夜勤明け46歳、噂の「ホスト風アーユルヴェーダ」で、全身の骨の髄までオイル漬けにされた話。【真面目マッサージ】
干からびた46歳の夜明け
正直に書こうと思う。「私、このままじゃ干からびて死ぬな」と、本気で思っていた日のことを。
四十六歳、独身。仕事は介護施設のケアマネージャー兼、現場の介護職。人手不足の現場では「ケアマネだから」なんて言っていられない。夜勤もバリバリ入るし、昨日もそうだった。深夜二時、徘徊する体重九十キロ近い利用者さんをなだめてベッドへ誘導し、その足でナースコールへダッシュする。仮眠なんて取れるわけもなく、朝方には書類作成でパソコンに向かい、ブルーライトを浴びまくる。
明け方、更衣室の鏡に映った自分を見て絶句した。顔色は土気色を通り越してグレーで、髪はパサパサ。何より、体が鉛のように重い。最近は更年期のせいか、寒いのに急にカーッと汗が出たり、逆に芯まで冷えたりと、自律神経という指揮者が完全に職場放棄している状態だった。 「物理的に、何かで満たされたい」「カサカサの心身に、潤いが欲しい」。そんな限界メンタルで検索して見つけたのが、今回のサロンだった。「インド伝承医学・アーユルヴェーダ」。たっぷりの温かいオイルで全身を包む、というフレーズに惹かれたのだ。
まさかそこで、あんな濃厚すぎる体験が待っているとは知らずに。これは、ただのマッサージ体験記ではない。疲弊した四十代女性が、謎のイケメンの手によって溶解させられた、魂の記録である。
扉を開けたら、そこは歌舞伎町だった
場所は都内の某高級マンション。重厚な扉を開けると、オリエンタルな香りがする前に、視覚情報で脳がバグった。 「いらっしゃいませ。お待ちしてましたよ、〇〇姫」
出てきたのは、金髪に開襟シャツ、色白の超イケメン。名前はミナトさん。え、ここホストクラブだっけ? 間違えて別のお店に来ちゃった? インドの賢者みたいな人が出てくると思ってたのに、どう見ても夜の街のナンバーワンみたいな彼が出てきたわけだ。一瞬、回れ右して帰ろうかと思った。「やっぱり、見た目だけのチャラいお店だったか」と。
でも、彼がスリッパを出してくれた時、その評価は覆った。「足元、氷みたいに冷えてますね。夜勤明けでしょう? 辛かったですね」と言って、すごく自然に私の重いバッグを持ってくれたのだ。その手が大きくて、分厚くて、びっくりするくらい温かい。あれ、見た目はチャラいけど、なんか包容力がすごいかもしれない。
脈診で見抜かれた「火事」と、紙ショーツの覚悟
カウンセリングも予想外にガチだった。ミナトさんは私の手首をとって、じっと脈を診る。 「〇〇さん、体が『火事』になってますね」 責任感が強すぎて、常に気を張っているせいで、交感神経が暴走して内側から乾いて燃え尽きそうになっている、と。泣きそうになった。職場で「主任」「姉御」って頼られて、平気な顔してたけど、本当は限界だったことを、初対面の若いお兄さんに言い当てられるなんて。
「今日は、たっぷりのオイルで鎮火させましょう。枯渇した体に、栄養と愛を注ぎ込みますから」
案内された施術室は、琥珀色のライトに照らされた異空間だった。ここで私は、紙ショーツ一枚というほぼ全裸に近い状態になる。最初は恥ずかしさがあった。私のたるんだお尻や、浮腫んだ足を見られるなんて。でも、ミナトさんが入ってきた瞬間、そんな自意識は吹き飛んだ。彼はもうホストの顔ではなく、施術者の真剣な眼差しをしていたからだ。
汚泥を絞り出す(足裏・ふくらはぎ)
