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ただ今展示中⑨《埴輪 胡座の男子》古墳時代・6世紀、東京国立博物館

この記事では、現在、東京国立博物館でることができる《埴輪 胡座の男子》についてご紹介します。

《埴輪 胡座の男子》栃木県真岡市亀山出土、古墳時代・6世紀
土製、長さ:70㎝、幅:26㎝、奥行き:27㎝、東京国立博物館

この人物埴輪は、古墳時代の6世紀の時期に作られ、栃木県とちぎけん真岡市もおかし亀山の地で出土しています👇

顔には、水平方向に伸びる細長い穴を穿うがつことによって、目と口を表しています👇
目と口の間には、鼻が突き出すように造形されています。

また、頬や顎のあたりに、広く赤い色が着けられています👇
これは、酸化鉄を主な成分として含む、金属系顔料のベンガラによる彩色であると指摘されています。

三国時代の中国の『魏志倭人伝』には、当時の日本人は「朱丹を以ってその身体に塗る」とあります。
この記述から判断して、埴輪の貌の赤い色は、当時の人々が施していた化粧を表しているようです。

続いて、顔の上の頭の部分に注目します👇
すると、この男性人物像は、編み笠状の帽子をかぶっています。
この被り物にも、てっぺんから放射状に赤い顔料で帯状の直線模様が表されています。

この帽子は残念ながら縁がかけています👇
粘土で作られた埴輪は、焼かれて強度を増しています。
しかし、出っ張っている部分はやはり壊れやすくなっています。

本来はこの埴輪のかぶっているような形の被り物だったのかもしれません。

頭部を見ると、ヘアスタイルは「美豆良みずら」となっています👇
この髪型を見ると、髪の毛を二つの長い束にして顔の左右に下げています。
これは「下げ美豆良」で、社会的地位が上に位置する人間が結う傾向がありました。

右手は腰に据えられています👇
手にはそれぞれの指が分けて詳しく表されています。
また、手の甲には籠手を表現しているようです。

これに対し、左手は腰の大刀に添えられています👇

この刀は、この人物が武人であったことを想像させます。
左の腰の大刀は、柄頭の部分が欠けてしまっています。
この柄頭には、しかしながら、古墳時代の刀に確認されるような、飾りが付いていたのかもしれません。

それから下半身を見ると、台座の上に据えた、曲線を輪郭に描く敷物の上に座っていることが分かります👇

そして敷物の上に、右足を上に、左足を下に、両方の脚を組んで胡座=あぐらをかいて座っています。
脚を表された埴輪は、地位の高い人物を表すとされています。

このように、顔に化粧を施し、あぐらをかく全身を表され、刀を装備し、「下げ美豆良」の髪型をセットした、この埴輪に表された人物は、地位の高い重要人物であったようです。
この埴輪の人物は、一緒に男女の埴輪と出土しています。
この男女を従えるような、古墳の埴輪の中でも中心的な人物として、《埴輪 胡座の男子》は作られたのかもしれません。

《埴輪 胡座の男子》栃木県真岡市亀山出土、古墳時代・6世紀
土製、長さ:70㎝、幅:26㎝、奥行き:27㎝、東京国立博物館

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