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社労士10人以上に断られても諦めなかった。発達障害正社員でも、障害基礎年金2級を受給できるまで

【この記事は、約7分で読めます】

※ 本記事は、障害者雇用で働きながら「障害年金なんて自分には関係ない」と思い込んでいる成人の発達障害当事者、または社労士に相談しても断られ続け諦めかけている方を対象としています。




「いくら障害者雇用でも、毎月安定して給料をもらっている。こんな立場で、障害年金なんてもらえるわけがないだろう」



この記事にたどりついた方へ。

一度は、このように思って諦めたことがなかったでしょうか?



僕は、かれこれ10年以上そう思い込んでいました。


事実、過去に何度か出して社労士に相談したものの…

返ってくるのは、決まって同じフレーズでした。




「お聞きしている年収や勤務状況での認定は、実績がありません」

「障害者雇用とはいえ、毎月収入が入っている以上『安定して働けている』とみなされるため、受給は難しいです」




断られた回数は、実に10回以上。





50とはいかないまでも、断られるたび気分は桜木花道と同じテンションしてた




ある社労士からは、こうも言われました。


「(データを見せて)障害年金に関わる社労士への聞き取りで、昨年よりも精神障害年金の不支給率が2倍になっているというデータもあります。そのため心苦しいのですが、今回のご相談につきましてはお断りさせていただきます」



データまで持ち出されたら、もう反論のしようがない。

「ああ、自分には縁のない制度なんだ」と、完全に諦めました。




しかし、今…


僕は障害基礎年金2級を受給しています。

障害者雇用の正社員として7年以上働き続けながら、でもです。




結論から、言います。

働いていても・正社員であっても…
条件と戦略さえ揃えれば、障害年金は受給できます。



今回の記事は…
僕が、1度は諦めていた障害年金をなぜ受給にたどり着けたのか?


そのエピソードを、お話しします。







1.「あなたの条件では難しい」と言われ続けた10数年間



障害年金の存在を知ったのは、発達障害と診断されて数年経った頃でした。



発達障害で、障害者手帳を持っている。

ましてや自分は、障害者雇用で働いている。


それなら障害年金を受給できるかもしれない——そう思って、初めて社労士に相談しました。



しかし、返ってきた言葉は…

やんわりとしつつも、明確なお断りの電話でした。




「正社員として働けている方は、受給が難しいです」



担当の社労士は、言葉を続けます。



「正直なところ…私も診断書の内容から、坂巻さんが生きづらさを抱えているのは理解できるし何とかしたいと考えています。しかし、日本年金機構があなたの毎月のお給料や厚生年金の支払い額を把握している以上、『安定して働けている』とみなしてしまうのです。



極めつけには、制度を根拠に現実の厳しさを突きつけます。



「残念ながら、あなたは初診日が20歳前で学生だったため、制度上そもそも障害厚生年金としての申請ができません


「代わりに、障害基礎年金2級という手段はありますが… 正直、これを受給できる方は、言葉は悪いですが社会参加の難しい引きこもりかニートくらいです。働いている人は、たとえ障害者雇用であっても、まず受給できません。」

