たわいもない話 #8 ドラマ『ハイロイン』の続編が観たい。
『ハイロイン』『双程』『不可抗力』の日本オフィシャルトレーラーYoutube動画が消えました。
『ハイロイン』『双程』『不可抗力』のアジドラ日本オフィシャルトレーラーYoutube動画が消えました。昨夜気が付きました(泣)。
今回の動画が消えたことと全く関係ありませんが、ふと思い出しました。
幻のドラマと言われる『ハイロイン~上瘾~(2016年)』の配信停止措置と主演俳優の活動制限、『陳情令』主演俳優の活動自粛、『山河令』主演俳優の813事件など、中国では、日本人の私たちには理解が及ばない出来事が起こります。
昨今の中国では、お決まり事のように『垂涎』や『逆愛』も配信停止され、中国国内プラットフォームでは視聴できないので、海外プラットフォームを通じて視聴するという、おかしな現象が起きているようです。(間違ってたらごめんなさい)
※『ハイロイン〜上瘾〜』は、日本ではiQIYIが海外プラットフォームのため視聴できます(2026年2月8日現在)。
『ハイロイン』オリジナル2016年版とリメイク版の違い。
2016年版のグー・ハイは「軍高官の息子」でしたが、リメイク版のウー・ビーは「大富豪の御曹司」という設定にスライドされています。また、ス・ユーの家庭に義理の妹が登場するなど、家族の絆をより多層的に描いたブロマンス作品です。
2016年版は、主演二人の剥き出しのパッションと危うい関係性が魅力でした。性愛的な執着や、強引なアプローチが物語の推進力となっていました。
2023年リメイク版は、直接的なBL描写を抑える代わりに、視線や繊細な仕草で「言葉にできない情愛」を表現するクィア・サブテキストの手法が取られていて、非常に叙情的な作品です。
「クィア・サブテキスト(Queer Subtext)」とは、物語の表面上(セリフや明示的な設定)では語られないけれど、演出や文脈の「裏側」に隠された同性愛的なニュアンスのことです。
(この手法は、私がドはまりした『陳情令』にも使われていたと思います)
リメイク版ではキスもしないし、「好きだ」と告白もしません。
(停電の時に、一瞬、頬にチュッしたかな(笑))
その代わりに、二人でお揃いのTシャツやパジャマを着たり、相手の食べれない食材を黙って自分の皿に移すなど、「言葉以外の愛情の断片」を随所に散りばめています。
海に向かって「我爱你!大海!」(Wǒ ài nǐ! Dàhǎi! / ウォー・アイ・ニー! ダーハイ!)と叫ぶシーンがあります。
表面上の意味(字幕など)では、「愛してるぞ、大海原よ!」となりますが、一見すると青春の爽やかな一コマですが、このシーンの意味は言わなくてもわかりますよね♥
制作陣も2016年と同じ失敗を避けるため、表現を練りに練ったに違いありません。あくまでも、作品全体は兄弟愛の物語として表現されていますが、私の目にはそうは映りません(笑)
直接的なラブシーンよりもかえって「もどかしさ」や「純愛」が強調され、さらに作り手と視聴者の間に共通認識が形成され、中国独特のブロマンス作品になっています。
もちろん、そういう目線でなくとも、「家族とは?愛とは?」を考えさせられる青春&ホームドラマとして、とても感動できる作品です!
2023年リメイク版『ハイロイン〜Stay With Me~』の衝撃の最終話
『ハイロイン〜Stay With Me~』の最終話を観終わった方のほとんどが、「え~! ちょっと待って、ここで終わり?」と思ったはずです。
かなり衝撃的な状況でピリオドが打たれてしましました…。
2016年版どころではない衝撃で、ここで終われない私は、原作小説の情報を探し求めました。
そして、この演出は、原作小説にある出来事を忠実に、かつ残酷に踏襲したものだと知りました。また、原作では「8年後の再会」が描かれていることを知り胸を撫で下ろしました。
物語があの状況で終わるはずがなく、原作の「8年後の再会」を描くための伏線だと考えると希望が湧いてくる。
中国国内の規制は依然として厳しいものの、本作は海外配信で成功を収めているので期待してしまう。
どうか続編、よろしくお願いします!
