【艦船模型】1/700 軽巡・矢矧を作るⅠ:50年前のモデルに取り掛かってみたら……?
以前紹介したタミヤの矢矧。発売当初の50年前から型が不変、という実に息の長いモデルです。
改めて組立説明書を読んでみましょう。表は軽巡・矢矧の史実紹介。

そして裏面は組立手順書。パーツはいろいろあるのに、たった一面で納めているのです。おまけに説明も特徴的で、1~7までは艦橋等の細かなパーツを要する箇所の組み立てを説明しておいて、8からは
「はい、そこまで作ったら、後はこうやって甲板に貼り付けてくださいね」と言わんばかりのシンプルさ。たまりませんね。

でも実際にかかってみると、本当にこれで作れてしまうのです。頭の中では「てことは、コレがココにハマって……ああそういうことか」と何度納得したことか。細かく説明するのも大事ですが、これは考えながら作るようにしたのかな、などと勝手に解釈してます。

あとは50年前の型ゆえか、少々バリが残ってるパーツもありまして、そこもナイフで削ったりヤスリをかけたりと細かい作業が続きます。塗装すれば目立たなくなるのかもしれませんが、やはり気になるところは気になりますから。
ならば新規金型を出してもいいような……ただ矢矧は2016年にフジミ模型からも発売されてます。新規で、という話はなかなか出ないのでしょうね。



そしてもう一つ、説明書を読んでて気付いたのが「穴を開ける仕様」になっていたこと。もちろんこのウォーターラインシリーズだと、その年代や航海時・戦闘時を表現する際の微妙な違いを表現するために、一部のモデルではパーツに穴を埋めたり開けたりといった作業が必要になります。
ただこの矢矧は、最初から「裏側から穴を開けてこのパーツを取り付ける」という手順になってるんですね。


ちなみにここは機銃の取り付け穴です。昔のモデラーさんや子供達もここにせっせと穴を開けてたわけですな。今時のモデルなら、この時点でもう穴開き済みなんでしょうね。

これを終えたら、何年ぶりかの塗装です。面相筆を持つのも久し振りですね。アクリジョンのウッドブラウンを開けるのも、いつ以来なんだ。
まずは撹拌。底に溜まった塗料を剥がすようにムラなく、固まりが残らないように混ぜます。乾いててカチカチになり、てんで使い物にならなかったら面倒だなぁ、と思ってたら全然そんなことはありませんでした。
まるで久々の開封を待っててくれたかのようです。健気なやつめ。
そしてアクリジョンの塗装ですが、筆塗りの場合は基本的にひたすら薄く、です。とにかくボテッとならないことを意識してスッ、スッと。
とはいえ、水性なのに乾燥が早いことでおなじみ(それが売り)のアクリジョンです。なのでスムーズに塗りたい場合は水分が命。そうそう、筆の湿らせ度合いにもコツがあるんだよな、と思い出しつつひたすら塗りますす。
にしても、面積がデカい。阿賀野型は他よりデカいと聞いてたけど、こんなに塗る面積があるとはな。こうなると瓶からの直塗りが面倒なので……これまた以前買ったウォーターパレットの出番です。塗料皿に移すとそっちもすぐに乾いちゃいますからね。ウォーターパレットは名前の通り水性塗料の乾燥を抑えてくれるパレットなんで、アクリジョンとの相性がとにかく良い! なんて記事を書いたのを思い出します。
そしてアクリジョンの場合、1回目の塗りは下地が見えるくらいで十分です。ホントに薄くていいのです。その分、すぐ乾きます。加えて「乾燥が早い」というクセを逆に活かせば、ひと通り塗った後ですぐ2回目の重ね塗りが出来ます。ホントはもっと乾かした方が良いのかもですが、アタシはこういう時だけせっかちなんですよね。
そうやって塗っているうちに、ああ思い出してきたぞと。筆先の塗料もすぐ乾いてくるから、適時すすいであげて、かつ筆先を軽く湿らせておく。こうすると薄ーく、ムラなく濡れるんだっけか。やってるうちに思い出す、てのは何でもそうなんだなぁ、としみじみ。趣味も仕事もみんな同じなんだな、というオッサンの呟きでした。

3回も塗れば、ここまでしっかりと色がついてくれます。にしても、甲板板がリノリウム色になっただけで、モデルの雰囲気も一気に変わりますな。

ただこの矢矧、リノリウムの境目も表現されてはいますが、あまり凹凸が目立たないんですよね。近年のモデル、それこそ先程大きさの比較で出した阿武隈などはその辺はっきりしてるため、筆塗りで少し厚い箇所が出来てもさほど気にはなりません。同じ水性アクリジョンでも、スプレー塗装だとまた仕上がり具合も違うのでしょうか。
とはいえ、やはり塗った後では気分も大違い。作業を進めたい欲と、他のこともやりたいという欲が両方出てきますね……贅沢な悩みですが、どうせ悩むならこういう話だけがいいですな。
<つづく>
