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材料力学からの変形問題の理解 -2-


まえがき

微分積分をはじめとする高等数学を踏まえて、様々な物理学に対する見方をテーマを決めて、連載形式で発信します。

これまで、物理学の中でも「質点」「剛体」の力学を主に扱いました。今回は「連続体」の力学をテーマに掲げます。

物体の運動と変形の両方を考慮する物理モデルを「連続体」と言います。変形は、物理的に作用する外力を通して物体に生じる形状変化を指します。

物理モデルとしての連続体の定義

物体(連続体)の運動と変形に起因した構造物の強度や耐久性について、定量的に理解するための学問を「材料力学」と言います。大学の機械系学科では必須の教科であり、機械や建物の構造設計では重要な学問です。


  1. 物体(連続体)の変形問題

  2. 物体の変形の力学的表現(1)→【今回】

  3. 物体の変形の力学的表現(2)

  4. 変形の単軸&多軸的理解

  5. 変形の大局的分類と現象理解


♦️前回記事(再掲)


前回は「変形とは何か?」という問いから、材料力学が物体(連続体)の内部的な距離関係の変化を扱う学問であることを確認しました。

今回は変形を「力学で表現するには?」をテーマに確認します。

大切なのはいきなり数式を追いかけることではありません。材料力学はあくまで変形という物理現象を整理するために数学を利用する、という視点を持つことです。

連続体の変形前後の概要

物体(連続体)の変形を考える際の最初のステップとして、物体の「変形前の状態」と「変形後の状態」を明確に区別します。ここで、それぞれの状態を別称で「配置」と呼ばれます。

変形前は別称で「基準配置」と言います。変形後は別称で「現在配置」と言います。

変形前後における物体内部の点(座標)の移動

材料力学では、物体を連続体(質点が連続的に分布する集合体)として捉えます。そのため、変形は「物体内部の任意の点が、変形前後でどのように変化したのか?」という対応関係として表現できます。

この対応関係を考えることが、変形の数学的記述の出発点であり、変形を表すために用いられる最も基本的な物理量を「変位」と言います。

変位を連続的な分布として扱う考え方は、元来的に「連続体力学」に由来します。一方で、材料力学では、変位という存在を「変形を整理して理解するための視点」として利用します。

材料力学と連続体力学の意味上の違い

今回はあくまで材料力学の考え方に則して説明しますが、しばらくは数学的表現に寄るため、連続体力学の考え方の説明が続きます。

変位という物理量の意味

材料力学は連続体を扱うことが前提にあり、変位とは「物体内部のある点が初期配置からどれだけ移動したか?」を意味します。ここで、変位はベクトル量であり、数学的に「大きさ」「方向」を有します。

連続体における剛体運動と変形の違い

重要なポイントとして、連続体の変位は剛体運動のように「物体全体で定義される移動量」ではなく「各点ごとに定義される移動量」です。ここに、物体形状や拘束条件など踏まえて、物体の位置ごとの変位が決まります。

つまり、変位は位置(座標)に依存する物理量であると言えます。

変位場の定義と物理的表現

変位を別軸で考えると、物体内部の点(座標)を入力すれば、その点の変位が自ずと返される、いわゆる「関数」として見ることができます。

変位は空間全体に分布したベクトル量の場(フィールド)と言い換えることができます。

この考え方は、有限要素法をはじめとする計算力学を学習するときに重要です。なぜなら、材料力学は「ひとつの点の変位」ではなく「物体全体に行き渡る変位分布」を扱う学問だからです。

物体内部の変位場(変位分布)と点(座標)の関連付け

前回の通り、物体が剛体運動だけならば、変位場こそ存在しますが、変形は発生しません。

材料力学が本当に知りたいのは、変位が「物体内部の位置に依存してどのように分布するか?」です。これは、次回で扱う「ひずみ」という概念に結び付きます。

例えば、物体全体を持ち上げれば変位は一様に発生しますが、それは物体の変形や破壊などの評価には直接結び付きません。材料力学では、物体内部で発生する変形の定量的評価が重要です。

その際に導入する物理量こそ、変位の空間的な変化率として定義される「ひずみ」なのです。

おわりに

今回は材料力学における「変形」の初歩的記述である「変位」について、物理的な定義から確認しました。

変位は剛体運動と変形で成立するため、観測者の視点や座標系の設定に依存します。特に、空間で物体を見る「オイラー記述」で顕著化します。材料力学では、物体内部の相対的な変位を表すひずみが重要になります。

オイラー記述は空間基準で変形を追跡する方法です。一方で、ラグランジュ記述は物体基準で変形を追跡する方法です。物理現象の性質に応じて適当な記述法を選択します。

オイラー記述とラグランジュ記述の違い

  1. 物体(連続体)の変形問題

  2. 物体の変形の力学的表現(1)

  3. 物体の変形の力学的表現(2)→【次回】

  4. 変形の単軸&多軸的理解

  5. 変形の大局的分類と現象理解


次回は材料力学で重要な「ひずみ」「応力」について、力学的な表現方法を確認します。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事が、何か皆さんの未来を変えるキッカケになれたら幸いです。
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