「人付き合いで苦労されてるのは、十分理解できます。ただ、これが現実なのです。申し訳ないですが、今回はお断りさせていただきます。



2人目に相談しても、3人目に相談しても…

答えはほぼ同じ。



実績がない。

年収的に難しい。

就労状況を見る限り厳しい。



断られるたびに、自分が否定される気分になりました。

「ああ、俺は国からの社会保障に、何の縁もないんだな」



僕は別に、楽して収入を得たいわけじゃない。

ただ、発達障害を抱えながら正社員として働くことが、どれだけ日常の中でエネルギーを消耗するか。




感覚過敏も、コミュニケーションの困難さも、毎日の疲労感も——


それを「安定して働けている」の一言で片付けられるのが、悔しかったのです。




10回を超えたあたりで、もう相談すること自体をやめました。

「これ以上断られたら、自分の障害が『大したことない』という烙印を押されるだけだ」



そう思い続け、10年以上。
障害年金のことは、考えないようにして生きていました。


事実、僕は過去に下記の記事を公開しました。





副業で生計を立てる、というスタンスは今でも変わりません。

しかし、障害年金をアテにするのは、当時の僕には夢物語とさじを投げていたのです。




2.「正社員で働けている=受給できない」は本当だったのか



結論から言います。


「正社員で働けている=受給できない」は、間違いでした。

正確に言えば、「正社員だから無理」と判断する社労士が多かっただけで、制度として不可能だったわけではありませんでした。



しかし、当時の僕にそんなことはわかりません。

障害年金の知識がある社労士でさえ、「無理です」と言いきっている。


しかも、10人以上が口を揃えて。

それなら、無理に決まっている——そう考えるのが普通だと思います。




しかし、振り返って思うのは…

最大の壁は「国の制度」ではなく「社労士の思い込み」だったということです。



これは、単なる僕の憶測ではありません。

社労士の側にも「正社員=安定=受給困難」という刷り込みがあったのだと、今ならわかります。



社労士にとってみたら…

「実績がない」という理由は、「やったことがないから引き受けたくない」と同じだったのかもしれません。




社労士も、ヒマではありません。

障害年金だけでなく、就業規則の整備や会社と社員のトラブル解決・複雑な社会保険手続きの代行など…



扱う範囲は、幅広い。

そんな忙しさの中、障害年金に時間をかけたところで成功報酬がもらえる確率が低い案件に、「じゃあ引き受けましょう」となるわけがない。



社労士だって、一人の人間。

彼らにも、生活がかかっています。



自分のような立場に、社労士が協力するわけもないと、僕は障害年金を記憶の外にほうむったのです。




3.11人目の社労士が、すべてを変えた



それから、しはらく経ったある日。

きっかけは、ふとしたネット検索でした。



何を調べていたのか、正確には覚えていません。


ただ、検索結果の中に「障害者雇用の正社員で働きながら、障害年金を受給した事例」という文字が目に入った瞬間…



マウスを動かす右手が止まりました。



「……働きながら、受給できた?」



そこから先は、半ば無意識でした。

気づけば、その事例を扱っていた社労士のサイトを見つけ、問い合わせフォームに入力していました。




その方は、11人目で巡り会えた社労士でした。

この方が、それまでの10人と何が違ったのか?



一言で言えば、「働けている=受給できない」とは言わなかったのです。


むしろ、「働いていても、条件さえ揃えば障害年金は受給できる可能性があります」と断言さえしました。



それまでの社労士は、僕の年収や勤務状況を聞いた時点で「難しい」と判断していました。

しかし、この方は僕の日常生活の困難さ——感覚過敏のこと・人間関係の疲弊・帰宅後に何もできなくなること——を丁寧にヒアリングしてくれました。



「働けているかどうか」ではなく…
「働くためにどれだけのエネルギーを消耗しているか」

見ている視点が、まったく違ったのです。




申請から受給決定までは、数ヶ月。

待っている間は、正直そわそわしていたものです。



受給決定のタイミングが近づくにつれ、「もし断られたらどうしよう?」という恐怖が、毎日頭の中を回る。

しかも、断られたところで再審査請求をした時点で、くつがえせる確率は10パーセント程度とも聞いていました。


※ 再審査請求について




これでダメなら、今度こそ諦めよう。

僕は、11人目の社労士に、すべてを賭けたのです。



そしてある日…

自宅の郵便受けに、一通の封書が届きました。



休日の、午前6時53分。

その日僕は、家族と朝から出かけるため、自宅で妻と準備をしていました。


ポストに入った、少し厚みのある封筒。

もしかして年金証書が入っている?
もしくは、落ちた場合の不服申し立てについて、手順が何枚にも書かれている?



