えていい条件だと思います。(それまで4年間、信州の冬を経験した実感)
断熱がしっかりしていれば、光熱費を抑えることもできます。
ちなみに軽井沢に都市ガスなどというハイカラなものは通っていなくて、プロパンガスです。
火力が強くて料理が下手でも美味しくできます。だけど使用料金は都市ガスの倍です((((;゚Д゚))))
軽井沢はエリアによって雰囲気が大きく異なるので、まず現地を訪れてみることをおすすめします。
ただし、賃貸物件となると、エリアが限られてくる可能性があります。
自家用車があればどこに住んでも足回りは問題ないですが、厳しい冬や独特の住民性など、事前に現地の人からお話を聞いておいたほうがのちのち後悔が少ないと思われます。
電動アシスト自転車と軽井沢の道・交通事情
軽井沢は車社会です。
ほとんどの人が車で移動しています。
しかし、自転車やバス、電車で移動している人も少なくないと不動産屋さんが言っていました。
なので徒歩と自転車を想定して引っ越す前に付近の道を歩いてみました。
自転車で移動する場合は、電動アシスト自転車の方が良いと思いました。
坂道は緩やかですが、長く続く緩やかな坂道が多いからです。
たしかに車がなくても生活できますが、のちのち不便なこともあるとわかりました。
<車がないと不便だと思った点>
ゴミ集積所が町全体で少なく、遠くまで運ばないといけない場合がある
バスや電車の本数が少ない
茂みから野生動物が出てくる恐れがある
また、軽井沢は太平洋側の気候なので、それほど積雪量が多くない地域ですが、湖や池が凍る地域です。道が凍結します。
そういうときは自転車無理。スノーブーツ履いて徒歩です。



軽井沢の道路は、観光シーズンになると非常に混雑します。
住民は裏道を知っているので、渋滞を避けて移動できるようです。
タクシーは、需要に対して供給が十分ではありませんでしたが、2024年からライドシェアが導入され、改善されてきたように感じます。
高齢者や免許返納者、障碍者や妊婦さんのために運賃の一部が助成されるデマンドタクシーもあるようです。
・・・こうやって書くと、なかなかの田舎ですね!
いや、間違いなく田舎なのです。
引っ越す前に2年いた松本はなかなかの都会だったなぁ…!と思うくらい。
だけど、北陸新幹線の停車駅になったことで、別荘地プラス、リッチな観光地となり、リモートワークの普及で定住する「移住地」にもなりつつあるようです。
新幹線通勤の方もいて、「東京24区」とも言われています。
「え、ここ、東京?」と一瞬思うのは、ウォーキングやランニングをしている人を見かけるときです。
田舎では歩行者はレア。
車社会だけど、歩き慣れている人もたくさん住んでいる面白いところだと思いました。
つづく
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