グレッグ・アベルとは誰か──バフェット後継者の素顔とキャリア
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この記事にたどり着いた方は、後継者グレッグ・アベル氏と「バークシャーの未来」に強い関心をお持ちかと思います。
アベル氏への権限委譲が進む2026年現在、バークシャーは直近でどの銘柄を買い、何を売却したのか?アベル氏の人物像を深掘りする前に、
まずは個人投資家の視点で読み解いた「2026年5月最新の保有銘柄動向」をぜひチェックしてみてください!👇
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ウォーレン・バフェットの後継者として、一気に世界の注目を集めることになったグレッグ・アベル。
しかし、バフェットのように数多くの書籍や逸話で語り尽くされてきた人物ではなく、「名前は聞くけれど、どんな経歴なのか」「なぜ彼が後継者に選ばれたのか」が見えにくい存在でもあります。
このnoteでは、カナダ出身の一会計士が、エネルギー事業を通じてバークシャー・ハサウェイの中枢へと上りつめるまでの道のりと、
その仕事観・経営スタイルを整理します。バークシャーの将来を考えるうえでの「人物編」としてお読みいただければ幸いです。
なぜ今グレッグ・アベルに注目するのか?
いま投資家が、バフェットが創り上げた、バークシャー・ハサウェイを見るとき、避けて通れない問いがあります。
それは、「バフェットの後、バークシャーは誰が、どのように率いていくのか」という点です。
その答えとして指名されたのが、グレッグ・アベルです。
これまでバークシャーは「バフェットという卓越した投資家が率いる特別な会社」として評価されてきました。年次株主総会の主役も、株主書簡の語り手も、常にバフェットでした。
一方でアベルの名前は、エネルギー事業の責任者、副会長として限られた場面で語られるにとどまり、一般の個人投資家から見るとやや“影の存在”だったかもしれません。
しかし、経営の現場という視点で見ると、アベルはすでに長年にわたり、バークシャーの「中の人」として子会社の運営に深く関わってきた重要な人物であることがわかります。
ポスト・バフェット時代のバークシャーを理解するには、この見えにくかったキーマンをきちんと押さえることが出発点になります。
生い立ちと「学び」
──エドモントンの少年から、公認会計士へ
グレッグ・アベルは1962年6月1日、カナダ・アルバータ州エドモントンのワーキングクラスの家庭に生まれました。父親は消防機器メーカーの営業、母親は法務アシスタントとして働いたのち専業主婦となり、家族や近所付き合いを大切にする、いかにも北米の中産階級らしい環境で育ちます。
子どもの頃のアベルは、とにかく「よく働く少年」だったと言われます。広告チラシを配ったり、ガラス瓶を集めて換金したり、森林関連企業で肉体労働を手伝ったりと、さまざまな仕事を経験しました。
自分の手でお金を稼ぐ大変さと、その先にある小さな達成感を、かなり早い段階から体で覚えていったタイプだと言えるでしょう。
それでも、放課後は近所の友人たちとホッケーやフットボールに明け暮れる、ごく普通のスポーツ少年でもありました。
高校卒業後は、地元の名門であるアルバータ大学に進学し、商学部で会計を専攻します。1984年にコマース(商学)の学士号を取得したのち、
公認会計士(CPA)の資格を取得し、ビッグ4の一角であるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)のサンフランシスコ事務所でキャリアをスタートさせました。
ここで、財務諸表や企業分析の基礎に加え、「数字の裏側にあるビジネスの実態を見る」眼を徹底的に鍛え上げていきます。
会計・財務のバックグラウンドと、「若い頃からよく働く」姿勢の組み合わせが、後にアベルを“数字に強い実務家タイプの経営者”へと育てていくベースになったのではないでしょうか。
エネルギー業界で磨かれた「長期志向」

アベルのキャリアが大きく動いたのは、1990年代に入ってからです。
公認会計士としての経験を経て、彼は電力会社CalEnergyに転じます。ここから、エネルギー・公益事業という、バークシャーとの相性が抜群に良い世界へと足を踏み入れることになります。
電力・ガスなどの公益事業は、一見すると成長性に乏しく、派手さも少ないように見えます。しかし実際には、巨額の設備投資を長期にわたって回収し、規制当局・顧客・地域社会とバランスを取りながら事業を続けていく、非常に難易度の高いビジネスです。
アベルはこの分野で、
・再生可能エネルギーや送電網への長期投資
