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第5話:AIで映像化した、父と子の10年 ― 想いが“かたち”になった夜

7月中旬、夏の匂いが色濃くなるころ、ふと気づいた。
誕生日まで、もう時間がない。

あれだけ準備に悩んでいたのに、いざ取りかかると不思議なくらいスムーズだった。
写真を選び、音楽を流し、ストーリーを紡いでいく、そんな作業が、あっという間に終わった。

10年分の写真は、ざっと15,000枚。
初めてミルクをあげた日、最初の一歩、公園で笑い転げた午後――
長いようで、振り返れば一瞬だった。
でもそのどれもが、ちゃんと宝物だった。

途中、少しだけ遊び心も加えたくなった。
登場するのは芸能人じゃない。妹夫婦とその娘たち、しょうたの幼なじみ、そして昔からの友人。
どの写真も、かけがえのない日常の一部だった。

試しにChatGPTに相談して、写真をアニメ風に加工してみた。
3分もしないうちに、想像していた以上のイラストが返ってきた。

「これ、10年前なら何万円も払ってイラストレーターに頼んでたよな…」
そんなことを思いながら、ふと気づいた。
AIの時代に育つ子どもたちには、その最先端すべてがツールにになるんだ。

しょうたが勉強を始めた、プログラミングも、その入り口にきっとなる。

映像の後半は、父である自分の“夢”を込めることにした。
ピラミッドをこの目で見てみたい。
UFOにアブダクションされてみたい。
月の裏側を覗いてみたい。

どこかで笑われそうな願いも、未来に託せばロマンになる。
そう信じて、空想の断片をそっと挿し込んだ。



しょうたの節目節目には、いつも誰かがいた。
妹夫婦とその娘たちと迎えた七五三。

焼肉とケーキで、マブダチと笑い倒した9歳の誕生日。

沖縄・玉泉洞で、首にヘビを巻いて爆笑した日
「ヘビって、頭悪そうだから、気分で噛まれそうじゃん?」
真顔でそう言って怯えてた友達を、しょうたと一緒にからかった。

プロレスを初めて観に行った日。
たまたま会えた棚橋弘至選手の圧倒的な存在感に、しょうたは目をまん丸にしていた。

「ワン!ツー!スリー!」

試合の流れをすぐに飲み込んで、全力で声援を送っていた。

その日は“熱”があった。

だから迷わず、リングの中央にしょうたを配置して、
隣には棚橋選手と闘魂の元祖、アントニオ猪木をAIで召喚した。

父としての願いはただひとつ。
10年後にこの映像を観たとき、しょうたがこう思ってくれたらいい。

「俺、いろんな人に勇気をもらってたな」って



AIとの制作は、編集というより“物語を紡ぐ”作業に近かった。
どの写真にどの言葉をのせるか、どういう順番で流すか。
映像が語りかける声を、ひとつひとつ整える感覚。

友人が登場するカットは、すべて背景を“沖縄”にした。
俺のルーツであり、君の第二の故郷だ。
現実と空想のあいだで、少し遊んでみた。



クライマックスには、5歳のときにアスレチックで転げ落ちた映像を選んだ。
まるで漫画みたいにズッコケて、みんなが笑った。

9歳で初ホームランを打てた日の動画も外せなかった。その時の歓声もそのまま映像に刻んだ。

3歳の頃、「大丈夫?」と聞くと、「だいじょーぶー!」と元気に返してきた動画も。

全部が俺の宝物だ。

そしてラストは、迷わず“あの日”を選んだ。
生まれた瞬間の、あの一枚。

Pictoryは想像以上に簡単だった。
写真と曲を読み込ませ、ほんの少しだけ順番と切り替わりのタイミングを調整して、
ダウンロードして、たった3日で完成した。



最後に、ありがとうPictory。
ありがとうAI。
そして何より、ありがとう、しょうた。

君の10年は、まちがいなく輝いてた。

奇跡のような日々は、気づかないうちに過ぎていく。

でも、音楽と写真とAIがあれば、かけがえのない時間を作品として残すことができる。

そんな奇跡の時代に、君は生きている。
そして、パパも君と一緒に生きている。



最後まで読んでくれてありがとう。
もしよかったら、映像の中で“あなたが好きなシーン”を教えてもらえませんか?
あなたの感性が、この作品をもっと豊かにしてくれる気がしています。



そしてその映像が、どう届いたのか。次回、届けた“その瞬間”の話をしよう。

▶️ 第6話はこちら


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