[安全の仕事] 形骸化させない!「使える作業標準書」を生み出す4つの仕組みと運用術
「作業標準書/手順書」。皆さんの職場では、しっかりと有効活用されていますか?
「形骸化」に悩む職場は少なくありません。作業標準書の困り事は、大きく以下の4つに絞られます。
①内容にバラつきがでる
②作るのが面倒
③有効に使えていない
④ 現状とズレがある
今回は、この4つを解消し「使える標準書」を作るための仕組みを紹介します。
①【内容にバラつきがでる】の対策
作る人によって変わる、内容や細かさのバラつき。これを防ぐために「記載項目の整理」から始めます。
■ 標準書の階層化(A標準とB標準)
まず、標準書を2つの種類に分けます。
A標準/個別:個別の作業単位。(例:旋盤加工、溶接作業)
B標準/一連:一連の作業単位。(列:安全柵作成→材料カット+溶接作業+塗装作業)
※この場合は、3つのA標準を組み合わせます《安全柵作成B標準 = 材料カットA標準+溶接作業A標準+塗装作業A標準》
■ 記載項目の整理
次に、何を記載するかを整理します。
記載するのは「実施ステップ、写真または図、品質面、安全面」だけ。
品質面と安全面は、「順守事項または禁止事項」として表現します。
リスクアセスメント評価は、「安全面」と一緒に、点数だけ併記すると危険度が分かりやすくなります。
■マスター標準書の作成
どこまで記載して、どのような表現をするか?のベースを決めるために、「マスター標準書」を作ります。これが全ての基準となります。
💡 ここがポイント!
文字は多すぎず長すぎず!
100点の標準書は目指さない!

②【作るのが面倒】対策
標準書作成には、時間と手間が必要です。出来るだけ簡素化するとともに、難しい作業であることを周りにも理解させます。
■ 標準作成者の認定制度
標準書を作る人を「認定制」にします。「難しい業務」であることを明らかにしてアピールします。認定は、一度標準書を作らせてみて80点以上を合格ラインにすると良いでしょう。認定により作成能力の平準化にもつながります。
■ 作成のステップ
標準書作成のステップを簡潔に決めておきましょう。
ステップは、「①作成範囲を決める → ②実作業を確認する → ③帳票を作成する」です。
※本来は、標準書を作る前に「リスクアセスメント」を行うのが正しい順序です。
■ AIの活用
帳票の作成には、AIの活用をオススメします。AIで文章や画像を作成すると時間短縮になります。

③【有効に使えていない】対策
作業のたびに、標準書を取り出して確認することは現実的ではありません。何を持って「有効」と判断するか?それは、作業者が触れる機会を増やすことです。
■ 教育での使用をルール化
新規で作業担当になった時や、標準書の内容が変更になった時は、必ず標準書を使って教育しましょう。
■ すぐ閲覧できる状態の保持
現場の環境に合わせて、タブレット端末、PC、紙などで標準書を備え、作業者が「すぐ閲覧できる状態」を保ちます。
■作業担当者自身が見直す
次項で紹介しますが、標準書は定期的に見直すルールを作る必要があります。その見直しを、作業担当者自身が行うことで、「標準書を見る機会」を創り、「意見を言う機会」を創ります。※帳票の修正は別の人ても可
■ モニタリングで順守状態を確認
管理監督者や安全担当者が作業状況をモニタリングし、標準書通りに行われているかを確認します。管理する側も、標準書を使う意識を持ちましょう。

④【現状とズレがある】対策
標準書は適切に見直しをしないと、ただの紙になってしまいます。いつ、どんな時に見直すかを決めましょう。
■ 見直しのタイミング
4Mのうちの3つ(機械、材料、方法)に変更があった場合は、必ず見直しましょう。
標準書のズレに気づけない可能性があります。標準書は、変更がなくても期間を決めて定期的に見直しましょう。(例:2年に1回)
■ モニタリングの活用
「ズレ」を見つけるのにはモニタリングが有効です。標準書との違いを見つけるだけでなく、作業者の意見を吸い上げたり、ギャップを確認することができます。
💡ここがポイント!
「ズレ」とは3つのギャップです!それを理解しましょう。
ルールと実作業のギャップ:作業者がルールを守っていない状態
標準更新遅れによるギャップ:作業が変わっており、標準書の更新が間に合っていない状態
ありたい姿とのギャップ:ルールを変えればもっと良くなる状態

おわりに
標準書は「作って終わり」ではありません。見直しにより、PDCAを回すことで更に有効なものとなります。
まずはルール作りから始めてみませんか?今回紹介した内容は、ルール化して共通認識のもと進めることが有効です。ルールを定めることで、同じ目線で標準書が作成できると思います。
