採用サイトは「作るかどうか」じゃない。役割を決めていないことが問題だ
採用サイトは、
必要か/不要かで語るものではない。
実際、新卒向けにアンケートを取ると
「企業サイトは特に見なかった」という人は、確実に存在する。
だからといって、
「採用サイトはいらない」と結論づけるのも違う。
採用サイトは、
採用活動の“主役”でもなければ、
“万能な解決策”でもない。
ただの一要素だ。
それなのに、
なぜ多くの採用サイトは
コーポレートサイトの延長のような形になってしまうのか。
その違和感について、
少し整理してみたい。
採用サイトがコーポレートサイトの延長になる理由
採用サイトを作るとき、
よく聞くのが「結局、コーポレートサイトと変わらない」という声だ。
なぜそうなるのか。
理由はシンプルで、
企業側が「募集要項を出せばいい」と思っているから。
あなた自身が求職者だったら、どう仕事を選ぶ?
ここで一度、立場を入れ替えて考えてみてほしい。
新卒でも中途でもいい。
あなたは仕事を探すとき、どう選ぶだろうか。
営業職ならどこでもいい
技術職なら特にこだわりはない
とにかく待遇が最優先
もし本当にそうなら、
募集要項はとても重要な情報源になる。
それは例えるなら、
お店の壁に貼られた
「社員募集/月収25万円以上」
というチラシと同じだ。
すでにその会社に興味があるなら、
その程度の情報でも応募は成立する。
即戦力を求めるなら、
「即戦力求む」と書くのも間違いではない。
それでも、なぜ採用はうまくいかないのか
実際、多くの企業が採用に力を入れている。
採用サイトを作る
求人媒体にお金をかける
SNSも始めてみる
それでも聞こえてくるのは、こんな声だ。
応募が来ない
来てもミスマッチ
定着しない
なぜか。
それは、
採用を「条件提示」で完結させようとしているからだ。
新卒アンケートで見えた、もう一つの現実
新卒の方にアンケートを取った際、
「応募前に企業のサイトを見ましたか?」という質問に対し、
実際にこんな回答があった。
「特に見なかった」
つまり、
企業サイトを見ずに応募する人は、確実に存在する。
正直びっくりした。
この事実がある以上、
採用サイトは絶対必要だ
採用サイトは意味がない
このどちらを主張しても、あまり意味はない。
なぜなら、
採用サイトも採用活動の中の一要素にすぎないからだ。
見ない人がいる=価値がない、ではない
大切なのはここだ。
見ないで応募する人
見てから応募する人
見て「やめる」人
この3タイプは、同時に存在している。
採用サイトは、
すべての求職者に向けた装置ではない。
必要とする人にだけ、
必要な役割を果たせばいい。
採用サイトの役割は「応募を増やすこと」ではない
採用サイトに過度な期待をすると、必ずズレる。
採用サイトを作れば応募が増える
採用サイトがないから人が来ない
こう考えると、失敗しやすい。
採用サイトの本質的な役割は、
応募者を選別することにある。
合わない人が、応募前に離脱する
合いそうな人が、安心して応募できる
この状態をつくるためのものだ。
採用活動は「点」ではなく「面」
採用サイトは、単体で機能するものではない。
求人媒体
エージェント
口コミ
説明会
SNS
採用サイト
これらがバラバラに存在するのではなく、
どこから入っても、同じ会社像にたどり着く
これが理想だ。
その中で採用サイトは、
「最終確認」や「温度感の調整」を担う役割になりやすい。
見ない人がいるからこそ、採用サイトは意味を持つ
皮肉な話だが、
サイトを見ないで応募する人がいるからこそ、
採用サイトは意味を持つ。
なぜなら、面接や説明会の前後で、
思っていた会社と違った
もっと事前に知りたかった
そう感じさせてしまうと、
企業側・応募者側、どちらにとっても不幸だからだ。
採用サイトは、
「応募させるため」ではなく、
ズレを小さくするための装置。
結論
採用サイトは、
絶対に必要なものでもない
不要だと切り捨てるものでもない
採用活動の中の、ひとつの手段にすぎない。
だから本当に考えるべきなのは、
採用サイトを作るか、作らないか
ではなく
採用活動全体の中で、
採用サイトにどんな役割を持たせるのか
ここが決まらないまま作ると、
採用サイトはコーポレートサイトの延長になる。
その違和感の正体は、
きっとそこにある。
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