アラン・グリーンスパン|『マエストロ』の19年—市場を愛し、そして、バブルに翻弄された男の功罪【FRB議長列伝②】
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ボルカー氏が命がけで制圧した「インフレの荒野」に、空前の繁栄という花を咲かせた男——アラン・グリーンスパン。
19年にわたり市場を操り、「マエストロ(巨匠)」と称えられた彼の物語は、現代のAI相場を生きる私たちへの「予言」に満ちています。
*マエストロ
主にクラシック音楽の指揮者、作曲家、名演奏家に対する「巨匠」という敬称。芸術分野の卓越した専門家を指す言葉で、マエストロ(Maestroイタリア語で「達人」「師」「先生」を意味します。
規律から対話へ
「インフレの刺客」ポール・ボルカーが去った1987年。アメリカ経済は、鋼(はがね)の規律から「対話」の時代へと舵を切ります。
その後19年にわたりFRBの頂点に君臨し、*4人の大統領に仕えたのがアラン・グリーンスパン。彼は、市場を沈静化させるのではなく、市場の力を利用して繁栄を築こうとしました。しかし、その魔法は最後に、未曾有の危機という代償を払うことになります。
グリーンスパンは、1987年から2006年までの19年間にわたり、4名の大統領政権下でFRB議長を務めます。
ロナウド・レーガン(共和党)
1987年にグリーンスパン氏を初指名。
ジョージ・H・W・ブッシュ(共和党)
父ブッシュ政権。
ビル・クリントン(民主党)
グリーンスパン氏との信頼関係が最も深かったと言われる政権。
ジョージ・W・ブッシュ(共和党)
子ブッシュ政権。2006年の退任時まで。
これほど長く、かつ政党の枠を超えて重用されたことは、彼が当時のアメリカ経済においていかに絶対的な信頼(あるいは影響力)を得ていたかを象徴しています。
1. 伝説の始まり、「ブラックマンデー」
-就任2ヶ月後の大暴落
1987年10月19日。就任直後のグリーンスパンを襲ったのは、ダウ平均が1日で22.6%も暴落するという史上最大の悲劇でした。
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