単焦点レンズが高くて買えない人へ──中古3万円台のPlanar 50mm F1.4という選択肢
単焦点レンズが欲しい。
でも、高い。
最近のレンズは本当に高い。
50mm単焦点でも、少し良いものを選ぼうとすると平気で10万円を超えてくる。
解像する。
AFも速い。
逆光にも強い。
開放からバキバキに写る。
それはもちろん素晴らしい。
ただ、趣味で写真を楽しむ人にとって、単焦点1本に10万円以上を出すのはなかなか重い。
そこでおすすめしたいのが、Carl Zeiss Planar 50mm F1.4。
中古なら3万円台で狙えることもある、かなり面白い単焦点レンズだ。
3万円台で“空気感”が撮れるレンズ
Planar 50mm F1.4の魅力は、単純なスペックでは語りにくい。
今のレンズのように、開放から画面全体がカリカリに解像するタイプではない。
むしろ、開放付近は少し柔らかい。
でも、その柔らかさがいい。
光がふわっと回る。
背景がなだらかに溶ける。
ピント面だけが妙に浮き上がる。
写真全体に、少し湿度のある空気感が出る。
これが、いわゆるPlanarらしさなのだと思う。
ただ写るだけではなく、場の雰囲気ごと写してくれるような感じがある。
SIGMAのようなバキバキ感を期待するレンズではない
注意点もある。
このレンズに、現代SIGMAのような開放からバキバキの解像感を期待すると、たぶん少し違う。
F1.4からF2.0あたりは、かなり柔らかく写る。
コントラストも強すぎず、シャープさも現代レンズほどではない。

特に近距離で開放を使うと、ピント合わせもシビアだし、描写も少し暴れる。
だから、開放から完璧な描写を求めるレンズではない。
F1.4は“味”を使う領域。
F2.0もまだ柔らかさを楽しむ領域。
しっかり解像させたいなら、F4.0以上まで絞ったほうがいい。

この切り替えができると、Planar 50mm F1.4はかなり楽しい。
このレンズには“美味しい距離”がある
Planar 50mm F1.4で面白いのは、絞りだけでなく、撮影距離でも写りの印象が変わるところだ。
個人的には、このレンズには“美味しい距離”があると思っている。
たとえば最短撮影距離に近い、0.45m〜0.7mくらいの距離。
ここでは被写体にかなり寄れるので、背景が大きくボケて、Planarらしい柔らかさが出やすい。
花、小物、テーブルフォト、手元のスナップ。
こういう距離感では、現代レンズのような完璧さとは違う、少し夢っぽい写りになる。
一方で、2.5m以上離れた距離もかなり良い。
人物を少し引いて撮る。
街の中で人を入れて撮る。
光のある風景を50mmで切り取る。
このくらい離れると、Planar 50mm F1.4の空気感が出やすい。
ピント面の立ち上がりと、背景のなだらかな落ち方が気持ちいい。
逆に、0.7m〜2mくらいの距離は少し難しいと感じることがある。
もちろん撮れないわけではない。
ただ、開放付近だと柔らかさが目立ちやすく、ピントもかなりシビアになる。
人物のバストアップなどで使うと、少し甘いと感じる場面もある。
だからこのレンズは、ただ何となく使うよりも、
近距離で柔らかさを楽しむ。
少し離れて空気感を撮る。
解像が欲しい時はF4.0以上に絞る。
こういう使い方をすると、一気に楽しくなる。
開放は雰囲気、絞ればちゃんと写る
このレンズの良いところは、開放の柔らかさだけではない。
絞ると普通に良い。
F4.0あたりまで絞ると、かなりしっかり写る。
中心は十分にシャープで、被写体の質感も出てくる。
つまり、1本の中にいくつもの顔がある。
開放付近では、柔らかく空気感を撮る。
距離を選んで、Planarらしい美味しい描写を探す。
絞れば、ちゃんと解像を狙う。
この使い分けができるのが面白い。
最初から最後まで優等生なレンズではない。
でも、だからこそ撮っていて飽きない。
フォトヨドバシのサンプルhttps://photo.yodobashi.com/nikon/lens/planar14_50/
ソニーの撒き餌レンズくらいの価格でZeissの描写が手に入る
中古価格を考えると、このレンズはかなり魅力的だと思う。
ソニーの撒き餌レンズと同じくらいの価格帯で、ZeissのPlanarが買える。
もちろん、現代の純正レンズのような便利さはない。
AFもない。
基本的にはMFで使うことになる。
でも、その不便さを受け入れられるなら、かなり面白い選択肢になる。
ピントを自分で合わせる。
絞りを変えながら描写を見る。
撮影距離を変えて、美味しいところを探す。
これは、写真を撮っている感覚がかなり強い。
便利なレンズではなく、写真と向き合うレンズ。
そういう意味では、単焦点レンズの楽しさを知るにはかなり良い1本だと思う。
高い単焦点だけが正解ではない
単焦点レンズは高い。
良いレンズほど高い。
でも、高いレンズだけが正解ではない。
中古市場には、まだまだ面白いレンズがある。
Planar 50mm F1.4は、その代表格のひとつだと思う。
3万円台で買えて、空気感が撮れて、絞ればしっかり写る。
しかもZeissらしいクセもある。
ただし、開放からバキバキに解像する現代レンズではない。
F1.4からF2.0は柔らかい。
解像を狙うならF4.0以上。
そして、距離によってかなり表情が変わる。
そこを理解して使えば、かなり満足度の高いレンズになる。
単焦点レンズが高くて買えない。
でも、雰囲気のある写真を撮ってみたい。
そんな人には、中古のPlanar 50mm F1.4はかなりおすすめできる。
安いから妥協するレンズではない。
安いのに、ちゃんと写真の沼に連れていってくれるレンズだ。
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