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相談員は、医療・介護の制度に詳しく、コミュニケーション能力の高さが求められます。患者・家族・医療施設・介護施設の4者をつなぐ調整役です。人の人生の節目に寄り添う責任の大きい仕事です。

(出所)厚生労働省「2025年度 病床機能報告 報告マニュアル<①基本編>」
(出所)厚生労働省等の資料から筆者作成

2026年5月18日付ブログ「あなたが高齢者となって、自宅で一人で生活できなくなったら、老人施設に住まいとして入所することになります。どんな種類があるのでしょうか。老人施設の全体像を俯瞰してみましょう」の続きです。

❓   89歳の母が倒れて、救急車で運ばれ、市立病院に入院しました。寝たきり状態でした。その後、リハビリ病院に転院、献身的なリハビリによって、自分で車椅子に乗れるようになりました。この度、老健(老人介護保険施設)に入所しました。老健も中間施設なので、今後は、特養(特別養護老人ホーム)への転所も考えています。

こうした病院間、病院と介護施設、介護施設間をつないでいる「相談員」の方に、大変お世話になっているのですが、医療・介護の現場で、豊富な知識を持っている相談員とはどんな方なのでしょうか。

🅰️ 一番上と二番目の図表をみてください。役割の異なる病院と、症状によって受入れ先が異なる介護施設をつなぐ「相談員」は、医療・介護の現場でとても重要な役割を担っています。近隣のそれぞれの病院の相談員とそれぞれの介護施設の相談員は、地域連携会議や施設連絡会などで、お互い情報交換ができるネットワークを構築しています。

相談員の主な仕事をみてみましょう。
病院と介護施設の相談員の共通する役割は、病院と施設を「結ぶ」ことです。病院の相談員は、介護施設の相談員と連絡をとりながら、退院先を探します。一方、施設の相談員は、 病院の相談員と調整しながら、受け入れ可能かを判断します。その際、医療情報、生活歴、家族状況などを双方で情報共有し、家族への説明・日程調整、必要な書類のやり取りを行います。

つまり、相談員は、患者・家族・医療施設・介護施設の4者をつなぐ調整役です。 人の人生の節目に寄り添う責任の大きい仕事でもあります。

詳しくみてみると、病院の相談員である医療ソーシャルワーカーは、患者の「退院後どうするか」を支える役割が中心です。患者の退院支援です。自宅に戻るのか、介護施設への入所か、必要なサービスの調整です。介護施設や在宅サービスとの連携、医療費・生活費などの相談、地域包括支援センターや行政との連絡、家族関係や生活背景の調整などです。病院の相談員は、医療と介護の橋渡し役と言えます。

一方、介護施設の相談員(生活相談員)は、入居者や家族との窓口役であり、施設の顔とも言える存在です。入居相談・見学対応、病院と連携し入退院時の情報共有を行っています。ケアマネジャーとの調整、利用契約・書類作成、利用者の生活相談、クレーム対応や家族との関係づくりです。施設によっては、入居者を増やす営業的な役割も求められます。

どんな人がこの仕事に向いているのでしょうか。
人の話を丁寧に聞ける、医療・介護制度を学ぶ意欲がある、多職種と連携するのが得意、調整役として働くのが苦にならない、感情的な場面でも落ち着いて対応できる人です。

相談員になるための道は、資格を取る⇒現場経験を積む⇒相談業務へ進む、という流れが基本です。まずは、医療・介護の基礎を身につけます。相談員は制度・医療・介護の知識が必要なので、医療か介護かどちらかの現場に入るのが一般的です。

医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼ばれている病院の相談員は、専門性が高いため、社会福祉士の資格、介護施設での相談員経験、医療機関での勤務経験があると有利です。病院の相談員は「退院支援のプロ」なので、 医療知識・制度理解・家族支援のスキルが求められます。

歓迎される代表的な資格は、社会福祉士、精神保健福祉士(PSW)、介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士、看護師などです。 医療・介護の制度に詳しいこと、コミュニケーション能力が高いことが強く求められます。

一方、未経験でも入りやすいのは介護職で、ここから介護施設の相談員にステップアップしていく人が多くなっています。相談員に必須の国家資格はありませんが、相談員の採用で強く評価される資格があります。社会福祉士、社会福祉主事任用資格、介護福祉士、ケアマネジャー、医療連携に強い看護師・准看護師です。特に、施設相談員は、社会福祉主事任用資格+介護経験で採用されるケースが非常に多くなっています。

最初の相談員経験として多いのは、小規模施設やデイサービス、特養、老健です。ここで「入退所調整」「家族対応」「病院との連携」を経験すると、 相談員としての基礎が固まります。

相談員は「人と人をつなぐ仕事」なので、経験も評価されます。患者・家族とのコミュニケーション、医師・看護師・ケアマネージャーなど多職種との連携、クレーム対応などです。現場で調整力を磨きます。相談員は調整のプロなので、コミュニケーション力と段取り力が最重要です。

相談員を目指すなら、介護職として現場に入る、通信で半年〜1年で社会福祉主事任用資格を取得する、介護施設の相談員として採用される、経験を積みながら社会福祉士を目指す、病院相談員や地域包括支援センターへキャリアアップ。このルートは実際に多くの相談員が通っている道です。

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