見出し画像

【誤解多数】新設「バイオ後続品調剤体制加算50点」実績80%は必須ではない?確定通知を解説

【令和8年度調剤報酬改定】バイオ後続品調剤体制加算(50点)とは?算定要件・施設基準・“望ましい実績”を徹底解説

令和8年度(2026年度)の診療報酬改定では、バイオシミラー(バイオ後続品)の使用促進を目的とした新たな評価として
**「バイオ後続品調剤体制加算」**が新設されます。

改定議論の段階では

  • 置換率80%

  • 成分数60%

という非常に高い実績要件が必須になる可能性が指摘されていました。

しかし、最終通知ではこの実績要件は「望ましい」水準に変更されました。

つまり今回の改定は、

「まずは薬局の体制整備と患者啓発を評価する」設計

となっています。

この記事では、確定した通知内容をもとに

  • バイオ後続品調剤体制加算の点数

  • 算定要件と施設基準

  • 「望ましい」とされた実績要件

  • 薬局実務での注意点

  • 今から準備すべきポイント

を、薬局経営・現場双方の視点からわかりやすく解説します。


1. バイオ後続品調剤体制加算とは(令和8年度改定)

点数

50点(処方箋受付1回につき)

調剤基本料とは別に算定できる新しい加算です。

特別調剤基本料との関係


算定できる条件

施設基準の届出を行った保険薬局で

対象となるバイオ後続品を調剤した場合

に算定できます。

対象外

インスリン製剤

は本加算の対象外です。


2.【最大のポイント】実績要件は「必須」ではない

今回の改定で最も注目されたのが
バイオシミラーの置換実績要件です。

改定前は

  • 置換率80%

  • 成分数60%

という厳しい要件が必須になる可能性が指摘されていました。

しかし最終通知では、

「望ましい」要件(努力義務)

という扱いになりました。


通知に記載された実績要件

当該保険薬局において調剤したバイオ医薬品(バイオ後続品のあるものに限る。)の規格単位数量及び当該バイオ後続品の規格単位数量を合算した数量に占める当該バイオ後続品の規格単位数量の割合が80%以上となるバイオ医薬品の成分の数が、当該保険薬局において調剤実績のあるバイオ医薬品の成分数の60%以上であることが望ましい。

【Ⅳ-1後発医薬品・バイオ後続品の使用促進-⑤】
⑤ バイオ後続品使用促進に係る薬局体制整備の推進

わかりやすく言うと

例)

バイオシミラーが存在する
バイオ医薬品の成分が10種類ある薬局

の場合

6成分以上(60%)

について

置換率80%以上

が望ましい。


ただし重要なポイント

これは

届出の必須要件ではありません。

つまり

体制を整備すれば算定は可能

という設計になっています。


将来の改定では必須化の可能性

今回の改定は

「ソフトランディング型」

と考えられます。

つまり

次回改定では

  • 置換率80%

  • 成分60%

必須要件になる可能性は高い

と考えられます。

そのため

今から置換率を把握しておくことが重要です。


3. 必須となる施設基準(実績以外)

実績要件は努力義務ですが、
以下は必須要件です。


① 適切な保管・管理体制

薬局は

  • バイオ医薬品の特性を踏まえた保管体制

  • 適切な温度管理

を整備する必要があります。

また

患者へ説明できる体制

も求められます。


② 薬局内外への掲示

薬局は

バイオ後続品を積極的に調剤している旨

薬局の内外の見えやすい場所に掲示

する必要があります。


4. 実務上の重要ポイント(変更調剤)

バイオ後続品調剤で最も注意すべき点は

銘柄名処方です。


銘柄名処方の場合

先行バイオ医薬品が

銘柄名で処方されている場合

薬局は

医師への確認なしに変更調剤はできません。

つまり

疑義照会が必要

になります。


変更可能なケース

以下の場合は変更可能です

  • 一般名処方

  • 医師が変更を認めている場合


効能・効果の違いにも注意

先行品とバイオ後続品で

効能・効果が異なるケース

もあるため

  • 適応症確認

  • 用法確認

など

後発医薬品と同様の確認

が必要になります。


5. 薬局が今から準備すべきこと

今回の改定は

体制評価型の加算

です。

そのため、今から準備すべきポイントは以下です。


① 採用医薬品の整理

自薬局で扱う

バイオ医薬品(※インスリン除外)

を整理しましょう。

併せて

  • 温度管理

  • 保管方法

などのマニュアル整備が重要です。


② 掲示物の準備

以下の内容の掲示が必要です。

「当薬局ではバイオ後続品の調剤を積極的に行っています」


③ 医療機関との事前合意

銘柄名処方の場合

毎回疑義照会を行うのは現実的ではありません。

そのため

  • 変更調剤の包括同意

  • 院外処方箋での取り決め

など

地域医療機関との連携

が非常に重要になります。


④ 患者説明の強化

バイオ後続品について

  • 品質

  • 有効性

  • 安全性

を丁寧に説明することで

特定薬剤管理指導加算3(ロ)

の算定にもつながります。


まとめ|バイオ後続品調剤体制加算の重要ポイント

今回の改定ポイントを整理します。

点数

  • 50点(処方箋受付1回)

対象外

  • インスリン製剤

必須施設基準

  • 保管管理体制

  • 患者説明体制

  • 薬局内外への掲示

実績要件

  • 置換率80%

  • 成分60%

👉 「望ましい」要件

実務注意

銘柄名処方の場合

疑義照会が必要


最後に

今回の改定は

「バイオシミラー推進の第一段階」

と考えられます。

今後の改定では

  • 置換率

  • 成分割合

必須要件化される可能性

も十分あります。

そのため薬局としては

  • 置換率の把握

  • 医療機関との連携

  • 患者説明の強化

を今から進めておくことが重要です。


出典:個別改定項目について
調剤報酬点数表に関する事項
調剤報酬点数表

最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事が少しでも参考になりましたら、
「スキ」で教えていただけると励みになります。

今後も診療報酬改定や医療政策の動向を、
現場目線で分かりやすく整理していきます。

継続してチェックしたい方は、ぜひフォローをお願いします。


【※届出取違注意※】
基本診療料」のバイオ後続品使用体制加算と、
特掲診療料」のバイオ後続品調剤体制加算が
非常によく似ております。
お間違えなのないよう、チェックリストをご覧下さい。


いいなと思ったら応援しよう!