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特別調査委員会報告書を読んで(1)-報告書の不満点

 このnoteは辺野古転覆事故を追っています。
 7/31に公表された特別調査委員会の報告書及び委員会の記者会見を受けて、色々と読み解いていきたいと思っています。
 読み込み時間&CPU負荷がかかりそうですので、この件で毎日発信することはできませんが… (10)くらいまでは続く気がします...


前提 - このシリーズを継続するという前書き

 README的な感じでつけておきます。

私のスタンス

 公表時の第一印象として、軽く不満のお気持ちを表明しました。

 同ページ内にもリンクを貼りましたが、記者会見後の印象も一応言及しています。

 その他、私のスタンス等はあちこちちりばめているので、いずれ。。

特別調査委員会について

 学校法人同志社の本特別調査委員会報告書については、ご覧になられている方ご自身でダウンロード・読み込みをお願いします。
 世の中に、本報告書の「雑なAI要約」が当然にして出回っていますが、委員会記者会見の冒頭で、委員の方がおっしゃった通りです。中々、委員会の方の意図通りの要約はできていませんので、その点を含め、完全版をお読みください。

 前提条件的な部分だけ抜粋しておきます。

2 当委員会への委嘱事項
当委員会が学校法人同志社から委嘱を受けた事項(以下「委嘱事項」という。)は、下記のとおりである。

① 沖縄研修旅行の実施プロセスにおける事実関係の調査
② ①の調査によって判明した問題の指摘とその原因の究明及び法的評価
③ 再発防止策の提言
④ その他、学校法人同志社の要望に当委員会が応じることにより追加された業務

https://www.doshisha.ed.jp/information/index.php?c=topics_view&pk=1785463079

(1)調査対象
本調査は、同志社国際高校による沖縄研修旅行の実施プロセスに関する事実関係、当該プロセスにおける問題点の有無及び内容、並びに本件事故に関する学校法人同志社の安全配慮義務違反の有無(以下「本調査対象」という。)を対象とするものである。

(中略)

平和学習の内容の適切性それ自体については本調査の対象外である。

(中略)

また、本調査は、学校法人同志社及び同志社国際高校の役員及び教職員(退職者を含む。)その他本件事故の関係者の民事上又は刑事上の法的責任の追及を目的とするものではない。

https://www.doshisha.ed.jp/information/index.php?c=topics_view&pk=1785463079

専門的観点の追加

 元々、ご遺族や本事案に強い関心がある方の発信力と、捜査及び監督官庁の調査報告、事実報道に限定したジャーナリズムだけでは、本件の究明は不可能のことは分かっています。

 このような事案の場合、各方面が、それぞれの立場で、法律的な違反の有無のみではなく、機構そのものの不備や曖昧さを含めて「曖昧な責任な所在のままで本事故が起きた」という事実・原因分析をすべきです。
 また、本調査報告書は、全てをつなげる学校側目線で情報を扱っているため、その中核を担っていると言えます。
 但し、これでも全容にはなっていないです。もちろん、本調査委員会が担うべきだとまでは言い切れませんが、「この観点で調査報告書が十分だったのか」を評価する必要があると思っています。

本記事について

 タイトルに「不満点」と書いた通り、基本的には「もっと踏み込んでほしかった」という意味合いになります。

 特別調査委員会が、「誰かに忖度した」とか「同志社側への配慮が」とか、そういう見解に与するつもりは全くないです。それでも、やはり「不満」が大きいです。

 私自身、今回の調査委員会及びその報告書の最低限ミッションは理解しています。その内容として、事実認定に十分な情報を提供くださったとは思います。
 それでも、必要なのは全体としての真相究明です。
 そこに、この調査報告書が果たす役割は非常に大きいという前提下で、「不満」として思っていることを記載します。

不満点諸々

調査報告書の消極的言及について

 これは、学校法人同志社という法人からの委嘱内容に大きな不備があることが事実なので、特別調査委員会だけを責めることはできません。
 但し、委員会で把握できた膨大な事実のことを鑑みれば、再発防止策の言及を限定的にとどめることは、大きな不満があります。
 すなわち、委員会が把握できた事実から導出されるべき、真相解明・責任明確化・再発防止にむけてすべきことの網羅性は、調査委員会が言及できたと思います。

