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放課後デイ30箇所に電話して分かった、発達障害児の「本当の居場所」の探し方

息子に診断が下りたあと、私はある現実に直面した。
世の中には、発達障害を「理解できる人」と「そうでない人」が、驚くほどハッキリ分かれているということだ。

ママ友に打ち明けても「いつも明るいし、気のせいじゃない?」と返される。
(気のせいだったら、どれだけ良かったか……)
そう思いながら、曖昧な笑いで誤魔化すしかない孤独。

唯一の救いは、幼稚園の先生だった。専門知識を持ち、息子の特性を自然に受け止め、さりげなく配慮してくれる。

一方で、知識のない習い事の先生たちは「配慮」の仕方がわからない。
言われた通りにできないと叱る。
それが息子には「悪意」や「攻撃」に感じられ、涙を浮かべて「……あの先生、敵なの?」と私に聞いてきた。

このままでは、息子の世界は「敵だらけ」になってしまう。
「息子を理解し、守ってくれる大人に囲まれた空間」を急いで作らなきゃいけない。
そう決意して始めたのが、小学校入学に向けた「放課後等デイサービス(放デイ)」探しだった。

合計30箇所の電話。折れそうな心を支えたもの

役所でもらったリストを手に、片っ端から電話をかけた。
しかし、現実は甘くない。リストの半分はすでに閉所して存在せず、
残りの良さそうな所はどこも「二桁の人数が空き待ちです」という返答ばかり。

受話器を置くたびに、心が削られていく。
一体、みんなはどうやって見つけているの?

気づけば、電話をかけた先は30箇所を超えていた。

ようやく見学に漕ぎ着けても、
「発達障害児は天才の集まり! 能力を伸ばしましょう!」
という熱すぎる方針に違和感を覚えたり、清潔感のない環境に絶句したり。

私たちが欲しいのは、将来の金メダルやノーベル賞のための訓練じゃない。
今日、笑顔で「ただいま」と言える心の安らぎ。
「伸ばす」よりも先に、まず「安心」が最優先だった。

やっと掴んだ「スポット利用」という切符

そんな中で出会ったのが、「今は固定枠はないけれど、欠員が出た時のスポット利用なら」と言ってくれた1軒のデイだった。
曜日固定ではないけれど、まずは繋がっておく。この「スポット利用」という選択が、後に大きな意味を持つことになる。

放デイ探しを「運任せ」にしないための戦略と、母の直感

30箇所に電話し、10箇所以上を見学して分かったことがあります。
放デイ探しは単なる「運」ではありません。こちらの「伝え方」ひとつで、道が開けることもある。

私が試行錯誤の中で見つけた、いくつかのポイントを共有します。

1. 電話一本で「優先順位」を上げる伝え方

ただ「空きはありますか?」と聞くよりも、こちらの状況を少し詳しく伝えると、
相手の反応が変わることがありました。

• 「スポット利用」から繋がりを作る

「固定は無理でも、欠員が出た時だけ声をかけていただくことは可能ですか?」
そう伝えると、一気に入れる確率が上がりました。「いつでも行きます」という姿勢は、
デイ側にとっても連携が取りやすい家庭だという信頼に繋がった気がします。

• 断られたあとの「もう一押し」

もし「今はスポットもいっぱいです」と言われても、そこで諦めませんでした。
「承知いたしました。でも、お話を聞いてぜひこちらにお世話になりたいと思ったので、
来月また状況を確認するためにお電話してもよろしいですか?」

そう食い下がると、相手のトーンが変わります。「本気でうちを必要としているんだな」
と印象に残ることで、急な空きが出たときに真っ先に思い出してもらえる存在になれました。

2. 見学で大切にした「安心できる環境」のチェック

プログラムの凄さよりも、息子がリラックスして過ごせるかどうか。私は以下のポイントを見ていました。

• 視覚的なわかりやすさ(構造化)

机に仕切りがあったり、ホワイトボードに「今日の予定」が書かれていたり。
言葉の指示を受け取るのが少し苦手な息子にとって、見てパッとわかる環境があるデイは、
とても過ごしやすそうでした。

• 「動けなくなる」への理解があるか

息子は、情報が多すぎたり指示が長すぎたりすると、脳がパンクしてフリーズしてしまいます。
そんなとき、「動かないのはサボっているのではなく、脳が一生懸命処理しようとしてパンクしている状態なんだ」と正しく理解してくれるスタッフさんがいるか。
「ほら、やって」と急かすのではなく、情報が整理されるまで静かに待ってくれる。そんな「待てる大人」がいる場所が、息子の正解でした。

3. 「お母さんの直感」は、何よりも正しい

たくさんのデイを見て回ると、世間の評判やスペックとは別に「あ、ここは何か違う」
という違和感を抱くことがあります。
その直感は、絶対に無視しないでください。

どれだけ綺麗で、どれだけ立派なプログラムがあっても、お母さんの心が「ザワつく」場所は、
お子さんにとっても安心できる場所ではありません。

「ここなら、息子を任せられる」と思えるまで、妥協しなくていい。
親の直感は、子供を守るための最高精度のセンサーなのだから。

結論:居場所は「作る」もの

最終的に、私はスポット利用から固定枠を確保し、いくつかの居場所を使い分けられるようになりました。
「息子を理解してくれる大人」という盾を彼の周りに並べられたとき、私の肩の荷はようやく下りました。もし今、電話をかけ続けて疲れているお母さんがいたら伝えたい。

帰ってきたお子さんがもし、今日もうまく動けず固まっていたとしても、それは彼が外の世界で一生懸命に脳をフル回転させてきた証拠です。

「今日もお疲れ様」と、ただ優しく抱きしめてあげてください。
その子の安心を守るための「30本目の電話」は、きっともうすぐ、光る場所へと繋がっています。

あわせて読んでほしいエピソード

この連載のバックナンバーは、こちらのマガジンにまとめています。


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