ここからは、実際にどんな施術が行われたのか、記憶の限り詳細に記していきたい。ハッキリ言って、「そこまでやるか」というレベルの執拗さと濃厚さだった。 まず驚いたのが、オイルの量だ。「塗る」んじゃない。「浴びる」のだ。人肌より少し熱めに温められた薬草オイルが、ドバドバと背中に注がれる。これだけで、温泉に入った時のような深いお湯のため息が出る。香りは、ゴマ油ベースにハーブが混ざったような、香ばしくて懐かしい匂いだ。
うつ伏せの状態から、まずは立ち仕事で悲鳴を上げている足元の施術が始まった。ミナトさんの大きな手が、オイルでヌルヌルになった状態で、私の足裏に密着する。親指だけじゃなく、握り拳の関節を使って、土踏まずをゴリゴリと削るように流していく。「腎臓のツボ、硬いですね。お水、飲めてないでしょう?」。図星だ。夜勤中はトイレに行く暇もなくて、水分補給を忘れるから。踵のガサガサした部分も、たっぷりのオイルですり込まれて、柔らかくなっていくのが分かる。
そして、ふくらはぎへのアプローチが凄かった。ミナトさんは、私のパンパンに張ったふくらはぎを、両手で包み込むように掴むと、下から上へ、雑巾を絞るような動きでねじり上げた。「溜まってますね。重い汚泥みたいなのが」。彼は、ふくらはぎの筋肉、ヒラメ筋の溝に親指を食い込ませ、ゆっくりと、深くスライドさせる。これが、痛気持ちいい。ただ撫でるだけじゃない、筋肉の中にある古い血液を、物理的に心臓へ送り返すような力強さだ。何度も何度も、同じラインを執拗に流されるうちに、足の冷たさが消え、ポカポカと熱を持ってくるのが分かった。
セルライトの破壊と、お尻の解放
続いて、私のコンプレックスである太ももとお尻だ。太ももには、手のひら全体と、肘から手首までの前腕を使って、広い面で圧をかけてくる。オイルたっぷりの彼の腕が、私の太もも裏を、熱いアイロンのように滑っていく。「ここ、冷えて固まってます。セルライトも、全部溶かしましょう」。グググッと体重を乗せられると、太ももの奥にある坐骨神経痛の予備軍みたいな痛みが、じわじわと解けていくのが分かった。
腰痛持ちにはたまらないのが、お尻の「剥がし」だった。ミナトさんは、握り拳でお尻の筋肉、中殿筋のコリを捉え、グリグリと回しながらほぐす。そして、手のひらでお尻のお肉をグイッと持ち上げ、骨盤から引き剥がすような動きを見せた。「わ、痛っ!」と思わず声が出る。「痛いですよね。腰を庇って、お尻がガチガチです。ここが緩めば、腰も楽になりますよ」。言われた通り、お尻がほぐれるにつれて、腰に入っていた力が嘘のように抜けていくのが分かった。
「姉御」の鎧を溶かす(背中・デコルテ)
いよいよ本丸、背中の施術に移る。まず、お尻の真ん中にある仙骨のあたりに、熱々のオイルだまりを作って、彼の手のひらが置かれた。ここには自律神経や婦人科系のツボがあるらしい。じんわーりとした熱が、子宮の奥まで届くような感覚があり、更年期の不調にダイレクトに効いている気がした。
そこからがアーユルヴェーダの真骨頂だった。ミナトさんは、腰から首の付け根まで、背骨の両脇を、親指で一気に駆け上がった。止まらない。途切れない。まるで、一本の長い線を描くように、滞ったエネルギーラインを開通させていく。「背負いすぎです、〇〇さん。鎧、分厚くなってますよ」。彼はそう言いながら、肩甲骨の内側に指を潜り込ませ、へばりついた筋肉をベリベリと剥がしていく。ゴリゴリ、という音が体内で響く。「ほら、取れた。もう、一人で頑張らなくていいですからね」。その言葉と手技の優しさに、思わず枕に顔を埋めて泣きそうになった。