  具体的には、ご遺族が既に指摘をされている通りのこともあります。

  • 受け入れ側としての沖縄県・観光団体の特別調査

  • 旅行企画及び旅程管理者としての旅行業界・旅行会社の特別調査

  また、以下もすでに動いているという言及があるべきでしょう。

  • 平和教育に関わる、学校法人同志社としての検証

  • 文部科学省が主導している全国への宿泊を伴う課外学習に関する調査指示

  それ以外にも、以下があると思います。

  • ガバナンス不全に対する責任所在の明確化と処分の必要性の勧告

  • 危機管理本部担当理事・学校長・教頭・学年主任・引率者等、修学旅行実施における責任規程の明文化及び現行規程内での処分

  • 本調査委員会が調査中であるという理由で、情報開示・対話等を積極的に行わなかった学校法人としての情報統制機能の著しい不足

調査報告書と処分の連動について

 私が在籍した企業や、特に上場企業における「第三者委員会」報告とその後の処分の関係性で言えば、ほぼほぼ、即日・翌日レベルで処分公表を行っています
 具体的には、人事処分や減給処分、再発防止策策定に向けた機関発足スケジュール公表などです。

 しかし、この調査報告書の掘り下げ方では、受け取った側の学校法人同志社のストーリーとして連動した処分は期待できないでしょう。
 かつ、もっと問題ですが… 学校法人同志社側にはそのような内部処分をできる能力はありません
 その能力があれば、そもそもこの(事実認定だけをお願いするという)委嘱をしないはずだからです。

 つまり、特別調査委員会は、委嘱内容に対しては、満額回答もしくは、世間からのツッコミを受けない程度に情報開示を行っているため、責務に対して弱腰打倒の指摘は受けないはずです。
 そして、踏み込み不足はクライアント側の問題として、理解ある人には認識してもらえます。

 でも、、、ご遺族を担当される弁護士のような方であれば、もっと「提言」をしっかりしてくれていると感じました。

旅行契約締結に関して

 各年次での学年主任のコメントを見る限り、「東武トップツアーズが、限定的な関与しかしてない」という事実を正確に抑えている人間がいません。
 つまり、これは、「重要事項の説明が足りない」という事実を強力に示していて契約行為に関わる著しい不備だと思います。
 その他、これだけの事実・情報量が揃っていれば、「受注型企画旅行及び一部旅程の無手配」というスキームが、いかに危険なものであるかを論理的に指摘できたはずです。

 安全な修学旅行を実現することに対して、安全配慮義務違反の認定を行うのであれば、なぜ、委託先との契約行為における、相手側の不備も指摘できないのか。再発防止の提言内に組み込むことができないのか。

 この点は、ほぼ誰も言及していませんが、大きな問題ですし、恐らく、ご遺族はこの点について、非常に問題意識を持たれているからこそのnoteでのやんわりした言及なのだと思います。
 (そうは言っていないだけで。立件できるレベルではないし。)

文部科学省との連携について

 危機管理マニュアル等は、そもそも文部科学省が膨大なマニュアル群を整備し、対応指示を出しています。
 また、本報告書が指摘している内容の骨子(問題点指摘・再発防止側)は、偏向教育・平和教育・教育基本法違反関連を除けば、文科省報告と大差がないです。
 同じく、文部科学省が、この報告書及び学校法人側からの報告を受けて、不足があれば指導を行う前提に立っているはずです。

 そう考えた時に、文部科学省が1回のヒアリングと1カ月の調査期間でまとめ上げた報告書と今回の報告書で、問題点・再発防止に関する記述レベルに差がないこと自体は、非常に課題なのではないかと思っています。
 少なくとも、学校長の責任に対する言及が、文部科学省側の方が明確であるという点は、2カ月遅れの調査委員会報告としては、大きな不満です。

 もっと、事実認定以外の周囲の動きを報告書のまとめに対してupdateしていける柔軟性が欲しかったです。

規程類から見る責任範囲について

 本報告書内では、学校に存在する諸規程について情報を集めたことを明記しています。
 それであれば、規程類と照らし合わせて、それぞれの役割に対する責務が果たされていたかどうかを言及することは、調査報告書の範囲として踏み込み過ぎとは言えないのではないでしょうか。
 具体的に、「校長が責任に対して役目をはたしていない」こととa12教員の関係性やら、「天候情報を入手しているのに安全確認しない」こととa16教員/教頭の関係性などへ言及することは、不要だと思います。
 そうではなくても、個人への責任ではなく、役職への責任に関する言及としてあるべきだと考えます。

 また、逆に、学年主任・引率教員・担任団などには、研修旅行における責任・規程がなかったのであれば、それはそれで大問題としてもっと具体的に提言されるべきでしょう。

 同様に、規程類の中で、既に、違反が認められた場合に懲戒処分等があり得るとなっているはずなので、それらの処分は、一時的な処分としてでも実施されているべきではなかったのか。
 それが、学校組織運営上、学校法人が関与して指示すべき危機管理の在り方ではないか?

 というもの指摘できたのではないでしょうか。

総じて

  • 遅い

  • 弱腰

  • (犠牲者がいるという)使命感が不足

 という印象です。理論武装しようが、この感情は否めませんでした。

 今後、1つずつ詳細について、記載していけたらと思います。

(このnoteについて)
以下の想いで連載?しています。よかったらご一読ください

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