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家業を継ぐとは

「長男なんだから、家業(農家)を継いで当たり前」

地方の農家の長男として生まれた私は、幼い頃からそう言われて育ちました。

私は、いま外資系のコンサルティング会社で働いています。

そんな環境下にある私のリアルな想いを綴りました。

より詳細な私についてはこちらに書いています。

農家は継がない

幼い頃から、私は父の背中を見て育ちました。

朝の暗いうちから田んぼへ出て、夕暮れまで黙々と働く父。
土の匂い、草の香り、風の音。

そのすべてが、私にとって「日常」でした。


幼い頃は、夏の日差しの下、汗をぬぐう父の姿がかっこよく思えて、よく田んぼへ手伝いに行っていました。

しかし、会社員や公務員の友達の父親がスーツで働く姿を見て、父との違いを理解できるようになると、
次第に田んぼと距離を取るようになりました。



はっきりと言葉には出来ませんが、子どもながらに、その間にある“見えない違い”を感じていたのだと思います。

そんなことを考えてしまう自分への嫌気さと
そんな中でもいつも変わらない田舎の風景に窮屈さを感じていました。

やがて大学進学をきっかけに地元を離れ、
農業とはまったく違う世界に身を置くようになりました。



ちゃんと話したことはありませんが、
「農家は継がない」
父には、きっとそう見えていたと思います。

コンサルとして生きていく

大学卒業後、事業会社を経て、コンサルタントとして働くようになりました。
明け方まで、パソコンに向かい、データを分析し、課題を言語化し、解決策を提案する。
その難しさや面白さ、ハードさの全てが魅力的で、私はすっかり取り憑かれていきました。


数字とロジックの世界にどっぷり浸かる日々。
成果を出すたびに、自分が少しずつ強くなっていく感覚がありました。
気づけば、起きている時間のすべてを仕事に捧げていました。

風のように走り抜けるような毎日。
コンサルタントライフをビュービュー吹かせながら、
「もう一生、この仕事をやっていこう」と思っていました。

それでも考えてしまう

そんな中、クライアントの工場や研究所に足を運び、
そこで働く人たちの姿を見るたびに、
「現場」の大切さを感じれば感じるほどに、
実家の農家を思い出してしまいます。

あんなに窮屈に感じていたはずなのに、
もう考えてなくてもよいはずなのに、
自然と考えてしまう。

気がつくと、自分なら、
今の実家(農業)をどうするか、両親のやりたいことを実現するためにはどうしたらよいか
を真剣に考えるようになっていました。

長男なのに、農家を継がないのは無責任だ

ある程度、コンサルタントという仕事を理解できるようになったタイミングで、実家に帰省しました。

本当は東京での仕事の話をしたいのに、
帰るたびに親戚や近所の方から、いつも言われることは同じでした。


「長男なのに、家業を継がないのか?」
「跡継ぎはどうするんだ?」


その言葉を聞くたびに、胸の奥がチクリと痛み、

あの窮屈に感じていた幼少期の記憶がよみがえります。

地元にいたときは、それがいやいやで仕方ありませんでしたが、
いまでは、家業を継いでいないことは、事実であるので、
全ての言葉を受け止めるようにしています。

私は、自分の意思で、コンサルとして働いている(働かせてもらっている)ので、それにより生じる全てのことに対して責任を持とうと思っています。

私も、家業を途絶えさせなくはないので、
コンサルとしての経験を実家にどのように還元できるか、をさらに考えるようになっていきました。

いやいや家業を継ぐことは無責任ではないのか

地元に帰省したときは、よく地元の友人と飲みに行きます。
彼らも私と同じように家業があり、東京で同業界の会社に就職した後、今では家業を継いでいます。

そんな友人たちとの会話で、よく耳にするのはこんな言葉です。

「親に言われたから継いでやっただけで、本当は継ぎたくなかった」
「いま実家が上手くいっていないのは、親のせいだ。自分だったら、もっと上手くやったのに」
「自分の子どもには継がせたくない」

私もまた、親戚や近所の方からよく言われていました。

「〇〇さんの家の長男は、〇〇の会社で修行して家を継いでいるのに」と。

でも、いやいや家業を継いでいる友人たちを見て、いつも考えることがあります。

「いやいや家業を継ぐことは無責任ではないのか」

私が無責任だと言われることはわかりますが、
しょうがなく継ぎ、上手くいっていないことを親のせいにする彼らは無責任ではないのでしょうか。

もちろん、実際に当事者として跡を継ぎ、家族のそばにいることに変わりはありません。

しかし、自分の決断に責任を持たず、現状の上手くいっていないことを人のせいにする彼らに責任があると言えるのでしょうか。

ここで断っておきますが、私は友人たちを否定したいわけではありませんし、自分を肯定したいわけでもありません。

客観的にこの事実を見たときに、

「家業を継ぐとは何か」

を考えずにはいられませんでした。

家業を継ぐとはどういうことか

家業を継ぐことは、会社を引き継ぐことと同じだと思っています。

家業を継ぐとは、単に「経営権」を引き継ぐだけではなく、
下記が要素が大切であると考えています。

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