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井出化工機(株) 選択肢絞ることで技能は磨かれる 「SNSで話題の溶接ビード」

20250606

SNSで話題の
井出化工機の溶接ビード

各種SNSで「溶接」というキーワードで検索すると、美しい溶接ビードを目にすることが多い。

そんな中、多くの人から、「あの人には敵わない」と評価されているのが静岡県富士市で事業を営む井出化工機の井出雄太社長だ。

井出社長がステンレスへのティグ溶接のビードを投稿すると、たちまち同業者から「ウットリする」といったコメントが集まるほど。本記事では井出社長に溶接事業と習熟した溶接技能の習得法について話を聞いた。

SNS界にその名を轟かせる井出社長

井出化工機の溶接

静岡県富士市で事業を営む井出化工機は、主に化学プラントで使用する配管を製造しており、ステンレスの溶接に特化した溶接事業所だ。「綺麗であること、丁寧であること」を企業理念としている同社では特に、井出社長による卓越したティグ溶接技能を武器としている。

井出社長の美しい溶接を支える勘所は数多くあるが、特にこだわりとして持っているのは、パス数を必要以上に増やさないことだという。同社で溶接している1ミリ~10ミリ程度のステンレスに対して、井出社長は溶接層ごとに溶接棒のサイズを変えることで精度・強度を落とすことなく美しい溶接外観を際立たせる工法を独自に開発した。

井出社長の卓越したティグ溶接

プラントで使用される配管は、強度・精度への要求が厳しく、配管内部への裏波が求められるものも多い。そんな時に井出社長は、「例えば1層目は1・6ミリの溶接棒を使用してゆっくりと手を動かしながら、しっかりと溶融させることを心がける。続いて、2層目では4・5ミリの溶接棒を使って手をウィービングさせながら、美しく整った溶接ビードを構築する」という。

溶接層ごとに最適な溶接棒と、その運棒を変化させる独自工法で井出社長は「ウットリする」溶接ビードを引くことを実現している。

均一なビード幅で美しく輝く溶接ビード

習熟した溶接技能を保有するには

続いて、井出社長の溶接技術が化学プラントでも高く評価されている背景には、鋼・ステンレス・アルミ、現場溶接など、幅広い溶接を選ばずに対応してきた経験によるところが大きい。

井出社長は「独立して最初に行ったのはタウンページに掲載されている鉄工所全てに営業をかけ、着手できる仕事は全て断らずに受注した」と振り返る。

現在はステンレスに素材を絞っても依頼が絶えない

結果的に、丁寧な仕事ぶりが評価されていき、現在は、ステンレスの溶接に絞るようになった井出社長だが、「1㍉以下~50ミリ以上。半自動溶接でもティグ溶接でも、現場でも工場でも、溶接であれば何でも対応できる」と話す。

多くの配管溶接事業所は、工場内で製造された構造物が、現場でどのように設置されるのかまで把握できていないが、井出社長の溶接は設置まで逆算しながら溶接ビードを引いているため、細部に魂が宿っていくのだ。

後工程である設置まで考えた溶接で魂を宿す

井出社長に習熟した技術力を獲得する方法について尋ねると「絞ること」と「忘れること」にあるという。「人は万能には成り得ない。仕事をステンレス溶接に絞ったことで、ティグ溶接の仕事に傾注することが可能になり華開いた」と話す。

続いて、「以前、データを取りすぎており、結局生かしきれていなかった経験がある。結局、私にとってはノートに書ききれる情報量こそが、適正に把握しておける溶接条件に成り得る。一方で、ノートに書いていない作業は無駄になるかというと、技能として腕に宿っていく。溶接条件をとことんまで煮つめて考え、ノートにメモして、最終的に忘れる。そうすれば、記憶のキャパシティは最適化され、記憶していないものは腕に宿っていく感覚を把握できる」という。

SNSで同業者さえ唸らせる井出社長の溶接ビード

一筆入稿という表現を目にすることがあるが、井出社長の腕に宿った経験は、魂となって、一筋の溶接ビードとしてステンレスを接合する。SNSで「溶接外観に並ぶものなし」と称される井出社長の溶接ビードからは、あながち魂の存在も無視できないように思えてくる。

【井出社長の気になる溶接技能者はいますか?】
「絞ることで専門性を出せたと自負しています。アークマスターズ編集部が知り中で、技能を絞り、尖った専門性を持つ技能者がいれば紹介してください」

井出化工機(株)WeldOne

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