映画感想:この夏の星を見る|「1番近くて遠い星」
昨日観てきました。感想を、思いついた順に雑多に。
亜紗のキャラ、こんなに押し強かったっけ?
原作を読んだ時の印象よりも、ずっとぐいぐい来るタイプになっていた気がします。
原作ではもう少し繊細で、内に溜め込む印象だったけれど、映画では表現力が前に出ている。
これはこれで、画としての説得力がある感じ。
亜紗→太陽、凛久→月。web会議でのペアが良かった
あの初めてのZoom(※web会議アプリ全般をZoomって呼ぶの、昭和のオカンがゲーム機全部ファミコンって呼んでたみたいですね。ちなみにうちではロボット掃除機全部ルンバです)のシーン。
亜紗は朝に通じ、太陽役で、凛久が月。
「いちばん近くて遠い星」というメタファーとして考えると、お互いに対してほんのりとした思慕がにじんでいたように見えて、よかった。
なぜ「天文部」だったのか
正直私はここにあんまり引っ掛からなかったのだけど、映画の感想noteを見漁っていたらこんなところに着目されている方がいました。
「天文部」でなくてはいけない理由がたしかにあった。
それは“瞳”だ。
「天文部」は望遠鏡を覗く、その“瞳”こそ主役の部活ではなかったか。
これを読んだ時は腰を抜かしちゃった。確かに!と思った。俺も気づきたかったなーこれ。マスクしてるからこそ際立つ目の演技。確かにその観点から行くと、例えば弓道とか、他の「目」の競技との比較になった可能性はある。辻村深月がこの観点で小説のテーマに天文部を選んだのか、は分からないけど、映像化するときにこの「瞳」が主役の部活だったからこそより映えた感じはする。すごいわかる。
今のところこの宇部道路さんの感想noteが深みがあって1番好きです。
小春の配置、ありだなと思った
原作になかった小春を五島組の“第4のキャラ” として入れてきたのは思い切ったなと思いつつ、
でもちゃんと機能していたというか、いいアクセントになっていた。
このへん、映画用に再構成する力を感じました。小説を映画化する時って、原作のサブキャラやサブエピソードを廃して引き算で作っていくものだと思うんだけど、この構成はすごい自然だった。
市野先生まわりが薄くなっていたのはちょっと惜しい
市野先生(花井うみかとの絡み含む)がかなり薄味になっていた印象。
原作ではもっと“おとなの輪郭”がしっかり描かれていたと思う。
綿引先生の手作り望遠鏡のエピソード
「妹の子も混じってます」という台詞
国語教員なのに物理部の顧問
など、伏線がいくつかごっそり落ちていたのが個人的には残念。
渋谷パートが背景化していた?
五島や茨城に比べて、渋谷パートがやや薄いように感じました。
鎌田先輩がいなかったことになっている
真宙の家族(親や姉)に関する描写のカット
天音がアルビレオに固執する背景の描写不足
といった点が気になりました。
渋谷にいた彼らも、ちゃんと「星を見ていた」はずなんだけどなあ。
それでも、スターキャッチコンテストの場面は圧巻
ほんとうにこの場面のための映画だったと言いたくなるくらい、良かったです。
読み上げに合わせて望遠鏡をガガガッと回して、天体を導入していくあの流れ。
パンフレットにも、監督・脚本ともにこの場面には強いこだわりを持って臨んだと書いてあって、納得。
ちなみにパンフレット、買いました。
映画のパンフレット買うの、人生で2回目です。
(1回目は『おおかみこどもの雨と雪』です)
ISSキャッチ練習の場面も良演出
原作になかった演出として印象に残ったのが、ISS(国際宇宙ステーション)をキャッチする練習のシーン。
天体と違ってゴリゴリ動くし、捕まえるのも大変だよなあと。
地味だけど「確かにそうだよね」と思えるリアリティが良かったです。
綿引先生、ちょっと違う?
綿引先生、もう少し泰然としてるキャラだと思ってました。
「で、君たちはどう思う?」
「どうしたい?」
みたいな、大人としての“余白”があった気がしていたけれど、
映画では春菜先輩や亜紗に詰め寄られてちょっとタジタジしていた印象。
これはこれで子供たちの自立や活躍を主眼に描くための解釈かもしれないけど、少しだけ解釈違いでした。
ラストの「いちばん近くて遠い星」コールが沁みる
コンテストの読み上げに「いちばん近くて遠い星」というコールを繰り返し使うことで、
映画の最終盤、亜紗と凛久のコールに繋げてくるのがとてもよかったです。
原作にはなかったシーンですが、映画のラストとしてとても映えていたと思います。
おわりに
いろいろと言いましたが、総じて「映画としてとても美しくまとまっていた」 と感じています。
違和感もあったけど、原作と別作品として見れば納得感のある構成でした。
スターキャッチコンテスト、あの場面だけでも観る価値あると思います。
↓原作の感想noteはこちら↓
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします。いただいたチップは書籍の購入費用など、note活動のために使わせていただきます。
