自分を後回しにしがちな人へ。アーユルヴェーダのセルフケア時間
気づけば一日が終わっていて、
自分のケアは後回しになってしまう。
体は疲れているのに、頭の中だけがずっと動き続けて、なかなか休まらない——。
そんな時、私はアーユルヴェーダの知恵に何度も助けられてきました。
アーユルヴェーダとは
約5000年前から伝わるインドの伝統医学です。
アーユルヴェーダでは、体だけでなく、心や魂も含めて健康を捉え、そして一人ひとりに合った方法で全体のバランスを整えていくことを大切にしています。
人の体質は主に3つのエネルギー(ドーシャ)で表されます。
* ヴァータ(風)
* ピッタ(火)
* カパ(水)
この3つのバランスによって、その人らしい心身の状態がつくられます。
またアーユルヴェーダでは、健康とは単に病気がない状態ではありません。
体の機能が健やかに働き、心が穏やかで、魂も満たされている状態。
つまり、
「心・体・魂が調和していること」
が、本当の健康だと考えられています。
今日は、忙しい方でも取り入れやすいアーユルヴェーダの知恵を取り入れたセルフケアを3つご紹介しますね。
① 朝の白湯
アーユルヴェーダでは、「アグニ(消化力)」が元気や健康の土台になると考えられていて、
朝の白湯は、そのアグニをやさしく目覚めさせてくれる飲み物です。
水を沸騰させることで「火・風・水」三つのエネルギーが調和し、体に取り込みやすい状態になります。
◉作り方のポイント◉
やかんの蓋を開けたまま沸かすのが、アーユルヴェーダ流の白湯の作り方です。
蓋を開けておくことで、外の空気=風のエネルギーが水の中に溶け込み、三つのエネルギーが揃った白湯になるとされています。
理想は10〜15分の沸騰ですが、忙しい朝は1〜2分でも大丈夫。
◉飲み方のポイント◉
白湯は、一気に飲むのではなく、ゆっくり体にしみ込ませるように飲むのが基本です。
・少し冷ましてから飲む
目安は50〜60℃くらい。ぬるいくらいで◎
・ゆっくり、すすりながら飲む
急いで流し込まず、一口ずつ味わうように飲みます。
・1日5〜6杯程度を目安に
朝起きた時や、食事の合間などに取り入れるのがおすすめ。
朝のほんの数分、スマホを置いて、ただ白湯を飲む時間。
誰かのために動き出す前に、まず自分の体を温め、一日のスイッチを入れてあげましょう。
② 白ごま油でオイルケア
アーユルヴェーダでは、自律神経の乱れや不安、焦り、落ち着かなさなどは、「ヴァータ」が乱れている状態と考えます。
ヴァータとは、「風」の性質を持つエネルギーのこと。
* 考えごとが止まらない
* ソワソワする
* 不安になりやすい
* 寝つきが悪い
* 体や肌が乾燥しやすい
こうした状態は、ヴァータが高まっているサインとされています。
そしてヴァータを乱す大きな原因のひとつが、「乾燥」と「冷え」です。
そこでアーユルヴェーダで大切にされているのが、白ごま油を使用したオイルケア。
アーユルヴェーダ用にキュアリング(加熱処理)済みの白ごま油を使いますが、自分で作るのが大変な方は、市販の物もおすすめです。
オイルには、乾燥したヴァータに「潤い・温かさ・安定感」を与える働きがあるとされ、心と体を落ち着かせるために古くから用いられてきました。
とはいえ、忙しい毎日の中で全身のオイルケアを続けるのはなかなか大変です。
そんな時は、足裏・耳・首まわりの3か所だけでも十分。
白ごま油を少量なじませ、やさしくマッサージしてみましょう。(炎症がある場合は控えて下さい)
足裏は全身につながる反射区が集まる場所。耳まわりは頭部のヴァータを落ち着かせる場所とされ、首は日中の緊張が溜まりやすい部分。
この3か所を温めるように触れるだけでも、気持ちがほっと落ち着きやすくなります。
また、オイルの働きだけでなく、「自分の体にやさしく触れる」という行為そのものも大切なセルフケアです。
いつも周りを気遣っている人ほど、自分をいたわる時間を持ってみて下さい。
③ 5分の瞑想
体をケアする時間が必要なように、心や神経にも休息は必要です。
呼吸は生命エネルギーを運ぶ大切なものと考えられており、呼吸に意識を向けてゆっくり瞑想する事で、ソワソワした気持ちや頭の中の忙しさが少しずつ落ち着き、乱れたヴァータを穏やかにしてくれるとされています。
無心になる必要はありません。
空いてる時間に、静かな場所で目を閉じて、ただ呼吸を感じるだけで十分です。
吸うときに体が膨らんで、吐くときに体が沈む——その感覚をただ観察するだけでいい。
思考が出てきてもそれを止めたり追い払おうとしなくても大丈夫。
「今、考えが浮かんでいる」と気づけている時点で、すでに意識は整い始めています。
スマホなどから少し離れる5分間。
入ってくる情報を一度遮断することで、外に向かい続けていた意識が、ようやく自分の内側に戻ってきます。
誰かのことを考え続けてきた脳に、少しだけ休憩を。
おわりに
アーユルヴェーダのセルフケアは、忙しい毎日の中でも無理なく続けられる「自分をいたわる習慣」です。
心・体・魂の調和は、一日で取り戻せるものではないかもしれません。
でも、できることをひとつから。
そんな小さな積み重ねが、本来の健やかな自分へと導いてくれます。
