認知症の初期症状とサイン|家族が気づいた瞬間とケアマネの対応法
1.認知症の初期症状に家族が気づいた瞬間 ー「ある日突然」ではない理由
こんにちは。
今回は認知症の関連した内容です。私の父母は先日、施設入所しまして、その時の話はこちらの記事に書いています↓
タイトルにもある通り、母は認知症(まだ確定診断は受けていないのですが)で自宅生活がつらくなってきたところです。
その経験もありつつ、私自身、仕事で介護歴15年以上、300人以上の利用者様とそのご家族に関わってきました。この記事では、認知症の初期症状とはどんなものか、「もの忘れ」「被害妄想」「失禁」「転倒」といった具体的な症状に家族はどう対応すればいいのかを、母の様子や現場での経験をもとにまとめています。
「ある日突然、様子がおかしくなった」と話される方は多いのですが、実際に振り返ってみると、ある日突然ではなく、以前から少しずつ変化が始まっていて、何かをきっかけに表面化した、というのが正確な捉え方だと感じています。
私の母のケースがまさにそうでした。半年ほど前から、母から私への電話が毎週末かかってくるようになったんです。あまりに頻繁だったので、2ヶ月ほど続いたところで「そんなに毎週かけなくても大丈夫だよ」と伝えました。すると翌週から、今度はぱたりと電話が来なくなったんです。
当時は「言ったから控えてくれたんだな」くらいにしか思っていませんでした。ですが今振り返ると違います。母は、手書きの電話帳から私の番号を探し出して発信するという一連の操作が、その頃にはもうできなくなっていたのでしょう。
これが4〜5か月前の出来事で、その後、父が入院したことをきっかけに、母の様子がおかしいとはっきり気づくことになりました。
「お父さんは入院しているんだよ」と私は何回も聞くことになりました。同じ話を繰り返す、というのは認知症の典型的な行動です。
さらにはっきりしたのは、父が「施設に入る」と言い出し、施設見学などで私が実家に帰る機会が増えてからです。
普段からやり慣れていることを繰り返すことは、認知症でもけっこうできるので、変化ははっきりとは分かりません。ですが「新しいこと」をやろうとすると、途端にボロが出ます。私が実家を訪ねると、私が来ること自体は分かっているようなのですが、毎回「今日は何をしに来たんだっけか?」と言うようになりました。
また、施設入所の関係で、私が父の病院に出入りすることも増えましたが、入院時、父の病状について、母が医師から説明されたのですが、母はそのことを「覚えていない」と言ったそうなのです。
病院側は責任問題にならないように、説明をしたらその内容を示した書類にサインを求めることが多くあります。その書類に母の署名があるのですが、母は「覚えていない」というのです。
また、その父の入院中、その父から「お母さんが行方不明になった」という電話がかかってきたこともあります。話を聞きと、「お見舞いに来るはずなのが来ない」「家に電話しても出ない」ということでした。
幸い、父は近所の方の電話番号を知っていたので、その方にお願いして、家に様子を見に行ってもらいました。
そこで、イスに座ったまま動けなくなっている母を発見したというのです。(実家は田舎なので、家にいるときは鍵をかけていなかったので助かりました。)
幸い、ケガなどはなかったのですが、翌日、私が訪問すると、母はそのことを覚えていなかったのです。
何回も何回も繰り返し話したところ、「なんで○○さんは来たんだっけ?」くらいまでは言うようになりましたが、それは昨日の出来事を思い出したのではなく、新しく覚えなおした感じです。
この話を聞くと「もう完全に認知症じゃないか」と思うかもしれませんが、ここに至るまで、本当に「ちょっともの忘れが増えたかな」という印象で、業界でいうところの「年相応のもの忘れ」と、周囲はとらえていました。
こうした経験から思うのは、認知症は「ある日突然」始まるものではなく、実際には少しずつ少しずつ進行していて、それが何かの拍子に表面化するだけなのだ、ということです。
半年に一回、一年に一回しか実家に帰らないという方であれば、「あれ、おかしいな」と気づいた時点で、実はもうそれなりに進行している可能性があります。
逆に、本当に短期間で急激に進行するようなケースは、認知症以外の病気が隠れている可能性もあります。
代表的なところでいうと正常圧水頭症やCO2ナルコーシスなどがありますが、脱水でもそれに近い症状が出ることもあります。
少しでも気になることがあれば、様子見をしすぎず、早めに地域の病院やもの忘れ外来などを受診されることをおすすめします。
「認知症」と聞くと、多くの方が「もの忘れがひどくなる病気」というイメージを持たれます。ですが現場で見てきた実態は、もう少し複雑です。
次の章で、認知症について具体的に語ります。
2.認知症の「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」の違い
認知症は病名ではなく症状の総称で、原因になっている病気によって症状も進み方も違います。アルツハイマー型はもの忘れが目立ち、脳血管性は性格が変わったように見え、レビー小体型は幻覚が特徴的です。
ですが、このような細かい病名や、病気ごとの詳しい違いは、調べればいくらでも情報が出てきます。この記事ではそこには踏み込まず、認知症の本質とその対応について書いていきます。
認知症とは「認知機能の低下から生活に支障をきたした状態」のことを指すのですが、では「認知機能の低下」とはどのような状態でしょうか。
ここでいう認知機能とは、以下のようなものの総称です。
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