[都市伝説的考察] 日本神話新説⑦八十神との戦い 【独自解釈】
「因幡の白兎」伝説では、八上姫との婚姻を勝ち取ったオオナムチ。
しかし、それが原因で八十神に追い詰められていきます。今回は、オオナムチと八十神の対立に迫ります。
1. 手間山の赤い猪
[神話の展開]
八上姫に拒絶された八十神たちは、オオナムチを恨み、伯耆国の「手間山」へ連れ出します。そして、「この山の『赤い猪』を追い落とすから、下で受け止めろ。」と命じました。
しかし、落としたのは猪ではなく、真っ赤に焼かれた大岩でした。それを受け止めてしまったオオナムチは、焼け死んでしまいます。
💡[新説]
八十神はオオナムチを直接倒せる状況にありながら、わざわざ間接的な方法をとります。これは真実を隠すためのメタファーでしょう。
「赤い猪」の正体は、当初オオナムチの味方になると言って近づいてきた「タタラ製鉄」を司る一族です。製鉄が「赤い焼けた岩」を彷彿させます。
味方になるフリをして近づき、オオナムチが受け止めた瞬間を狙って裏切ったのです。これによりオオナムチは壊滅状態になりました。
それにしても、因幡国から伯耆国まで追い出したところを見ると、八十神たちも相当な勢力だったのが伺えます。

2. カミムスヒの助勢
[神話の展開]
オオナムチの死を知った母親の「サシクニワカヒメ」は、最高神の一人である「カミムスヒ」に救いを求めます。「カミムスヒ」はすぐに「キサガイヒメ」と「ウムギヒメ」を派遣。オオナムチを岩から剥がし、母乳を塗ると生き返りました。
💡[新説]
オオナムチが因幡国で婚姻交渉を行っていた頃、母親の「サシクニワカヒメ」は、協力関係を築こうと、出雲の最強一族「カミムスヒ(のちの意富氏)」の元を訪れていました。

このカミムスヒ一族は、当時出雲国で急速に勢力を拡大していた「スサノオ勢力」と対立していました。
見事にカミムスヒとの協力関係を締結した母親は、オオナムチの危機を知ります。早速、助勢を願い出ると、カミムスヒは部隊を送り込みます。そしてすぐに、タタラ製鉄一族から救い出したのです。
3. 巨木の楔
[神話の展開]
八十神たちは、生き返ったオオナムチを別の山へ連れ出します。巨木を切り倒し、割れ目を開いて楔を打ち込んでいました。その割れ目にオオナムチが入った瞬間、楔を引き抜き、猛烈な勢いで巨木を閉じました。挟まれたオオナムチは二度目の死を迎えました。
💡[新説]
次に八十神たちは、巨木こと山間部族と共に、オオナムチを挟み撃ちににします。山間部族は、事前に八十神たちに取り込まれていた勢力です。
巨木の割れ目こと「峡谷」で追い込まれたオオナムチは、逃げ場を無くしてしまいました。

4. サシクニワカヒメの助勢
[神話の展開]
母親の「サシクニワカヒメ」は、山に入ってオオナムチを捜索します。そして、閉じた大木を切り裂き、中から息子の遺体を取り出して、再び「カミムスヒ」の力によって生き返らせました。母親はオオナムチを遠くへ逃がす決断をします。
💡[新説]
母親の「サシクニワカヒメ」はカミムスヒとの協力関係を取りまとめると、オオナムチ軍の後を追っていました。そこにはカミムスヒの助勢部隊も同行していたのです。
オオナムチが、八十神と山間部族により挟み撃ちされたとの報を受け、カミムスヒの部隊は奇襲を仕掛けました。「閉じた木を切り裂く」ように、敵の包囲網を切り裂き、オオナムチを間一髪のところで救出したのです。

5. オオヤビコノの元へ
[神話の展開]
母親はオオナムチを、遥か遠方の木国(和歌山県)にいる「オオヤビコ」の元へと逃がします。しかし、八十神たちの執念は凄まじく、木国までオオナムチを追いつめました。「オオヤビコ」はオオナムチを密かに脱出させました。
💡[新説]
山陰から和歌山まで逃避したとするのは不自然です。オオナムチが逃避したのは「木の国」ではなく近隣国です。(読み方が同じ、鬼の国でもなさそうです)

それにしても、八十神たちが執拗にオオナムチを追う理由は何でしょうか?八十神こと近隣勢力が生き残るためには、「因幡国」と結びつき、その後ろ盾を得ることが絶対条件でした。八上姫との婚姻をオオナムチに奪われることは一族の滅亡を意味します。オオナムチを殺害してでも、婚姻を阻止することが必要だったのです。
6. まとめ
オオナムチ一族は地域の勢力を頼り、協力関係を構築して、生き延びる道を模索していました。それは八十神たちも、全く同じ状況でした。
特筆すべきは造化三神と呼ばれる「カミムスヒ」の登場です。ここでの登場にも、きっと深い意味があるはずだと私は考えました。
そして「因幡の白兎」から続いた、オオナムチと八十神の戦いから、物語は次のステージに進んでいきます。
