ハコブネの降り方
『ハコブネ』村田沙耶香 (集英社文庫)
十九歳の里帆は男性とのセックスが辛い。自分の性に自信が持てない彼女は、第二次性徴をやり直そうと、男装をして知り合いの少なそうな自習室に通い始める。そこで出会ったのは、女であることに固執する三十一歳の椿と、生身の男性と寝ても実感が持てない知佳子だった。それぞれに悩みを抱える三人は、衝突しあいながらも、自らの性と生き方を模索していく。芥川賞作家が赤裸々に紡いだ話題作。
芥川賞作の『コンビニ人間』で掴みそこねていたかもと思い読んでみた。希死念慮というべきものを知佳子から感じてしまう。宇宙人みたいに感じた(三島由紀夫原作の映画『美しい星』を連想した)。
三人の女性が出会う中でセックスは何か?というのを問いかけているのだが、里帆は女性とも男性とも判断がつかないで悩む。椿はそれは女性性を避けているからだ(もっともな意見)といい、対立する。千佳子は男女しかない性別を不思議に思う宇宙人(異星人)。そんな三人が出会う自習室というハコブネ。そこから抜け出したかのような知佳子。中島みゆきの「宙船」を聞きたいと思ったのは里帆のテーマか。
あとがきで村田沙耶香が「クレージー沙耶香」と呼ばれているというのは西加奈子との鼎談(もう一人は柴崎友香で、この三人のような鼎談だった)で知って興味を持ったのだ。村田沙耶香の異星人性は知佳子に感じる。
横浜の描写がいいと思ったのは地元だからか?氷川丸、植物園、ラーメン博物館。ただ月二万出して自習室は高いな。図書館に行けばいいのに。でなければネットカフェだな。相場だという。