恐るおそる、封を開けると…






見た瞬間は、そりゃあガッツポーズでした。






驚きました。
妻と一緒に喜んだのは、言うまでもありません。


その瞬間、僕の中に湧いてきた感情は…

嬉しさ、安堵、そして——




「これでやっと、日本人の平均年収と肩を並べられる」




という、静かな誇らしさでした。



障害者雇用の給与は、仕事に対する責任や範囲の狭さから、一般枠より低くなりがちです。

それを受け入れてでも、7年以上働いてきた。



しかし、心のどこかでずっと「周りと同じだけ頑張っているのに、どうして報われないんだろう」という気持ちがあったのだと思います。




障害年金は、その差を埋めてくれました。

「お金のため」だけではない。
「自分の困難さが、社会に認められた」という感覚。


それが何より大きかった。



初めて、口座へ年金が振り込まれた時。

「これは夢ではなく、本物だ」と確信しました。



厚生労働省年金局さん、本当にありがとう!




やっと国から、公的な社会保障が認められた。

もう、お金に困まず本業・副業だけに頼る必要もない。



僕の中で、「心のゆとり」が生まれたのを肌で実感したのです。




4.一度は障害年金を諦めていた僕が、伝えたいもの



社労士に「実績がない」と言われると、制度そのものが自分を拒否しているように感じます。

事実、10回以上断られた僕は「自分の障害は年金に値しないほど軽いのか」と思い込んでいました。



しかし実際は…
その社労士が扱った経験がないだけでした。

障害の程度ではなく、相談先の選び方の問題だったのです。



経験のある専門家は、必ず存在します。

あきらめず、まずは見込みのありそうな社労士に当たってみましょう。


10人に断られても、11人目が道を開いてくれるケースがあります。

大事なのは、「自分が受給できるかどうか」ではなく、「受給の可能性を正しく判断できる専門家に出会えるか」です。


探し方を変えれば、結果は変わります。




おわりに




最後までお読みいただき、ありがとうございます。

僕が10年以上諦め続けた障害年金に、たどり着けた理由を一言でまとめると、次になります。



「探す相手を変えた」

ただ、それだけでした。



制度が変わったわけでもない。

ましてや、僕の障害が重くなったわけでもない。


ただ、「この人なら」と思える専門家に出会えた。

それだけで、10年あきらめていた障害年金が受給できたのです。




この記事では、「どんな壁があったか」「なぜ諦めていたか」をお伝えしました。

次に気になるのは、「じゃあ具体的にどうやって受給できたの?」だと思います。


11人目の社労士をどう見つけたか?

申請書類で最も大事なポイントは何だったか?

主治医には、どうお願いして診断書を書いていただいたか?



審査に通るために意識したこと。

これらの具体的な手順と、僕が実際に使ったノウハウは、下記の記事で出し惜しみなく公開しています。





そして、この記事は僕が書きためているマガジン『ASD当事者が実体験で編み出した処世術全集』にも収録しています。




このマガジンには、2010年後半から同じ職場で働き続ける中で僕が編み出してきた処世術——


「職場での立ち回り」「疲弊しきった日常を回復させるルーティン」「夫婦関係改善のための行動」など、障害年金以外のテーマもまとめています。


どれも、過去の僕が「誰か教えてくれていたら、もっと早く楽になれたのに」と思ったものばかりです。



「障害年金の手続きだけ知りたい」方は、単体記事を。

「他の処世術もまとめて知りたい」方は、マガジンをのぞいてみてください。






最後に、もし今あなたが同じように諦めかけているなら…

聞いてみたいことがあります。


あなたが障害年金を「自分には無理だ」と思った理由は、何でしょうか?



「社労士に断られた」
「正社員で働けているから」
「手帳の等級が低いから」
「周りに受給している人がいないから」



どんな理由でも構いません。
コメントで教えていただけると嬉しいです。

同じ悩みを持つ誰かが、あなたの一言で「自分だけじゃない」と気づけるかもしれません。

ぜひとも、コメントお待ちしております。





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坂巻菱生 | 発達障害(ASD)成人当事者 応援していただいた気持ちは、創作活動のエネルギーです。家族との時間をより幸せに過ごせるよう、大切に使わせていただきます◎ ありがとうございます。