新未来世界からこんにちは第3話未来人ゼモン
第3話 未来人ゼモン
是門道士の父方と母方の祖先を過去に向けて見てゆくと、茶倉光一と竹馬友和の名前が、しばらくして出てきた。
「なるほど、これが本当だとすると、このゼモンとかいう人を接点として、俺とチャは、未来では遠い遠い親戚になるってことか」
「まあ、その可能性はあるだろうな。同じ地域に僕達の子孫が、ずっと住み続けていれば、そういうこともありうるよ。それに僕とタケは友人関係にあるからね。仲の良い者の子孫同士が結婚したって別に不思議ではない。むしろ喜ぶべきだよ」
謎の未来人が、自分達の子孫であることがわかったことで、茶倉達とゼモンの間にあった見えない壁も徐々に薄れてゆき、親近感が湧いてきた。
「ところで、ゼモン。未来人のあなたが、なぜ、わざわざ僕達の所へやってきたんですか?何かメッセージでもあるの?」
茶倉の質問が終わると、ドスドスッという足音とともに、さっきのロボットが、グレイの色をしたボードにピンク色の液体の入った細長いコップを三つ載せてやってきた。
ロボットは、三人の前にコップを置くと、ゼモンを見た。
「マスター、他にご用はなかったでしょうか?」
「ああ、君達に紹介しておこう。私のアシスタントロボットのバックスだ。我々の時代では、みんな自分専用のロボットを所有しているんだよ。さあ、ミューを飲んで下さい」
竹馬が、飲むのをためらっていたので、まず試しに、茶倉が口をつけてみた。
まるでトマトジュースとアイスコーヒーを混ぜたような味がする。何とも言えない不思議な感じ。しかし飲んだ後、非常に爽快な気分になり、緊張感が薄れていくのがわかる。
「どうだ?うまいか?」
竹馬の問いに、何と答えればいいのかわからず、茶倉は黙ってしまった。
竹馬も恐る恐る飲んでみた。
二人の反応を興味深そうに見ていたゼモンも、グッと、ミューを飲むと満足そうな表情になった。
「さてと、なぜ子孫の私が、君達の世界へやってきたのか。まず第一に50世紀になり、誰でも安心してタイムトラベルができるようになったことですね。二つ目は、歴史の勉強と文化的な交流のために、自分達の祖先や子孫の様子を観察したり、彼等を自分達の世界へ招待することが許されるようになったからです」
新未来世界からこんにちは|萩武
【続く】
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