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さよなら、バフェット。最新13Fから読み解く、3,800億ドルのキャッシュが向かう「次の目的地」


「2025年末、バフェット氏が最後に残したリストには、彼の深い『情』が刻まれていました。しかし、年が明けた2026年1月、新CEOアベル氏が最初に行ったのは、その『情』を『理』で上書きする残酷なまでの決断でした。

今回のnoteでは、上位10銘柄で9割を占める、

バフェットが育て上げた、バークシャー・ハサウェイ(BRK-A,B)の最強最新のポートフォリオと、その裏で始まった聖域なき解体の真実に迫ります!



バフェット氏が遺した最強の規律

 

2025年12月31日時点、ウォーレン・バフェット氏がCEOとして最後に手掛けた「バークシャー・ハサウェイ最新ポートフォリオ」の全容です。

1.バークシャー・ハサウェイ保有上位10銘柄(2025.12.31時点)

上段がポートフォリオ全体に占める構成比率、下段が今回のポイントです。

  • 1位:アップル (AAPL)

    • 22.60%

    • 4.32%削減(1,029万株売却)。筆頭株主を維持しつつ、リスク分散と現金確保を優先。

  • 2位:アメリカン・エキスプレス (AXP)

    • 20.46%

    • 維持。バフェット氏が愛した「堀(Moat)」を持つ金融株の代表格。

  • 3位:バンク・オブ・アメリカ (BAC)

    • 10.38%

    • 8.94%削減(5,077万株売却)。長年の主力を大幅に削り、キャッシュへ転換。

  • 4位:コカ・コーラ (KO)

    • 10.20%

    • 維持。バークシャーのDNAとも言える永久保有銘柄。

  • 5位:シェブロン (CVX)

    • 7.24%

    • 6.63%買い増し。エネルギー価格の安定とインフレ耐性を重視。

  • 6位:ムーディーズ (MCO)

    • 4.60%

    • 維持。独占的なビジネスモデルへの高い信頼。

  • 7位:オクシデンタル・ペトロリアム (OXY)

    • 3.97%

    • 維持。シェブロンと並び、エネルギーセクターへの強いコミット。

  • 8位:チャブ (CB)

    • 3.90%

    • 9.31%買い増し。保険ビジネスのプロとして、優良損保株をさらに強化。

  • 9位:クラフト・ハインツ (KHC)

    • 2.88%

    • 維持(12月末時点)。バフェットの「最後の失策」と呼ばれる聖域。

  • 10位:アルファベット (GOOGL)

