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1981年のW浅野の妖艶

80年代の日本で異彩を放ち、隆盛を極めた角川映画の魅力と当時の思い出を、薬師丸ひろ子さん、原田知世さん、渡辺典子さんの「角川三人娘」を中心に振り返ってきましたが、今回は三人娘登場前夜の名作「スローなブギにしてくれ」の魅力について。


「スローなブギにしてくれ」は先日ご紹介させていただきました「彼のオートバイ、彼女の島」と同じく片岡義男さんの原作。もちろんバイクが物語の重要なアイテムとなります。主演は浅野温子さん。澄み切った大きな瞳の中に宿る憂いがあまりにも印象的で、オープニングの猫を拾うシーンからしてその魅力に溢れます。

相手役は古尾谷雅人さんですが、とにかく複雑な山崎努さんも味わい深く温子さんに絡まります。

猫を拾った後、シーンが変わるといきなり山崎さんが運転するムスタングの助手席座る温子さん。細かな男女の探り合いから抵抗した温子さん(か猫に)手を引っかかれた山崎さんは怒って窓から猫をまず放り投げると、続けて温子さんを車から放り出します。高速道路の路肩で寝っ転がる温子さんに声をかけたのがバイク乗りの古尾谷さん。

役者がそろったところで物語が展開していくのですが、映画と同じくらい有名な南佳孝さんの主題歌が当時の時代の空気ともよくなじみ、ストーリーへの没入感を自然と高めてくれて序盤から実にいい感じ。

まずは山崎さんの複雑な家族事情から。奇妙な三角関係はまず原田義雄さんが登場、てっきり山崎さんと原田さんが出来ているのかと思わせておいて、それまでの高揚感がちょっと微妙な空気に変わる中、登場してくるのが浅野裕子さん。その影のある色気に微妙な空気は一変し、彼女にくぎ付けになりました。

ちなみに裕子と書いて「ひろこ」さんとお読みします。80年代後半のトレンディドラマブームで温子さんと「W浅野」と呼ばれた浅野ゆう子さんとは全くの別人であります。

個人的にはのちの「W浅野」よりもこの映画の「W浅野」の方が好きです。トレンディドラマは基本的に見ていないのですが、温子さんとゆう子さんて見た目やキャラクターが全然違う気がするんですよね。

ゆう子さんはトレンディドラマのかなり以前からよくテレビでそのお姿を拝見していて、歌ったり演じたりトークしたりの多芸な芸能人、スタイルも抜群で健康的なイメージあります。どこかミステリアスで絶対に触れることのできない影が魅力的な温子さんとは全くもって対照的。

対して温子さんと裕子さんはすごく80年代的なアンニュイさや凛としたか弱さがとても似ているように感じます。とにかく妖艶で色っぽい。ちなみに裕子さんは小説やエッセイ、作詞などを数多く手がけられてい女優としてはこの作品ぐらいしか出られていないみたいですね。まさに才色兼備、あの時代、そしてあの役にはピッタリだったと思います。

長くなりました、続きは次回へ。

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