手の届かない詩神へ~レスティラウトの成長~
*『本好きの下剋上』のネタバレを含みますので未読の方はご注意ください*レスティラウトのことを割と呟いているな~と思ってレス誕のために纏めてみました*
*レスティラウト視点のSSは下記です*
・書籍版第五部Ⅰ エピローグ
・ふぁんぶっく7 書き下ろしSS 次期領主と礎の魔術
・ハンネローレの貴族院五年生ドラマCD1 特典SS レスティラウト視点 妹の婚約者候補と貴族院の騒動
◆初登場の印象が酷いキャラ首位争い(*個人の感想です*)
になりそうなのがアナスタージウスと並んでレスティラウトです。
図書館の魔術具シュバルツとヴァイスの主になったローゼマインから大領地の権威を笠に着て強引に魔術具を奪おうとした時、下位領地ローゼマインへの態度は傲慢さ全開でした。
しかも図書館になど自分自身では通う気はないと宣われます。
ローゼマイン視点では読書など無関係な脳筋にしか見えなかったのもやむなしでした。
が、そもそもシュミルズの主になりたがったのは彼の妹ハンネローレで、シスコン気味のレスティラウトは妹の呟きを拾ってしまった側近からの報告を受けて主の座を妹に渡したかったことが後に分かります。この辺りで(あれ?なんかちょっと悪い人ではないのかもしれない?)とはなります。
図書館に通わないという言もユルゲンシュミットの領主一族や上級貴族は下位貴族に依頼するというローゼマイン以外には当たり前の習慣ゆえ。
(注*この習慣も実は後になって分かりますが、王族がメスティオノーラの書(グルトリスハイト)を独占するようになった流れの中で貴重な資料がある貴族院図書館(地下書庫)に各領主候補生達をなるべく近づかせないようにしていったことからという伏線が隠れています。織り込みが本当に凄い。)
◆お前が聖女など認めない!って言っていたのに
シュミルズの主の座を掛けて初めてのディッターになりローゼマインの奇策によってまさかの敗北。プライドの高さゆえ暴言を吐いていたレスティラウトでしたが、特にローゼマインの存在が大きく変わった転機はやはりあのピカピカ奉納舞でした。魔力が溢れて困る状況になり祝福テロを防ぐために魔石ネックレスを付けた結果のローゼマインによる…
本人はひたすら祝福を垂れ流さないように必死だっただけなのに周囲は神秘的な美しさに目を奪われていたという、本人視点との温度差がすごい。
レスティラウトは目に焼きついたその美しい様をまるでアニメーションのように何枚も描かずにはいられなかったほど。
脳筋に見えていたレスティラウトは実際は芸術を愛する繊細さを持ち、領主一族として古語もきちんと学習している優秀な学生でした。
『ふぁんぶっく5Q&A』によると、彼が「描かずにいられない」エグランティーヌやローゼマインに寄せる思いはいわゆる芸術家にとっての詩神(ミューズ)的であり、そのまま恋愛感情ともいえないらしいけども。
◆いずれ王族に取られるなら自分が!
ローゼマインを描きまくるレスティラウトを見る側近の気持ちは複雑だったことと思います。本人は「魔力感知もしていない者に」など言ってるけど、そこの追及は置いといて主を煽って嫁盗りディッターに持ち込んだのでした。(注*この件はケントリプスも罰を食らったことがハンネローレ編で判明)
しかし『ふぁんぶっく7 書き下ろしSS』を読むと、レスティラウトには下位領地エーレンフェストで実子達に比較して冷遇されているように見えていたし、自分の価値に無自覚で貴重な情報をぽろぽろ王族にも垂れ流すローゼマインがいずれ王族に取り込まれるのも予測がついていました。
そんな彼女を彼なりに守ってやりたい気持ちがあったこと…
これは貧民時代のマインを守るためにはベンノさんのところよりも力があり貴族にも伝手がある自分のところに取り込みたかったフリーダにも似ている構図です。
しかし『ふぁんぶっく6Q&A』によると、もしレスティラウトが勝利し婚約していても結局は王族に取り込まれるのを守りきれなかったであろう(大意)とあります。
ローゼマインを守り切るにはフェルディナンドの年齢差による経験値と有能な老獪さが必要でした。
◆詩神への想いは描くことで昇華し、気づきは一回りの成長へ
https://twitter.com/miyakazuki01/status/854490307097788416
≫レスティラウトは複雑でしょうね。自分の求婚には「エーレンフェストにいたい」と主張した女が、フェルディナンドのために騎士を率いて別領地のアウブになったのですから。
男として敗北感が増し増し…。≪
公式の過去ツイート↑は本当に切ないものです。
アーンヴァックスによって急激に女性らしく美しく成長したローゼマインが自分の持てるカードを全て切ってフェルディナンドを救出に行くというのですから。自分が守らなくても自分の欲しいものは獲得しに動ける女性だったと苦く知るレスティラウト。
この時一度は遠ざかった次期アウブの座も決定し礎を任された彼は同時にローゼマインへの自分の想いの空回りを改めて思い知ったのです。
しかも父親には「グルトリスハイトを手に入れたローゼマインはツェント候補。今までの態度を改めよ」と注意されました。
国境門に現れたローゼマインに父親の諭しに従ってきちんと態度を切り替えたら、その当の相手に「前と同じに接してくれ」と言われます。
その言葉はレスティラウトの気持ちにどう響いたのでしょう?