    • 2.04%

    • 維持。ハイテクの中でも強固な広告・クラウドインフラを評価。

今回公開されたポートフォリオで最も目を引くのは、やはり極端なまでの集中度。上位10銘柄だけで、ポートフォリオ全体の約88%(約90%近く)を占めています。

数千億ドルという巨額の資金を運用しながら、投資先をあえて絞り込むこのスタイル。

分散投資が推奨される現代において、
「確信を持てる数少ない優良企業に、人生を賭けて集中する」
というバークシャーの哲学を、

バフェット氏は退任の瞬間まで貫き通しました。しかし、

この「選択と集中」の裏側で、主力銘柄に大きな動きがありました。

2. 聖域なき「利益確定」-アップルとバンカメを削る真意

筆頭株主であるアップル(AAPL)と、長年の主力だったバンク・オブ・アメリカ(BAC)の継続的な削減が続いています。

  • アップル(AAPL): 約1,029万株(4.3%)を売却

  • バンク・オブ・アメリカ(BAC): 約5,077万株(8.9%)を売却

全体の9割を上位銘柄が占めるポートフォリオにおいて、これら「トップ3」を削る動きは非常に重い意味を持ちます。事業への懸念というよりは、

「特定の巨大銘柄への依存を下げ、後継者が自由に動ける弾薬(キャッシュ)を確保する」という、

世代交代を見据えた高度なリスク管理と判断できます。

3. 「守り」の強化-エネルギーと保険への回帰

主力株を削った資金は、インフレ耐性が高く、キャッシュフローが安定した「オールドエコノミー」へと振り向けられています。

  • シェブロン(CVX)-約809万株(6.6%)の買い増し

  • チャブ(CB) 約291万株(9.3%)の買い増し

特に、全体の3.9%を占めトップ10入りを確固たるものにした損害保険大手チャブ(CB)への投資拡大は象徴的です。

バークシャーの強みである保険分野に近い領域で、確実に利益を積み上げる企業への信頼を厚くしています。

4. 新たな注目銘柄:ブランド力とサブスクの価値

そして、上位銘柄の圧倒的な存在感の陰で、独自の地位を築いている銘柄もあります。

  • アルファベット(グーグル,GOOGL): ハイテクの中でも「インフラ」としての独占力を評価。

  • ニューヨーク・タイムズ(NYT): デジタル・サブスクリプションへの移行に成功。

  • ドミノ・ピザ(DPZ): 圧倒的なシェアと効率的なビジネスモデル。

3社に共通するのは、「顧客が離れない強いブランド」と「継続的な課金モデル」です。

どんな会社?

ニューヨーク・タイムズ-世界的に有名な「ニューヨーク・タイムズ」を発行するメディア企業。かつての新聞販売からネットで記事を読む「デジタル購読」への移行に大成功して稼いでいます。ニュースだけでなく、料理レシピやパズルゲーム(Wordleなど)の有料会員も増やしており、安定した収益基盤を築いています。

ドミノ・ピザ-世界最大のピザチェーン。自社でピザを焼くよりも、加盟店からの「ロイヤリティ(商標使用料)」や、食材を各店舗へ卸す「サプライチェーン事業」で効率よく稼いでいます。業界に先駆けてアプリ注文や配達システムをデジタル化した「IT企業のようなピザ屋」であり、極めて高い収益性が特徴です。

 

「静」
12月末、リストの第9位にいたクラフト・ハインツ

データ(12月末時点)によるとクラフト・ハインツ(KHC)は、3億2,563万株を保有し、変動なし(No Change)の第9位に鎮座していました。

この時点では、バフェット氏が長年大切にしてきたビジネスパートナーとの「情」や、自身の「失策」に対する責任としての継続保有が続いていたことがわかります。しかし、これは次の時代の「嵐」が吹く前の、一時的な静寂に過ぎませんでした。

「動」
新CEOアベル氏が放った、就任3週目の「聖域なきメス」

年が明けた1月22日、日経新聞などが報じたニュースは市場を震撼させました。CEOを継いだばかりのアベル氏が、バフェット氏の聖域であったクラフト・ハインツKHC株の売却(売り出し登録)を断行したのです。

  • 12月末: 「変動なし」で第9位をキープ(今回のデータ)

  • 1月22日: 発行済み株式の27.5%に相当する約3億2,500万株の売却検討が判明(最新ニュース)

バフェット氏がかつて「カネを払いすぎた」と認めつつも手放せなかった銘柄を、アベル氏は「理」によって冷徹に整理し始めました。これは、バークシャーが「過去の成功体験を守る組織」から「未来の資本効率を追求する組織」へ**と、わずか3週間で変貌を遂げた瞬間でした。

💡 あわせて読みたい:KHC撤退の舞台裏
アベル氏が下したこの歴史的決断の詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。👉 【速報】グレッグ・アベル、バフェットの「聖域」を売却へ。

2026年、私たちは「新旧交代」の目撃者となる

現在、バークシャーは上位銘柄(アップル、バンカメなど)を削減し、過去最大級のキャッシュを抱えています。

「永久保有」を美徳としたバフェット時代から、「合理的な代謝」を優先するアベル時代へ。

2月後半に公表される、アベル氏が初めて執筆する「株主への手紙」には、その具体的な設計図が刻まれているのではないかと思います。

💡 あわせて読みたい:新体制の全貌と課題
3,800億ドルの現金をどう動かすのか。新CEOが描くバークシャーの未来については、こちらをご覧ください。
👉 ポスト・バフェット時代のバークシャー・ハサウェイ:2026年新体制の全貌と課題

上位10銘柄は、どんな会社?

