ただ今展示中②《埴輪 挂甲の武人》古墳時代・6世紀、東京国立博物館

この記事では、現在、東京国立博物館で観ることができる《埴輪 挂甲の武人》についてご紹介します。
この像は、粘土を素焼きして作られています。
その姿を見ると、鎧兜で完全武装した男性の姿を示しています。
身振りに注目すると、腰の刀を抜こうとしています。

古墳時代・6世紀、土製、東京国立博物館
この埴輪は、古墳時代の6世紀に制作されました。
そして、群馬県の高崎市の上芝古墳から出土しています。

こちらの武人は、頭に鉄製の冑を目深にかぶっています👇
冑は板状の粘土を組み合わせて造形されています。
頭の左右に取り付けた平たい粘土板には、複数の筋が刻み込まれています。

また、冑の中央には、帯状のパーツが縦断するように取り付けられています👇
この帯状パーツと冑の縁の部分には、丸くて平たい複数の粘土粒が、一列に並ぶようにくっつけられいます。
これは、冑に打たれた鋲=リベットを表現しています。

冑の下には、髪の毛を独特のヘアスタイルにセットしています👇
武人は、両方の耳の上で髪の毛を束ねて、比較的長く太く下げています。
これは古墳時代の「下げ美豆良」と呼ばれる髪の結い方です。

首から下の造形に注目すると、右の肩を張り出して、体をひねる姿勢をとっています👇
そして手に柄を握って大刀を引き抜こうとする、攻撃的なポーズを示しています。

また、体には鎧を身に着けています👇
この鎧には、直線の溝が刻まれて、長方形の形がいくつも表されています。
これは、小札を連ねて作った古墳時代の特徴的な鎧を描写しています。

下半身には、まっすぐに伸ばした両足に、袴を着けています👇
筒状に表された両脚は、ひねって抜刀の構えを示す上半身とは異なり、左右対称の動きを抑えた静的な姿形が印象的です。
また、その脚に着用した袴は、部分的に赤い顔料によって彩られています。
そして、膝のあたりでは、結んだ紐の表現が認められます。

このふたつの足を台の上に乗せるようにして、この武人の像は、丸い穴が開き、一重の帯状飾りに取り巻かれた円筒の上に立っています👇
筒の台の上に認められるように、この像は靴を履いた足先までを省略せずに表されています。

このように👆足まで表された埴輪は、高位の人物を造形しています。
そのためこの埴輪の武人は、警護の任務を帯びた下位の兵士ではなく、身分の高い人物であると考えられます。
この埴輪に表されている男性は、古墳に葬られた重要人物を親しく守る武人の姿をかたどっているのかもしれません。

古墳時代・6世紀、土製、東京国立博物館
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