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未経験でインフラに入った1年目、現場で生き残るためにやったこと|教えてくれる人がいない現場で

「このサーバーに接続して」が、できなかった

未経験からインフラエンジニアとしてキャリアを始めたとき、僕は資格だけは持っていました。

RDP、SSH、Linuxの基本的なコマンド。

一通り勉強して、頭では分かっているつもりでした。

でも、現場に入って最初に言われたひとことで、その「つもり」は崩れます。

「このサーバーに接続しておいて」

……どうやって接続すればいいのか、分からなかったんです。

資格の勉強で「SSHとは何か」は知っている。

でも、目の前の環境で、どのツールを使って、どこに、どの情報を入れて接続するのか。

実務でやったことがなければ、その一歩が踏み出せない。

資格で知っていることと、現場で手を動かせることは、まったくの別物でした。

雰囲気は最悪、「分からない作業はやるな」

最初に配属されたのは、監視業務の現場でした。

そして、その現場の雰囲気は、正直に言って最悪でした。

ルールとして、**「わからない作業は実施してはいけない」**と決まっていました。これ自体は事故防止のために正しいルールです。下手に触って本番を壊すよりはずっといい。

でも、未経験の自分にとっては、ほとんどの作業が「わからない作業」です。つまり、何をするにも人に聞くしかない。

ところが、その「聞く」ができない環境でした。

  • プロパー(クライアント社員)は会議ばかりで、ほとんど席にいない

  • 先輩エンジニアは自分の作業で手一杯

  • 質問すると、あからさまに嫌な顔をされる

聞かないと作業ができない。

でも聞ける人がいない。

聞いても歓迎されない。

完全に、八方塞がりでした。

それで、僕はやらかした

そんな状態で仕事をしていれば、当然ミスをします。

僕がやらかしたことは、地味だけど、思い出すと今でも少し冷や汗が出ます。

  • 消してはいけないファイルを消してしまった

  • エスカレーションを正しくできなかった(誰に、どのタイミングで、何を上げればいいのか分かっていなかった)

監視の現場で、エスカレーションが正しくできないのは致命的です。

異常を見つけても、それを適切なルートで上げられなければ、見つけていないのと同じになってしまう。

そして、消してはいけないファイルを消してしまったときは、始末書を書く羽目になりました。

入って間もない未経験のうちに、自分の名前で「なぜこのミスが起きたのか、再発防止のために何をするのか」を書面で出す。

あれは精神的にかなりこたえました。

情けなくて、申し訳なくて、自分はこの仕事に向いていないんじゃないかとさえ思いました。

「わからない作業はやるな」と言われている現場で、わからないままやって、ミスをして、始末書を書く。

聞きたくても聞けない。

この時期が、キャリアの中で一番きつかったかもしれません。

八方塞がりが、結果的に「武器」を作ってくれた

どうにもならない状況で、僕はあることに気づきます。

聞ける人がいないなら、聞かなくても進められるレベルまで、自分で持っていくしかない。

そこからやり方を変えました。

分からないことにぶつかったら、まず自分で調べる。ドキュメントを読む、過去の手順を探す、似たケースを探す。そして、「たぶんこうすればいいはず」という自分なりの答えを出してから、人に確認しにいく。

「これってどうやるんですか?」と丸投げで聞くと、嫌な顔をされる。

でも、「この作業、こうやろうと思っているんですけど、合っていますか?」と聞くと、相手の反応がまるで違いました。

答える側の負担が一気に下がるからです。

一から説明する必要がなく、イエスかノーか、どこを直せばいいかだけ言えばいい。

教えてくれる人がいない現場で身につけたのは、「自分で調べて、自分なりの答えを出してから聞く」習慣だった。それが、その後のどの現場でも一番の武器になった。

あの環境が良かったとは、今でもまったく思いません。

でも、聞けない環境だったからこそ、この習慣が嫌でも身につきました。

そしてこのスキルは、その後どの現場に行っても役に立ち続けています。

1年目の僕がやらかした3つ

これからインフラに入る人が同じ轍を踏まないように、当時の失敗を残しておきます。

  • ① 「接続して」に固まった … 資格はあっても、実務の初歩でつまずいた。知っていることと、できることは違う

  • ② 消してはいけないファイルを消した … 影響範囲を確認しないまま手を動かした結果

  • ③ エスカレーションを正しくできなかった … 誰に・いつ・何を上げるかの基準を持っていなかった

どれも「技術力が足りなかった」というより、現場の動き方を知らなかったことが原因でした。

八方塞がりの現場で身につけた、生き残りの3つの習慣

逆に、この時期に身につけて、今でも使っている習慣がこれです。

  • ① 分からないことは、調べて“仮説”を持ってから聞く … 「どうやるんですか」ではなく「こうしようと思うんですが合ってますか」。相手の負担が下がり、自分も伸びる

  • ② 本番を触る前に、影響範囲を必ず確認する … 「これを消す/変える」と何が起きるか。消してはいけないものを消さないための一手間

  • ③ エスカレーションの基準とルートを先に押さえる … 何が起きたら、誰に、どう上げるのか。異常を見つける前に決めておく

特に①は、未経験の最大の武器になります。聞き方を変えるだけで、聞ける環境がない現場でも前に進めるようになります。

環境は選べなくても、得るものは選べる

あの監視現場は、いい環境ではありませんでした。

聞ける人はいなかったし、雰囲気もよくなかった。

でも、振り返ると、あそこで身につけた「自分で答えを出してから聞く」という習慣は、その後のキャリアの土台になっています。

プライベートクラウドのSRE、AWSの設計、今やっている上流工程。

どの現場でも、この習慣が一番効いています。

技術力は、後からいくらでも付いてきます。最初の現場でつくべきだったのは、すごい技術力じゃなくて、「分からない状況の中で、自分で前に進む力」でした。

同じ状況で潰れそうな人へ

もし今、聞ける人がいない現場で、わからないまま仕事をして、ミスをして、しんどい思いをしている人がいたら。

それは、あなたの能力が低いからじゃありません。

環境がきついだけです。

そのうえで、ひとつだけ提案させてください。

「どうやるんですか」と聞く前に、自分なりの答えを一回作ってみてください。

調べて、仮説を立てて、「こうだと思うんですけど」と確認しにいく。

これだけで、聞ける環境がなくても前に進めるようになります。

そして、その力は環境が変わっても一生使えます。

きつい現場ほど、後から効いてくるスキルが身につく。

僕がそうだったように。

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次は、その現場からどう抜け出したかを書いた「[SES会社でヘルプデスクから抜け出すために、私がやったこと]」もあわせてどうぞ。


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