あの日、祖父に見せた家族写真──命と“魂の音叉”が響き合う瞬間
「言葉を尽くした先に、
言葉を超えた想いが届く」
祖父の眼に宿っていた“魂の光”
あの面会の日から、
少し時が経ちました。
けれど、あの日の光景は
いまも鮮明に覚えています。
祖父は97歳。
施設のベッドの上で、
静かに眠っていました。
「おじいちゃん、ご無沙汰してます。
孫の○○です」
そう声をかけた瞬間、
祖父のまぶたがゆっくりと開き、
はっきりとした光を宿した瞳で、
私を見つめてくれました。
その瞬間、言葉にならない
“魂の通じ合い”を感じたのです。
私が話しかけると眼を開き、
黙るとまた眠る。
まるで、魂どうしで
呼吸を合わせているような感覚でした。
「魂からこぼれ出る言葉だけが届く」
──その確信が、今の私の占いの原点です。
来世へとつながる“最後のバイバイ”
あの日、祖父に見せたのは、
妻と子どもの写真が印刷された一枚の紙でした。
「これが○○で、こっちが妻です」
祖父は小さくうなずきながら、
その写真を見つめてくれた。
別れ際、私が
「ありがとう、またね」
と声をかけると、
祖父は一瞬、両腕を上げて
バイバイをしてくれました。
その動きの中に、
「大丈夫。また来世でも会える」
──そんな想いを、私は確かに感じ取りました。
その瞬間、胸の奥で
何かがほどけていくのを感じました。
そして悟ったのです。
「人のためになる人生を送ろう」と。
この道に進んだ自分の選択は、
“先祖の計らい”のもとにあったのだと。
子どもたちが教えてくれた“言葉の原点”
今、命のバトンは
私の二人の子どもたちに受け継がれています。
二歳に満たない娘と、
一歳に満たない息子。
その成長を日々そばで見られることが、
何よりの喜びです。
上の子はまだ言葉を話しませんが、
そのぶん、表情と感情、
擬音語や擬態語を中心に
全力で想いを伝えてきます。
その姿にふれるたび、
「人は本来、言葉よりも
想いでつながる存在なのだ」
と感じます。
言葉がなくても、
理解しようとすれば理解できる。
言葉が使えるなら、
ただ“伝える”ためだけに
使うのはもったいない。
言葉を鍛えるという“修行”
自分の中のイメージを
どうすれば寸分違わず表現できるか。
その探求こそ、
私にとっての“人生の楽しみ”です。
やがて、言葉数を減らしても
的確に想いを伝えられるようになりたい。
それはまるで、
達人の剣士が無駄のない動きで
型を極めていくようなもの。
ただ、そこに至るまでは、
言葉を尽くして磨き、
収斂していく時期が必要です。
鉄を叩いて鍛える刀鍛冶のように。
魂の中にある“音叉”の響き
人はみな、魂の中に
“音叉”を持っていると、
私は考えています。
子どもの頃は
それがむき出しになっていて、
世界のあらゆる音や想いに、
純粋に共鳴している。
私の表現で言えば──
それこそが「霊感」
というものなのかもしれません。
音叉は音に対して共鳴します。
そしてこの音は、
人の“声”にあたります。
霊感が極まった人は、
そのわずかな空気の振動や波動から、
イメージを映像として
受け取ることができる。
あるいは、そうした感性を
“殻に閉じ込められずに”育ってきた人
なのではないでしょうか。
けれど現代社会では、
常識や環境、そして他人の目に
合わせていくうちに、
その音叉はどんどん
殻の中に閉じ込められてしまう。
特に、戦後教育の影響は大きいと思います。
「出る杭になるな」「空気を読め」と教えられ、
心の音を響かせることが
“恥ずかしいこと”にされてきた。
ということは、
子どもの言葉を塞ぐような行為は、
ある種の大罪です。
言論を封じるというのは、
人間の良さや幸せ、
そして創造性を封じてしまう
行為に他ならない。
言葉を奪われた人間は、
もはや人間としての
意味の大半を失ってしまう。
それは、他の動植物と
何ら変わらない状態です。
言葉と生き方のあいだにあるもの
言葉は本来、
想いの延長線上にあるもの。
それをどう磨き、
どこまで深く響かせられるか。
そこに人の“生き方”が表れます。
私はこれからも、
自分の中の
音叉の響きを信じながら、
誰かの心に共鳴する言葉を
紡ぎ続けていきたい。
それが祖父から
受け継いだものでもあり、
私が子どもたちに手渡していく
“魂の仕事”なのだと思います。
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