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文学茶釜【毎週ショートショートnote】

「骨董市で見つけたこれ、どうも曰く付きみたいでさ」
「ずいぶん古そうな品だな。何かを入れる容器かな?」
「おそらく、茶釜じゃないかな……これ、突然、鳴くんだよ」
「鳴く?」
「そう、哀しそうな声でね。だから『ぶんぶく茶釜』みたいに、狸か何かが化けて……知らない? 昔話の」
「知らない」
「しかも、鳴くだけじゃないんだ。ここ、開くだろ。ちょっと開けてみて」
「怖いな、端っこ欠けてるし……うわっ! えっ、……花?」
「そう、開けるたびに、違う花が咲いているんだよ」
「しかも、これ、見た目よりやたら軽いな。……まるで、これ自体が少し、浮いているみたいに」
「何かの怨念か呪いがかかってるっぽくはあるんだけど、何が何だか…」
「なあ、これ……茶釜じゃないんじゃないか?」
「えっ?」
「ボロボロだけど、角張ってて、冷蔵庫みたいな……で、ここの黄色いのは、……口?」

と、突然その黄色い口が動き、奇妙な鳴き声が響き渡った。

「ウタ・カタ! ウタ・カタ!」




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