クラフト・ハインツ-世界最大級の食品・飲料メーカーです。ケチャップの「ハインツ」やチーズの「クラフト」といった超有名ブランドを多数持ち、スーパーで売られる調味料や加工食品で稼いでいます。食卓に欠かせない製品を扱っており、景気に左右されにくい安定したビジネスが特徴です。

アップル-iPhoneでお馴染みの世界最大のIT企業です。スマホやパソコンなどの製品販売だけでなく、アプリ課金や音楽配信などのサービスでも莫大な利益を上げています。ブランド力が極めて高く一度使い始めたら離れられない「エコシステム(独自の経済圏)」で稼ぎ続ける最強のビジネスモデルが強みです。

アメリカン・エキスプレス-富裕層に強いクレジットカード会社です。単なる決済だけでなく、旅行や空港ラウンジなどの豪華な「特典(サービス)」で稼ぐのが特徴です。他社より高い加盟店手数料とカード年会費が収益の柱で、景気に強い高所得者の利用者が多いため、不況下でも底堅いビジネスを展開しています。

バンク・オブ・アメリカ-米国最大級の総合金融機関です。個人向けの預金やローン、企業への融資、投資銀行業務、そして「メリル」ブランドでの資産運用など、お金に関するあらゆるサービスで稼いでいます。全米規模の店舗網とデジタル銀行の強さを併せ持ち、米国の景気動向に利益が直結しやすいのが特徴です。

コカ・コーラ-「コカ・コーラ」や「ファンタ」を作る世界最大の飲料メーカーです。自社で全て作るのではなく、秘伝の「原液」を世界中の工場に売るという効率的な仕組みで稼いでいます。不景気でも喉は乾くため売上が安定しており、60年以上も毎年「配当(株主へのお礼金)」を増やし続けている、世界屈指の超安定企業です。

シェブロン-世界屈指のエネルギー大手(石油メジャー)です。石油・天然ガスを掘り出す「上流」から、燃料として精製・販売する「下流」までを自社で一貫して行い稼いでいます。原油価格に左右されますが、35年以上も連続で配当を増やし続けている「配当貴族」の代表格であり、株主還元に非常に積極的な企業です。

ムーディーズ-世界的な格付け会社です。企業や政府が発行する債券(借金)の「信用力」をランク付けする手数料で稼いでいます。競合が極めて少ない「独占に近いビジネスモデル」が強みで、世の中に新しい債券が出るたびに利益が積み上がる、驚異的な収益力を誇ります。

オクシデンタル・ペトロリアム-米国屈指の産油・ガス大手です。世界有数の油田地帯「パーミアン盆地」に強大な権益を持ち、効率的な原油の掘削と販売で稼いでいます。また、次世代ビジネスとして「二酸化炭素の回収・貯蔵(CCS)」などの脱炭素技術にも巨額投資を行っており、石油会社から総合エネルギー企業への変革を急いでいます。

チャブ-世界最大級の損害保険会社です。50カ国以上で個人や企業向けに火災、賠償、健康保険などを提供し、集めた「保険料」で稼いでいます。リスク管理のプロとして安定した運用益を上げ続けており、景気に左右されにくい強固な収益基盤が特徴です。

アルファベット-Googleの親会社で、検索エンジンやYouTubeでの「ネット広告」が最大の収益源。世界中の情報を整理し、広告市場で圧倒的なシェアを誇ります。クラウド事業やAI開発にも巨額投資を行い、デジタル社会の不可欠なインフラとして、驚異的な収益力を維持し続けているテック巨人。

 

まとめ

2025年末のポートフォリオは、バフェット氏が描き切った「最後の肖像画」です。上位10銘柄で9割を占めるという極限の規律を保ちつつ、次世代のために過去最大級の現金を残したその布陣には、投資哲学のすべてが凝縮されています。

一方で、年明け早々のアベル氏によるクラフト・ハインツ株売却は、バークシャーが「情」から「理」へと進化し始めた狼煙(のろし)。

私たちは今、歴史が塗り替えられる瞬間に立ち会っています。

激動の2026年、データの裏にある「確信」を掴むための羅針盤として、今後も「アメ株チャレンジ!」をお読みいただければ、幸いです!


「アメ株チャレンジ!」目指す、800-800!

🏃現在、630日連続投稿を行なっています。フォロワーも344名となり、大谷選手の50-50に倣い、800-800をまずは、目標に掲げ、日々投稿に励んでおります。スキやコメント、そして、フォローしていただけると、明日への糧となり、大変嬉しいです!


【ご注意】 本記事は、企業IRや公開ニュースに基づいた一般的な情報提供を目的としており、投資勧誘やアドバイスを行うものではありません。

投資の最終決定は、ご自身の判断と責任においてお願いいたします。掲載データには細心の注意を払っておりますが、万一、本情報に基づいた行動により損失が発生した場合でも、筆者は一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。

 

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