・規制と収益性のバランスを取る価格設定
・安定したキャッシュフローと健全な財務の両立
といったテーマに真正面から取り組みます。
その後、CalEnergyはミッドアメリカン・エナジーを経て、現在のバークシャー・ハサウェイ・エナジー(BHE)へとつながっていきますが、
その過程でアベルは経営の中枢に入り、最終的にはCEOとしてグループを率いる立場になります。BHEでの実績が、バフェットの強い信頼を得る決定的な要素になりました。
アベルの経営スタイル
──「現場をよく知る実務家タイプ」のリーダー
アベルの経営スタイルを一言で表すなら、「現場をよく知る実務家タイプ」のリーダーです。
バフェットは、株式や企業全体を評価し、資本を配分する“投資家型”のトップでした。
一方、アベルは、
・子会社のビジネスモデル
・設備投資計画や規制環境
・顧客基盤や地域社会との関係
といった、事業の細部に目を配りながら意思決定するタイプです。
子会社の経営陣とこまめにコミュニケーションをとり、現場の状況や課題を聞き取りながら、キャッシュフローや投資回収の見通しを詰めていく。
短期的な利益のブレではなく、10年、20年先の投資回収と信頼関係を重視する。こうしたスタイルは、エネルギー・公益事業で培ったものですが、バークシャー全体の「長期志向」とも自然に重なっています。
カリスマ性あふれる名スピーチで市場を沸かせるタイプではありませんが、「派手さはないが、地味に手堅く結果を積み上げるタイプの経営者」と評されることが多いのも、このスタイルゆえと言えるでしょう。
バフェットが見た「後継者アベル」

では、バフェットはアベルをどのように評価しているのでしょうか。
株主向けの書簡やインタビューの中で、バフェットはたびたびアベルの名を挙げ、
・バークシャー・ハサウェイ・エナジーをはじめとする子会社の収益力向上に大きく貢献してきたこと
・事業運営と財務マネジメントの両面で信頼していること
を強調してきました。
とくに象徴的なのは、「自分がいなくなった後も、バークシャーの文化と仕組みを守り、発展させていける人物」としてアベルを指名している点です。
これは単に投資判断のセンスだけではなく、数多くの子会社をまとめ上げ、長期視点で資本配分を行う“総合的な経営力”を評価しているからだと考えられます。
2018年にはバークシャーの副会長に就任し、保険以外の事業全般の責任者となりました。すでに「実質的なナンバー2」としての役割を長く担ってきたことを考えると、アベルは決して“いきなり表舞台に出てきた新顔”ではなく、時間をかけて育成されてきた後継者と言えます。
投資家として押さえたい「人物編」のポイント
──ここから先は「戦略編」へ
ここまで見てきたように、グレッグ・アベルは、
カナダ・エドモントンのワーキングクラスの家庭に生まれ
子どもの頃からよく働き、スポーツも楽しむ「地に足のついた」少年時代を送り
アルバータ大学で会計を学び、公認会計士として数字の基礎体力を鍛え
エネルギー・公益事業の世界で、長期投資と財務健全性を両立させる経営を実践し
バークシャー・ハサウェイ・エナジーのCEO、副会長を経て、バフェットから後継者として指名された人物
です。
バフェットのように「証券選びの天才」として知られる存在ではなく、「巨大な事業グループを運営する実務家タイプのリーダー」であることが、アベルの大きな特徴です。この違いを理解しておくことは、ポスト・バフェット時代のバークシャーを評価するうえで重要な前提になります。
一方で、バークシャーには、
3,500億ドルを超える現金
約3,000億ドル規模の株式ポートフォリオ
60社以上から成る世界最大級のコングロマリット構造
という、世界でも例のない“巨大な器”が残されています。
アベルがこの器をどう再設計し、
・配当や自社株買いをどう位置づけるのか
・どの事業を中核とし、どこをスリム化するのか
・ハイテク株投資での「出遅れ」を、リスク軽減要因と見るのか、巻き返しの余地と捉えるのか
こうした「戦略・資本配分」の話は、人物像だけでは見えてきません。
そのため、このnoteではあえて「人物編」に焦点を絞りました。
アベルという経営者がどのようなバックグラウンドとスタイルを持っているのかを押さえたうえで、次のステップとして、
ポスト・バフェット時代のバークシャーがどのように変わろうとしているのかそして、それが投資家にとってどのような意味を持つのか
を、別note「戦略編」で詳しく整理していきたいと思います。
グレッグ・アベルという「人」を理解することは、これからのバークシャー・ハサウェイを長期でどう評価するかを考えるうえで、避けて通れない入口です。人物編としての、この記事が、その第一歩としてお役に立てば幸いです。