まっすぐ見つめることも出来ず眩し気にちらちらと見る様子の描写には、どこかむず痒いような照れ臭い彼の心理が表れていてちょっと可愛らしいと思いました。
手に入らなかった詩神への想い
ローゼマインの真の強さを見抜けなかった自分
いつも引いている存在だと見くびっていた自分
守ってやろうと自分の手に入れようとし、力及ばなかった自分
そして誰よりも大事にする相手の為には闘いにも赴く強さを知る
美しい詩神は自分の手には届かなかった。
…挫折を知り自らの未熟を悟れたからこそ彼の少年期は終わりを告げ、青年期に一段昇ったのだろうと思います。
◆アレキサンドリア・未成年アウブの誕生を
一刻も早く絵に残したいと指をうずうずさせるレスティラウトの様子はハンネローレ視点で語られますが、カッと目を見開く彼を思うとちょっと笑ってしまいますね、可愛く賢い婚約者がいながらそんなのでいいの?と。
レスティラウトにとってローゼマインへの想いは恋愛未満で失恋とは少し違うのかもしれないですが
少年から青年へと移行する時期の美しいものへの憧憬とともに絵に昇華された想いたち
レスティラウト×ローゼマインの虹作品がたくさん生まれるのも、せめてifの世界線ででも幸福に満たされてほしいレスティラウトファンがいるのだと私にもとても分かるのです。
*主にこれまでTwitter(現X)に呟いていたレスティラウト関連の内容を纏めてみたものになります。↓
長い文章をお読み頂きありがとうございます。
ふぁんぶ7書き下ろしレス視点SSでダンケが領主一族に古語必修にしてた理由分かる。このSS読んでから22巻読むと(ああこの時レスはマを救いたかったのか)ってちょっと切ない。表彰式で言いかけた言葉もマに忠告したかった。懸想などするかと傲岸に言うレスのマへの気持ちは芸術家にとっての詩神らしいが
— (📚好き専用)haneusagi (@haneusaamano) April 27, 2024
コミカライズ第1部6フリーダ視点SS再読)ただ利益だけの為にマを取り込もうとしてたんじゃなくて。新興のギルベルタ商会では貴族との繋がりが少なく力不足だという客観的認識(事実)。同じ身食いとして初めての友と感じるマを心底救いたかった。でもマには不要だった。これはレス兄にも似た構図なのだな
— (📚好き専用)haneusagi (@haneusaamano) October 9, 2024
ふぁんぶ7の書き下ろしレス視点SSは、ダンケアウブが既に掴んでいた情報を即座に加味して判断(でも最終的なGoはジーク様が握ってたっぽいw)したのがよく分かってさすが大領地と思える。レスもマがグル典入手したと知ってすぐに歴史書の記載を思い出し「長患いと言ってたのは…」と正しく推測している。
— (📚好き専用)haneusagi (@haneusaamano) September 16, 2024
ふぁんぶ6QAで、もしこの時嫁盗ディッターに勝利してても、結局グル典絡みのゴタゴタが起きてくるのでダンケに嫁入りはない(大意)という回答があったり、別のとこでもレスがもしマを取り込んでも自分の力不足を痛感するとあった気もする(マにはフェルの能力と老獪さが必要)レスロゼはifで昇華ですねv
— (📚好き専用)haneusagi (@haneusaamano) April 27, 2024