仰向けになり、デコルテと腕へ。巻き肩で閉じていた胸を、グイッと開くようにマッサージされる。鎖骨の下を指の腹で流されると、呼吸が深くなるのが分かった。酸素が、久しぶりに肺の底まで入ってくる感覚。「人を支える手ですね。ここ、パンパンだ」。ミナトさんは、私の肘から下の腕を丁寧に揉みほぐしてくれた。特に気持ちよかったのが、手のひらだ。親指の付け根をグーッと押され、指一本一本を引っ張りながら抜いていく。利用者を抱えたり、車椅子を押したりで酷使していた手が、羽のように軽くなった。
思考の断捨離、脳が溶ける「シロダーラ」
そして、このコースのクライマックス。「シロダーラ」。眉間にオイルを垂らし続ける、あれだ。ここまで全身デロデロにほぐされた状態で、最後に脳みそを狙い撃ちされる。 「〇〇さん、これからは何も考えないで。頭の中のゴミ、全部流しちゃいましょう」
ミナトさんが、私の額の上にポットをセットする。ツツーッという感触と共に、眉間の「第三の目」と呼ばれる場所に、一定のリズムで温かいオイルが落ちてくる。最初は「くすぐったいな」とか「髪の毛ベタベタになるな」とか雑念だらけだった。でも、五分くらい経ったあたりだろうか。フッと、思考のスイッチが強制的に落ちた。
寝ているわけじゃない。意識はある。でも、頭の中に常にあった「明日のシフト表」「苦手なスタッフの顔」「老後の不安」といったノイズが、遠くへ去っていく。脳みそが、温かい羊水の中に浮かんでいるような感覚。「煮詰まった脳が、とろりとほどけていく」。これ以上の表現が見つからない。脳のシワの隙間に入り込んでいた汚れが、オイルと一緒に洗い流されていくような、圧倒的な浄化体験だった。 耳元で、ミナトさんが囁いた気がする。「いつも、偉いね」だったか、「可愛いね」だったか。夢うつつの中で聞いたその声は、甘いシロップのように私の無防備な心に染み渡った。
40代こそ、甘やかされるプロに頼れ
施術が終わり、シャワーを浴びて鏡を見た時、そこには見たことのない自分がいた。くすんでいた肌は、内側から発光するように艶やかで、血色が戻っている。何より、あの鉛のように重かった体が、重力から解放されたように軽い。更年期の嫌なほてりではなく、全身がポカポカと陽だまりのような温かさに包まれているのだ。
ラウンジに戻ると、ミナトさんが特製のスパイスティーを入れて待っていた。「お疲れ様でした。蘇りましたね、姫」。彼はニカッと笑って、私の髪を自然な流れでポンポンとした。普段なら「セクハラ!」と怒る場面かもしれない。でも、この時の私は、その子供扱いがたまらなく嬉しかった。
帰り道、私はスキップしたい気分だった。夜勤も、事務仕事も、かかってこい。今の私には、ミナトさんという精神安定剤がついている。私たち世代は、どうしても我慢が美徳になりがちだ。でも、時にはこうやって、プロの手、それも極上のイケメンの手に身を委ねて、徹底的に甘やかされる時間が必要なんだと痛感した。それは浪費じゃなくて、明日を生きるための投資だ。 もし、あなたが日々の重圧に押しつぶされそうになっているなら、インドの神秘と歌舞伎町レベルの接客が融合したこのサロンを、全力で推したい。ただし、深い沼にハマる覚悟だけはしておいた方がいい。帰りの電車で爆睡して乗り過ごした私が言うのだから、間違いない。
😴他のマッサージのお話(小説タイプ)😴
これまで自分が受けてきたマッサージなどのリラクゼーション系の施術をヒントに、深いリラックス効果を得られるような文章を目指していけたらと思っています。
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真面目マッサージで、あなたの眠りが良いものになりますように…😴
