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統計解析のMethodsで刺されないための「Statistical analysis 6ブロック」

「Methodsは流し読み」と言われる一方で、査読で刺される時はだいたいMethodsです。特にStatistical analysisは、結果の派手さより先に“粗”が見つかる場所で、厳しい査読コメントがつきがち。

そして困るのが、刺され方がだいたい同じなのに、直し方が毎回バラバラになることです。
投稿規定を読むほど境界が分からなくなり、雑誌ごとの流儀に振り回され、解析は終わっているのに共著者から「統計ここ直して」が無限に来る。欠損やマッチングは後回しにして膨らみ、欠損を書こうとして逆に自分の解析が怖くなる。

でもこれ、才能の問題というより“置き場所がない”問題なんですよね。
Statistical analysisに最初から箱が無いから、追記や修正が来るたびに文章が増築されて崩れる。

今回は、Methods回の続きとして、私が一番ブレなく書けて、後から修正もしやすい方法として、Statistical analysisをフレームワークに落とし込んで整理して書くやり方を紹介します。

この記事で得られるもの

  • Statistical analysisを6つの箱に分けて迷わず書ける

  • 欠損、マッチング、モデルの“差し込み先”が固定され、修正が速くなる

  • コピペ雛形で、自分の研究に当てはめて即たたき台が作れる



まず結論:Statistical analysisは「6ブロック」で書く

私のおすすめの骨格はこれです。

  • General rule:

  • Missing values:

  • Univariate analysis:

  • Multivariable analysis:

  • Sensitivity analysis:

  • Multiplicity / p-value:

これの強みは、自分の頭が整理され、ワードカウントの調整が圧倒的にラクになること。
削るならどこを削るかが明確ですし、査読で「追記して」と言われても差し込み先が決まっています。とにかく再現性の担保に強い。


General rule:最初に“表記のルール”で信頼を取りにいく

ここは派手さゼロでいいです。むしろ淡々と。

  • 使用ソフトウェアとバージョン(例:R, Stata, SPSSなど)

  • 記述統計の表記

    • Mean ± Standard deviation (SD)

    • Median (interquartile range, IQR)

    • frequency, n (percent, %)

読者が「この論文、読みやすそう」と思う入口はここです。
表記が揃っているだけで、解析全体が丁寧に見えます。

また、ICCなど評価者間・方法の評価があるなら、General ruleの直後に入れると流れが自然です。
ここは研究や雑誌のお作法によって厚みが変わるので、あまりWord countが許さないようなら削れるセクションです。


Missing values:欠損の“量”をここで言うと、方法が評価される

欠損値は、書き方次第で「誠実さ」が伝わります。ポイントはこれ。

  • なにがどれだけ欠損しているかをここで報告する

  • Complete case analysis または 欠測代入の選択

  • Imputationの実際の設定

欠損の量が先に分かると、代入法が適切か評価しやすい。
SPSSではデフォルト無言でComplete case analysisになりますが、これもしっかりと書く必要があります。
整形外科分野ではComplete case analysisが極めて多いと感じますが、どう考えてもバイアスが大きくなりがちです。以下の論文で述べられているように、どのように対応していくか、今後厳しくなってくるものと思われます。


Univariate analysis:p-valueより先に「用語の意味」を揃える

Univariate analysisは、雑誌や領域の流儀で扱いが割れます。
そもそもunivariateなんかの結果載せるな、という規定の雑誌もある。一方で多くの小規模研究では、単変量解析のみのことも珍しくないので、最低限は抑えましょう。

書く場合は、ここで“最低限の交通整理”をします。

  • Welch’s t test / Student’s t test

  • Chi-square test

  • Correlation analysis

  • correlation coefficient(r, ρ)

ここで意識したいのは、rやρ(ロー)などよく省略される記号も、p-value以外は全て意味を書くこと。
自分が思ったよりも自分の常識は他人の非常識のことがあるので、係数記号や検定名は短くても明示しておくと事故りにくいです。


Matching / Weightingがあるなら「設計」をここに差し込む

  • マッチング手法

  • 共変量選択の方法

  • バランス評価(SMD推奨)の方法

  • weightingの場合にweighted t testを行うなら追記

ここは“解析結果”ではなく、研究の設計思想を示すパートです。査読で刺されやすいのもここなので、フレームワークで場所を固定しておくと強い。


Multivariable analysis:モデル名、共変量方針、表記法

  • Linear、Logistic、Poisson などモデルを明示

  • 共変量選択の方法

  • 結果の表記法(β, 95%CI など)

  • Splineの追加など

読み手が知りたいのは、細かい数式より「どのモデルで」「何を調整して」「どう報告するか」です。ここが揃うと、Methods全体が締まります。

Multivariable analysisといっても無限に数があります

Sensitivity analysis:短くても“頑健性”が伝わる

整形外科、弊分野ではまだ、凝った感度分析は必要ないと思います。チャッピーに頼むと妙に凝ったものを提案されるので注意してください。
「主要結論がどの程度ぶれないかを確認した」という姿勢が書ければ十分に価値があります。


p-valueは最後に書きがちだが、できれば“直後”に置く

なぜか最後にp-valueを書きがちですが、多重性の検定は適宜統計手法の直後に極力書くようにしましょう。誤解が減ります。
ただ、雑誌の規定や解析のボリューム次第で、General ruleに寄せたり最後にまとめたり、柔軟に調整でOKです。


実務のコツ:最速は「コードを投げて骨格を作り、不要を消す」

ここも現実ベースの話をすると、一番早いのは

  • RのコードをChatGPTなどに投げて、丸々書いてもらう

につきます。ただし“投稿規定に合わせて削る/検証する”が必須です。

整形外科、脊椎外科分野ではトップジャーナルでも超厳密になることは少ない。ただ、最初から“削れるだけの厳密さ”で準備しておくと、後で査読で言われたときに差し込みやすい。
どうしても細々した設定が必須の場合は、Supplementaryにまとめて要点だけ本文に書いておく、という点もあります。


まとめ

Statistical analysisは「6ブロック」で型化すると、再現性が上がり、修正や追記も速くなります。欠損と設計、モデル方針を先に宣言し、厳密に準備して削るのが最短です。この6ブロックを自分の研究に当てはめて、抜けをチェックしてみてください。

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