バフェットを引き継ぐ、グレッグ・アベルの初レターが明かす「商社株」への揺るぎない自信とは?
バフェットと面談した、あるインタビューアーは
「オマハの彼の書斎で、山積みになった資料を前にバフェットが
『結局のところ、歴史が教えてくれるのは
"原則は変わらない"ということだよ』と語っていたのが印象的だった」
と当時を振り返ります。
そんなバフェットが長期に渡り、率いたバークシャー・ハサウェイの新しいリーダーとなった、グレッグ・アベル氏。
このnoteでは、投資の神様から、伝統的な事業と巨大なポートフォリオというバトンを渡され、初めて書いた、株主への手紙から、
グレッグ・アベルという人物を知り、バフェットが残した言葉や投資哲学を今一度、深掘りしようと思います!
ウォーレン・バフェットから巨大なバトンを受け継いだグレッグ・アベル氏。彼が今回、初となる手紙で示した規律と戦略を読み解く前に、「そもそもアベル氏とはどのような経歴を持ち、なぜバフェットから全幅の信頼を得たのか」を知ることで、レターの意図がより立体的に見えてきます。
彼の生い立ちから投資哲学、そして実務家としての軌跡については、以下の人物伝で徹底解説しています。今回のレターをより深く理解するための前提知識として、ぜひあわせてご覧ください。
👇バフェットの正統後継者、グレッグ・アベルのすべて
その前に、バフェットの株主への手紙とは?
「バフェットの手紙」は、米国経済の力強い成長を信じ抜く投資の神様から、株主へ贈られる「最高のラブレター」でした。
インデックス投資から一歩踏み出し、米国個別株に挑戦するあなたにとって、これほどワクワクする教科書はありません。
単なる数字の羅列ではなく、時には、企業の成長を応援する醍醐味や、ビジネスの裏側にあるドラマがユーモアたっぷりに綴られています。
市場の変動に一喜一憂せず、アメリカという巨大な波を楽しみながら「宝物」を育てる。
そんな長期投資の真の楽しさを教えてくれる、一生モノの指針です。専門用語少なく、50年超の叡智が無料で読め、投資観が根本から変わります。

「バフェットの手紙(バークシャー・ハサウェイの年次報告書)」は、例年2月の最終土曜日の午前中(米国東部時間)に公開されます。
なぜ土曜日なのか? 市場が閉まっている週末に公開することで、投資家が株価の動きに惑わされず、じっくりと内容を読み込む時間を取れるようにというバフェット流の配慮です。
どこで見られるのか? PDF形式バークシャー・ハサウェイのサイトにアップロードされます。全世界の投資家がこのサイトに一斉にアクセスするため、毎年この時期はちょっとしたお祭り騒ぎになります。(これまでのバフェットの手紙はこちら)
今年(2026年)は歴史的な転換点となりました。2月28日(土)に公開された最新の手紙は、長年執筆してきたバフェットから後継者のグレッグ・アーベルCEOへとバトンタッチされ、彼による初の手紙となりました。
会長としては残りますが、バフェットが「引退(Going Quiet)」を宣言したことで、
これからはグレッグ氏が書く手紙が、投資家の注目を浴び続けることになります。
バフェットの投資哲学を彼が、どう引き継いでいくのか
それを読み解くことが、我々投資家の新しい楽しみになってくるものと思われます。
アベルCEO、はじめての株主への手紙
4つのポイント
バフェット氏の精神を継承する
誠実・規律・分権に基づいた株主とのパートナーシップ要塞のようなバランスシート:
3,700億ドルを超える圧倒的な手元流動性と守りの戦略規律ある資本配分と新たな投資:
日本商社株の保有比率拡大と工業・家庭用品分野の買収次世代へと続くバークシャーの覚悟:
実務家アベルCEOが示す「20年後を見据えた永続的経営」
バークシャー・ハサウェイの株主の皆さん、グレッグ・アベルです。
ウォーレン・バフェットからこのバトンを受け継ぎ、初めて皆さんに手紙を書くことを光栄に思うと同時に、その責任の重さを痛感しています。
まずお伝えしたいのは、バークシャーの主役は私や特定の個人ではなく、過去60年かけて築き上げてきた「文化」そのものだということです。
ウォーレンとチャーリー(2023年99才で亡くなわれています。)が守り抜いてきた「株主を真のパートナーとして大切にする」という精神は、私の代になっても1ミリも変わりません。
預かった資本は、私たち自身の家族の資産と同じように、誠実さと責任感を持って運用し続けていきます。
経営のやり方も、これまで通りです。各部門のリーダーには大きな権限を持たせ、現場で素早く決断してもらう。そして何より「誠実さ」を求めます。会社の評判を傷つけるようなことは、決して許しません。
お金の面では、「要塞のようなバランスシート」を維持します。現在、手元には3,700億ドルを超える現金があります。これは、周りがパニックになっている時でも、私たちが冷静に、そして大胆に最高の投資チャンスを掴むための「武器」です。昨年も、工業用化学品や家庭用品の分野でバークシャーらしい確かな買収を行いました。
日本の商社株への投資についても、私たちは非常に満足しています。これらは米国の主要資産と同じくらい、バークシャーにとって長期的に価値を生み出す大切なパートナーです。
私はウォーレンほど長くはここにいないかもしれませんが、20年後の皆さんが「バークシャーはさらに強くなった」と胸を張って言えるよう、規律を守り、着実に歩んでいく決意です。
*5月のオマハで皆さんと直接お話しできるのを楽しみにしています。これからも、どうぞよろしくお願いします。
毎年5月初旬に米国オマハで開催されるバークシャーの総会は、世界中から数万人が集まる「投資家の聖地巡礼」です。
最大の見所は、経営陣への数時間に及ぶ質疑応答。投資哲学や経済の展望を直接学べる貴重な場です。
2026年は5月2日に開催予定。関連企業の展示や買い物も楽しめる、学びと興奮が詰まった「お祭り」のような一大イベント。個別株投資の熱量を肌で感じる最高の機会と言われています。

バフェットの投資哲学とは?
