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arusakka
『迷探偵 沖田』第17話:目覚めの三重奏
「……志乃。マンデリン、少し豆を焦がしすぎたんじゃないか?」
暗闇の中に、低い、しかし絶対的な知性を湛えた声が響いた。 沖田が、上体を起こしていた。その瞳には、かつてないほど鋭い、蒼い火が宿っている。
「沖田……さん……!」
「……三つの鍵を、返してもらおうか。……今の僕なら、この世界の『調律』の狂いを、完璧に修正できる」
沖田は志乃から鍵を受け取ると、目にも留まらぬ速さで指先を滑らせた。 真鍮、銀、鉄。 三つの金属が奏でる和音は、病室の空気を震わせ、目に見えない衝撃波となって工作員たちを襲った。
「真実、その一。……君たちが追っているデータは、既に僕の脳内で『三分割』され、特定の場所へと送信された。 真実、その二。……この病院を包囲しているのは、警察だけじゃない。……君たちが裏切った、別の組織の刺客たちだ。 そして真実、その三……」
沖田は、最後に鉄の鍵を指先で弾いた。 「……今の僕は、最高に機嫌が悪いんだ」
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