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【BFC7】本戦に出場しました

ブンゲイファイトクラブ(BFC)という文芸イベントのお話です。BFCについて知りたい方は先にこちらをどうぞ。


私はBFC5からファイターとして参加していまして、5,6どちらも一次選考通過どまりでした。5の作品は未公開ですが、6の作品はこちらにあります。


そして今回、BFC7で初めて本戦に出場させていただきました。今回は初の匿名開催ということで「蛇野うろん」というペンネームで参加してみました。
蛇が好きなんです。ずっと飼いたいと思っていて、タマゴヘビっていうウズラの卵とかニワトリの卵を丸ごと飲み込んで体の中で割った殻を吐き出す子がいて、注目しています。
それで蛇を姓に入れてみて、名は蛇っぽくにょろにょろしたひらがなの単語を入れたくなって、うろんにしました。うろん。とってもにょろりんしてますよね。
言わずもがな、「温泉蛇」面白かったです。


応募した作品は「ビギナーズ・クラック」という掌編小説です。こちらから読めますので、ぜひお先に。


着想のきっかけになったのは、映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』序盤のシーン。文化祭の準備中、教室に置かれた40トンの戦車レオパルト(まずどうやって入れたのか)が、なんやかんやあって床をぶち抜きそうになる。
あくまで着想のきっかけであり、このシーンの示唆することや効果は自作と一切関係ない。とにかく部屋にとんでもなく重たいものがあり、床を抜いてしまいそうな状況、そこからの発展に可能性を感じ、書き始めた。

<例えばベニズワイガニ。>
<例えばマルセグンタイアリ。>
<例えば投石。>
<例えるなら干し梅。>
本作は比喩が多く、中でも「例えば」から始まる体言止めの比喩は目立つ。元々は投石の部分だけこの書き方をしており、他は書いていなかった。
冒頭のカニの部分は「おじさんの手は磯を這う蟹みたいにキーボードの上をちょこまか動く。赤々と日焼けした手。ふっくらと身の詰まった手。」で終わっていたのだが、磯を這う蟹みたいと言っておきながらその見た目は茹でられた蟹みたいじゃないかと思い、「茹で蟹が磯を這っている。」とその矛盾を明記することで引っかかりを排除し、しかしよくよく考えれば生でも赤い蟹はいるなと思い出し、「あるいは生のときから赤い蟹。」まで足したときに、ここも「例えば」の形を使おう、と思い至った。
これによって全体のバランスに歪みが生まれたように感じたので、マルセグンタイアリと干し梅も加えた。干し梅は他と違って段落の最後ではなく、あくまで流れの中の軽い言葉だったので、干し梅程度の言葉、粒度に抑えた。
ちなみに干し梅以外は全て最後の音がiであり、途中の<あ。雨漏り?>や<とにかく人の通れる最低限の面積。>などとも重なる。


それにしても、私って閉塞的なシーンを書くことが多いなあと気づきました。太宰治賞で最終候補作となった「×没」も、汀心vol.1に掲載した「サラムン」も。なんだろう。物理的な閉塞感は好きで、狭いところはすごく落ち着く。でも描くときにはそれを精神的にネガティブなものとしていることが多いような気もする。その両方が上手く絡み合って、創作に繋がっているのかも。


ということで、少しだけ執筆の裏側を公開してみました。惜しくも決勝進出とはなりませんでしたが、多くの方からご感想をいただき、とても嬉しかったです。私も全作品3回ずつ読みましたが、どれも面白かった!


ジャッジのジャッジも書いております。こちらからどうぞ。


なぜ同点のときに遵守性>独自性>論理性の順番で重視するのか、読みの独自性を感じたところは具体的にどこだったのか、みたいなところも書きたい気持ちはあったのですが、時間の制限もあり、このような形となりました。
いずれ、ジャッジでも参加したい。


現在、BFC7の決勝戦が行われています。盛り上げていきましょう!

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