2024年タイリメイク版の冒頭話
タイ版『Addicted Heroin』の構成は、私にとって非常に大きな希望を感じさせるものでした。
冒頭話では、実業家になったヒーローと少尉になったポップが再開する場面からスタートします。その後、2人が出会った高校一年生の物語へと進みますが、この冒頭の場面は、原作の「8年後の再会」を意味するものでは?
2016年版が打ち切りで未完に終わり、2023年版(Stay With Me)が衝撃の出来事で幕を閉じたのに対し、タイ版はあえて「幸せな未来の断片」を最初に見せてくれました。これは、視聴者に対して「この物語は、どんなに険しい道を通っても、最終的にはこの再会に辿り着くんだ」という安心感を与える演出といえます。
タイ版は、2023年中国リメイク版のような悲劇的で終わるのではなく、二人が手を取り合って困難に立ち向かう決意を固めるところで区切りを迎えました。
一見、冒頭の再会と矛盾するように思えます…。
原作で「8年後の再会」があることを知らない視聴者には、よくわからない演出だったと思いますが、冒頭で二人が見せた再会は、一度離ればなれになった過去があることを示唆しています。
(脚本的には無理があったかもしれませんが…)
つまり、ラストで「離れない」と誓ったものの、この先に「どうしても離れざるを得ない過酷な出来事」が起きることを、あの冒頭シーンは告知しているのでは? 続編への布石では?
冒頭で大人になった二人を登場させた以上、そこに至るまでの「別れ」と「空白の月日」を描く続編の制作は、最初から織り込み済みであると考えたい。
どうか続編、できれば中国版の続編を、よろしくお願いします!
中国ドラマ『ハイロイン〜上瘾〜』(2016年)
当局の規制により配信停止・打ち切りとなったため、物語の完結は描かれませんでしたが、その「未完の美」と主演二人の圧倒的な熱量が、今なお世界中で愛される所以となっています。
バイ・ロイン(白洛因)役:ティミー・シュー(許魏洲)
グー・ハイ(顧海)役:ホアン・ジンユー(黄景瑜)
原作:小説「你丫上瘾了」/柴雞蛋(チャイジーダン)
★15話(検閲により未完)
<ざっくりあらすじ>
物語の主人公は、北京の路地裏で病弱な父と慎ましく暮らすバイ・ロイン(白洛因)。彼は成績優秀で誇り高い少年ですが、自分を捨てて軍の高官と再婚した母親を深く憎んでいました。
一方、その軍高官の息子であるグー・ハイ(顧海)は、母親の死を巡って父と激しく対立し、家を飛び出します。素性を隠してバイ・ロインのクラスに転校してきたグー・ハイは、周囲に媚びないバイ・ロインに興味を持ち、わざと教科書を破くなどの幼稚な嫌がらせを繰り返します。
グー・ハイの嫌がらせは次第に、「バイ・ロインのすべてを知りたい」という強烈な執着へと変質していきます。バイ・ロインの貧しい家庭環境を知ったグー・ハイは、身勝手ながらも溢れんばかりの財力と行動力で、彼の生活の隅々にまで介入し始めます。最初は拒絶していたバイ・ロインも、グー・ハイが時折見せる純粋で不器用な献身に触れ、少しずつ頑なな心を溶かしていきます。
二人の距離が決定的に縮まった頃、最悪のタイミングで真実が明かされます。「グー・ハイの父の再婚相手」が「バイ・ロインの実母」であったこと。 憎しみ合う親同士によって、二人は望まぬ形で「義兄弟」という関係を突きつけられます。家族を壊したいという復讐心と、相手を失いたくないという渇望。少年たちの感情は、周囲を巻き込む大きな渦へと発展していきます。
ドラマは、二人の関係が周囲に露呈し始め、さらなる苦難を予感させる場面で幕を閉じます。
▼永遠に残してほしいオープニングテーマMV
中国ドラマ『ハイロイン〜Stay With Me~』(2023年)
ドラマ『ハイロイン ~Stay With Me~』(原題:哥哥你別跑/Stay With Me)は、2016年に社会現象を巻き起こした『ハイロイン〜上瘾〜』と同じ原作者、柴雞蛋(チャイジーダン)が再び脚本を手掛けたリメイク作品です。最終話は衝撃の結末。
