どぶのなかの人魚姫【短歌連作】
どぶに棲む人魚の恋は絵空事 夢の肥溜めガソリンの虹
すこやかな家の灯りのおこぼれを瓶詰めにして誘拐したい
この町で嫌われものの煙突はあすのわたしの歳と同じ数
大人らを崇めさせたい学校は仮面の剥き方など教えない
なぐさめるための動物がほしくて妥協したのち豚肉を買う
彼いわく汚い女らしいから漂白剤を飲むねごめんね
逃げ出さず踏んづけもせず立ち尽くすだけの馬鹿もの生ぬるい枷
7畳の鳥かごの中死んだふりして愛情を待ち焦がれるふり
心ごと終わっちゃったの馬鹿だから 工業排水カムフラージュ
どぶのなか沈んだ恋を見ましたか ぱちんと割れた洗剤のあわ
(10首)
一度2020年にnoteへ同連作を投稿していたのですが、だいぶ前に記事を消してしまったので、今回再投稿です。
修正したり歌を追加したりしてます。
