連作『遺る父の手』
2024年9月発行「置き場」第6号に投稿した7首連作です。
2024年8月、父が亡くなる前後のことを詠みました。
『遺る父の手』
ぷくぷくの私と同じだった手がドライトマトのように萎びて
苦しみに藁をも掴むような手が家族の握る手を握らない
手の甲にひょろっと残る毛はかつて今の弟くらい濃かった
物理的に手を上げられたことはなく別れが迫り自覚した傷
手を組まれ簡素な数珠は頼りなくドライアイスに守られた父
関節のシワが足りない小指から残った骨はどれだったのか
遺影もつ私の手こそ父の手で娘であると確かに思う
短歌連作サークル「置き場」
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