-これまでの株主への手紙から
「経済の堀(Economic Moat)」:1993年
言葉自体はそれ以前から使われていましたが、1993年の株主への手紙で、コカ・コーラとジレットを例に挙げ、「城を守る堀(protective moat)」という比喩を鮮やかに用いて説明しました。
「彼らのブランド力の強さ、製品の特性、そして流通網の強みが、経済的な城の周りに守りの堀(moat)を築いている」
2007年の手紙では、この「堀」が一時的なものではなく「持続的(enduring)」であることの重要性をさらに深く掘り下げ、投資哲学の完成形として示しました。
「能力の輪(Circle of Competence)」:1996年
この概念が最も明確に定義されたのは、1996年の株主への手紙です。
「投資家にとって重要なのは、自分が何を知っているかではなく、自分が何を知らないかをリアルに定義することだ」
彼はこの年、投資家は「エキスパートである必要はない」が、「自分の能力の輪の内側にある企業を評価する能力」さえあれば十分だと断言しました。
「安全域(Margin of Safety)」:1992年
もともとは彼の師であるベンジャミン・グレアムが1949年の著書『賢明なる投資家』で提唱したものですが、バフェットが自身の言葉で「これこそが投資の背骨だ」と再定義し、詳しく解説したのが1992年の株主への手紙です。
例の「1万ポンドの荷重に耐えられる橋を建設するなら、8千ポンドのトラックしか通さない」という有名な比喩も、この時期のインタビューや講義(1991年のノートルダム大学での講演など)で頻繁に語られ、世界中に広まりました。
「保有期間は永遠」:1988年
「我々が好む保有期間は、永遠だ(Our favorite holding period is forever)」というあまりにも有名なフレーズは、1988年の株主への手紙で初めて登場しました。
この年、バフェットはコカ・コーラ株を大量に購入。短期的な利益確定を急ぐ当時の市場風土に対し、*優れた企業を保有したなら、売る理由などどこにもない」**という強烈なメッセージを放ったのです。
こうして見ると、彼が50年以上にわたって語り続けてきたことは驚くほど一貫しています。
昨今のAIブームや市場の激動の中でも、彼が「1988年の原則」や「1996年の規律」を平然と守り続けている姿には、畏怖の念すら覚えます。
なぜ、日本の商社株が選ばれたの?
バークシャー・ハサウェイは、ウォーレン・バフェット主導で2019年夏頃から日本の5大商社(三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅、伊藤忠商事)の株式投資を開始しました。 2020年8月にそれぞれ約5%の保有が公表され、以後着実に買い増しを続けています。
投資開始の経緯
投資は2019年7月頃に最初の購入が始まり、市場に公表されるまで慎重にポジションを構築。 バフェット氏はこれまで日本株を避けていましたが、財務諸表を分析した結果、株価の割安さに着目し方針を転換。
当初は各社保有を9.9%以内に抑える合意がありましたが、2025年に緩和され保有拡大が可能になりました。
投資理由
商社(sogo shosha)の多角化事業(資源、エネルギー、食品など)と高い配当利回り、株価純資産倍率の低さが魅力でした。
インフレ環境での資源価格連動性や、日本企業の資本効率改善余地も要因と分析されています。 バフェット氏は「50年または永遠に保有」と長期視点を強調しています。
そして、
バークシャー・ハサウェイが日本の商社への投資をアップルなどの主要な米国株と同等に重要視しているのは、
商社がApple等と全く同じ厳格な「資本規律」の基準を満たしており、同等の長期的な価値創造の機会があると評価されているためです。
具体的には、Appleやアメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、ムーディーズなどの主要な米国企業への集中投資と同様に、日本の商社に対しても以下の基準が適用されています。
バークシャーが事業内容を十分に理解していること
経営陣(リーダー)を高く評価していること
数十年にわたって価値が複利で増大していくと期待できること
上記の米国の中核的な保有企業と全く同じ選定基準をクリアしているからこそ、バークシャーは日本の5大商社への投資を、重要性と長期的な価値創造の機会において米国の主要銘柄に匹敵するものとして位置づけています。
まとめ
2026年、グレッグ・アベルによる初の「株主への手紙」は、バークシャーが「天才の個人」から「永続するシステム」へと進化したことを告げる歴史的な一ページとなりました。
中東情勢の緊迫やAI投資の過熱で視界不良のマーケットにおいて、3,730億ドル(約58.5兆円)という空前絶後の現金は、単なる備えではなく、最強の「要塞」です。
狂乱に背を向け、嵐が獲物を弱らせるのをじっと待つ。
――バフェットから受け継いだ「忍耐」を、冷徹な実行力に変えるアベル体制。不透明な時代だからこそ、巨額の弾薬を持つ彼らが、再び歴史的勝利の主役となる可能性は高いと思います。
バフェット、バークシャー・ハサウェイのすべてがこの中に↓
【ご注意】 本記事は、企業IRや公開ニュースに基づいた一般的な情報提供を目的としており、投資勧誘やアドバイスを行うものではありません。
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