ウー・ビー(呉比)役:シュー・ビン(徐滨)
スー・ユー(蘇御)役:ジャン・ジョンミン(张炯敏)
原作:小説「你丫上瘾了」/柴雞蛋(チャイジーダン)
★全24話
原題:哥哥你別跑/Stay With Me
<ざっくりあらすじ>
物語の舞台は北京。成績優秀で冷静沈着、貧しいながらも実直に生きる高校生・ス・ユー(蘇御)は、幼い頃に自分を捨てて金持ちと再婚した母親に対し、複雑な愛憎を抱えていました。
一方、わがままで傲慢だが孤独な御曹司・ウー・ビー(呉比)は、父親の再婚に猛反発し、家を飛び出してス・ユーの通う高校へと転校してきます。最悪な出会いを果たした二人でしたが、実は「親の再婚相手の連れ子同士」という、皮肉な運命で繋がっていることを彼らはまだ知りませんでした。
当初、ウー・ビーはス・ユーを敵視し、嫌がらせを繰り返します。しかし、ス・ユーの芯の強さや、質素ながらも温かい家庭環境に触れるうちに、ウー・ビーの頑なな心は次第に解けていきます。二人はいつしか、クラスメイトや義兄弟という枠を超え、唯一無二の深い絆で結ばれるようになります。
しかし、二人の関係が深まるほど、家族の反対や周囲の視線、そして過去の因縁が大きな壁となって立ちはだかります。少年から大人へと成長する過程で、彼らは「本当の愛とは何か」「守るべきものは誰か」を自問自答し、激しく葛藤します。
タイドラマ『Addicted Heroin -ハイロイン-』(2024年)
タイ版リメイク作品です。物語の骨格は原作小説や中国版と同じですが、タイの空気感や「タイBL」らしい情緒が加わっているのが特徴です。
ヒーロー(Hero)役:オーガスト( Vachiravit Paisarnkulwong)
ホップ(Pop)役:マック(Nattapat Nimjirawat)
原作:小説「你丫上瘾了」/柴雞蛋(チャイジーダン)
★全10話
<ざっくりあらすじ>
軍の将官を父に持つ高校生・ヒーロー(Hero)は、裕福な家庭で育ちますが、幼い頃に母を亡くし、冷徹な父親との間に深い溝を抱えていました。父が後妻(継母)を迎えることに激しく反発したヒーローは、家を飛び出し、身分を隠して庶民的な高校へと転校します。
そこで出会ったのが、クラスメイトのポップ(Pop)です。ポップはヒーローとは正反対で、極端に貧しい家庭で病気の祖母と父を支えながら、懸命に生きる優等生でした。
当初、ヒーローはポップに興味を持ち、わざと意地悪をして反応を楽しむような子供っぽい関わり方をしますが、ポップの過酷な境遇や真っ直ぐな性格を知るうちに、彼の孤独な心はポップの存在に救われていきます。
しかし、二人が互いにかけがえのない存在になった頃、衝撃の事実が判明します。ヒーローが最も憎んでいた父親の再婚相手は、ポップを捨てて出て行った実の母親だったのです。
「義兄弟」という逃れられない運命と、家族への複雑な感情に翻弄されながらも、二人は愛と絆を深めていきます。
タイトル『ハイロイン』の意味
タイトルの『ハイロイン』には、物語の核心を突く2つの意味が込められています。
一つは、二人の主人公の名前を組み合わせた造語。
グー・ハイ(顧海) の「海(Hai)」
バイ・ロイン(白洛因) の「因(Yin)」
この2文字を繋げると、中国語で「海因(Hǎiyīn / ハイ・イン)」となります。これが日本語や英語のタイトルで『ハイロイン(Heroin)』と表記される由来です。
もう一つは、言葉遊びによるダブルミーニングです。 「海因」という発音は、中国語で麻薬の「ヘロイン(海洛因)」と非常に似ており、さらに作品の原題である『上癮(シャンイン)』には「中毒になる」「依存する」という意味があります。
「一度触れたら、中毒のように抗えず、互いなしでは生きていけない」
そんな二人の破壊的で強烈な愛を、薬物の中毒性と重ね合わせて表現している、非常に秀逸なタイトルでもあります。
ちなみに、タイ版のタイトルが『Addicted Heroin』となっているのも、この「中毒」と「名前の組み合わせ」の両方の意味を英語で直訳したもの。