【2026年3月 最新アップデート】 ついに、バフェット氏を引き継いだグレッグ・アベル氏による初の「株主への手紙」が公開されました! 本記事で解説している彼の「実務家としての哲学」が、実際の経営戦略や日本株への投資判断にどう反映されたのか?3,700億ドルの現金と「商社株」の行方を紐解く最新レポートはこちらからお読みいただけます。
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アベル体制のバークシャーを左右する「2026年のマクロ環境」
グレッグ・アベル氏が率いる今後のバークシャーにとって、最大の焦点は「積み上がったキャッシュをいつ、どのタイミングで市場に投下するか」にあります。
その鍵を握るのが、2026年に新体制となるFRB(米連邦準備制度理事会)の動向です。新議長候補が掲げる「AIと利下げ」の理論は、バークシャーの投資判断にどう影響を与えるのか?
投資家として知っておくべき「新時代の通貨の番人」の正体については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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バフェットから実務を引き継いだアベル体制において、今後の『市場評価』を決定づけるのは彼のキャピタル・アロケーション(資本配分)能力です。
優れた経営者たちがいかにして圧倒的なリターンを叩き出したのかを分析した名著『破天荒な経営者たち』は、今後のバークシャーの決算や投資行動を読み解くための最高のリトマス試験紙となります。
『破天荒な経営者たち ── 8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功』(ウィリアム・N・サンダイク・ジュニア 著)
参考文献・出所
グレッグ・アベル人物紹介の作成にあたり、主に以下の公開情報を参考にしました。
Wikipedia, “Greg Abel”
(生年月日・出身地・学位・職歴などの基本プロフィール)
https://en.wikipedia.org/wiki/Greg_AbelHoratio Alger Association, “Gregory E. Abel”
(ワーキングクラスの家庭環境、少年時代のエピソード、初期キャリア)
https://horatioalger.org/members/detail/gregory-e-abel/Reuters, “Warren Buffett’s successor Greg Abel seen preserving Berkshire’s culture”
(バークシャー内での役割、経営スタイル、後継者としての位置づけ)
https://www.reuters.com/sustainability/boards-policy-regulation/warren-buffetts-successor-greg-abel-seen-preserving-berkshires-culture-2025-05-03/Berkshire Hathaway Inc., News Release, January 10, 2018
“Warren E. Buffett Announces the Appointment of Gregory Abel and Ajit Jain as Vice Chairmen of the Board”
(副会長就任に関する公式リリース)
https://www.berkshirehathaway.com/news/jan1018.pdfBerkshire Hathaway Inc., News Release, May 5, 2025
(グレッグ・アベルのCEO就任に関する取締役会決定の公式リリース)
https://www.berkshirehathaway.com/news/may0525.pdf
*ご注意-このnoteは企業IR(投資家情報)や直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。
投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。
またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが、当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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