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春のこわいもの/川上未映子

▫️あらすじ
世界が一変してしまったあの春、私たちは見てはいけないものを覗きこんでしまったーー。持てる者と持たざる者をめぐる残酷なほんとう。死を前にして振り返る誰にも言えない秘密。匿名の悪意が引き起こした取りかえしのつかない悲劇。正当化されてゆく暴力的な衝動。心の奥底にしまい込んだある罪の記憶。ふとしたできごとが、日常を悪夢のように変貌させていく。不穏にして甘美な六つの物語。

▫️感想
六つの短篇にコロナ禍が見え隠れしている。物語の根幹にいるわけではなく、コロナが蔓延してしまった世界の生活が描かれている。目に見えない菌。存在や影響がわからないという恐怖。たくさんの負の要素が、人々の感情に悪影響を及ぼしていたあの時の“私達”をリアルに切り取っていた。もうあの時の世の中には戻りたくはないなあという正直な感情と、息が詰まるようなあの時の状況を物語で巧みに表現していると感じた。

▫️こんな人におすすめ
・コロナ禍の生活が描かれた作品を読みたい方
・春のぬるく気怠い雰囲気が感じられる作品を読みたい方
・読み終わりがすっきりとしない作品が好きな方

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