【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ⑤ 急報
晃雄の VirtualPhone(ブイホ)が鳴ったのは、まだ日暮れ前の六時過ぎだった。
仕事の定時は越えていたが、そんなものは気にしたこともない。
どうだ、これからもう一丁部下のエンジンをかけさせるか、それともどこか夜の街で疲れを癒やしにいくか、と考えを巡らせているところだった。
見知らぬ番号に、晃雄は一瞬警戒した。だが手のひらにすっぽり収まる大きさのブイホの画面に表示されたのは、今時珍しい都内の固定電話だ。そこまで怪しいものでもないだろうと当たりをつけた晃雄は、慎重に通話ボタンを押した。だが念のため、通話相手を空間に映し出すバーチャル設定はオフにする。
「はい、もしもし……は? はい、そうですが……何ですか? え……?」
滅多なことでは動揺を見せない晃雄の顔から、みるみるうちに血の気が引いていった。
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