見出し画像

[都市伝説的考察] 日本神話新説⑨大国主と大物主 【独自解釈】

オオナムチは、スサノオからスセリビメを救出し結婚します。カミムスヒの跡継ぎになったことにより、「大国主」の座に就きました。

今回は、その後の妻問いと、国作りに迫ります。


​1. 妻問い

​[神話の展開]

​八十神を倒し、「八千矛神」という名を得たオオナムチは、出雲にとどまらず、各地の美しい女神たちに次々と求婚(妻問い)をしていきます。神話では、女神たちが次々と妻になる状況が、華やかに描かれています。

​💡[新説]

​オオナムチは決して「女好きのプレイボーイ」ではありません。これらは、領土を拡大するための「政略結婚」でした。彼の妻となった女神たちを見ていきましょう。

① ヌナカワヒメ
北の強国「越国(新潟)」の姫です。 翡翠などの豊かな地下資源だけでなく、広い版図と軍事力を持つ越国との政略結婚は、大きな後ろ盾になりました。

タギリヒメ(宗像三女神)
私の考察では、タギリヒメはスサノオ勢力下にある超重要人物です。「誓約」のシーンでも登場しました。この婚姻により、オオナムチはスサノオと和解を目指したことを示します。

カムヤタテヒメ
武器庫のことを「カムヤ」、防具の盾「タテ」の名前を持ち、軍事を司る一族と言われます。しかし日本神話で「カム」の名前を持つ神様は、特別な存在とされます。

ミホツヒメ
造化三神タカミムスヒの娘とされます。この婚姻も超重要です。タカミムスヒ国との関係が、後の「国譲り」につながります。(※カミムスヒとは別の神様です)


​2. 正妻と初妻

​[神話の展開]

​オオナムチの本妻であるスセリビメは非常に嫉妬深く、オオナムチが嫌気をさして大和国へ逃げ出そうとしたほどでした。スセリビメが涙ながらに歌を歌って引き留め、オオナムチは出雲に残ることを決意します。

一方、最初に彼を選んだ因幡の八上姫は、スセリビメを恐れるあまり、生まれたばかりの子供を木の股に置いて、因幡国へ逃げ帰ってしまいます。

​💡[新説]

​オオナムチが大和国へ行こうとしたのは、領土拡大を目指し、本拠地を移すためです。政略結婚で、近隣勢力との強固な同盟を築くことに成功。次に狙ったのが群雄割拠する大和国周辺でした。国の数が多く、全部の国と政略結婚はできません。大和国に腰を据えて勢力拡大をするつもりでした。

 しかし、隣国からの防衛に懸念を持っていたカミムスヒは、オオナムチに出雲を離れられては困ります。そこで、娘のスセリビメに命じ、引き留めさせたのです。

​八上姫はスセリビメを恐れて因幡国に帰った訳ではありません。八上姫の夫であるオオナムチは、因幡国も統治する立場になっていました。要所に子の「木俣」を配置し、因幡を八上姫に配置したのです。


​3. スクナビコナ

​[神話の展開]

​国作りに悩むオオナムチの前に、海の彼方からガガイモの船に乗った小さな神「スクナビコナ」が現れます。物知りの案山子・クエビコに尋ねると、「彼はカミムスヒの子です」と教えてくれました。カミムスヒもそれを認め、二人は兄弟として国作りを進めることになります。

​💡[新説]

​スクナビコナの正体、それは出雲王であるカミムスヒの隠し子でした。このことは国家機密でしたが、重臣のクエビコがオオナムチに漏らしてしまいます。

​スクナビコナは、風変わりでしたが、特異な才能を持っていました。天候に精通していたのです。この才能は後になって、国作りで生きてきます。オオナムチは、スクナビコナを公式の場へ引き上げ、共同代表に据えます。


​4. 国作り

​[神話の展開]

​オオナムチとスクナビコナは、日本全国を巡って農業や医療、温泉の知識を広め、素晴らしい国を作り上げます。しかし、国作りが軌道に乗ったある日、スクナビコナは粟の茎に弾かれて、海の彼方の「常世国」へと突然旅立ってしまいました。

​💡[新説]

​スクナビコナが担当したのは、農業や医療といった「庶民の生活に直結」するものばかりです。これらは、天候に精通したスクナビコナの工夫で、飛躍的に良くなりました。この政策の大成功により、スクナビコナの人気は絶頂に達します。

​しかし、ナンバー2が民衆の支持を集めすぎることは極めて危険です。人気絶頂の最中でのスクナビコナは消息を絶ちます。これに何らかの陰謀があったのかは闇の中です。


​5. オオモノヌシ

​[神話の展開]

​スクナビコナを失い途方に暮れるオオナムチの前に、海から光り輝く神が現れます。「私を丁重に祀れば、国作りを完成させよう」と言うその神の正体は、オオナムチ自身の魂(奇魂・幸魂)でした。オオナムチはこの魂を「大物主神」として大和国の三輪山に祀り、ついに国作りを完成させます。

​💡[新説]

​スセリビメに引き留められて一度は頓挫したものの、オオナムチは念願の「大和進出」をどうしても諦めきれませんでした。

軍事的圧力と調略を繰り返し、影響力を着実に拡大していきます。その結果、在地勢力もオオナムチを無視できなくなり、大和連合政権の主に押し上げられます。

新たに設置された、大和連合政権の主の名は「大物主」。出雲国の「大国主」から影響を受けて名付けられました。


​6. 三輪山

​[神話の展開]

​大物主は、ヤマトの青垣に囲まれた美しい山「御諸山(三輪山)」に鎮座し、現在に至るまで強力な神として信仰を集めています。

​💡[新説]

​当時のヤマト近隣は、様々な豪族が争う群雄割拠の混沌とした状態にありました。

「大物主」の地位に就いたオオナムチは、ヤマトの軍事・交通の要衝である「三輪山」に本拠地を構えたのです。


​7. まとめ

​オオナムチは政略結婚により周囲を固め、スクナビコナとの国作りで、国内の基盤を固めました。さらに不安定だった大和国にも進出し、ついには「大国主」と「大物主」という地位を手にします。2つの国で王となったのです。

しかし次回、オオナムチに激震が走ります。

いいなと思ったら応援しよう!