見出し画像

【せりふ三題噺】雪うさぎのちいさな願い|1250字

ある日の冬、コンビニの片隅に作られたちいさな雪うさぎがいました。
雪うさぎは丸い目で、世界をずっと見ていました。

雪うさぎが作られるところ。
通り過ぎる人の波。
雪うさぎに気付いてくれる人。
猫に襲われそうになるピンチな場面。
雨に濡れる置き配された箱。

「私もみんなの様に、動いて世界を見たいな」


雪うさぎが心でぽつりと願った瞬間、はっきりとした魂の光と、熱を持つ体を感じました。
雪うさぎは喜びました。

「これで私もみんなの様に世界を回れる」

雪うさぎは嬉しさの余り、ぴょんぴょんと飛び跳ね、緑の耳と白くふわふわな毛を揺らしました。


その時です。
空から真っ赤な隕石がたくさん降り注いできました。
目の前にあったコンビニや家が、隕石によって壊れていきました。

「どうして…世界を壊さないで…」

雪うさぎは泣きました。


突然、流した涙が強く光りました。
雪うさぎは眩しくて目を閉じます。

目を開けると、
コンビニよりも、10階建てマンションよりも大きくなった、強靭な肉体の人型になっていました。
ガラスを覗くと顔は雪うさぎのままでした。

「この力で私が世界を守る!」

人々は隕石にも怯えている中、突然現れた謎の筋肉隆々のうさぎ顔大型生物に、逃げ惑い泣きじゃくります。

「きゃーー!!」「あれは…なんだ?!可愛い顔なのにムキムキな体は?!」「うぁーーん、ママぁ怖いよ〜!!」

空に一際大きな隕石をみつけました。
よく見ると、手と足、目もあります。
雪うさぎに何か叫んでいます。

「ここであったが百年目!!今日こそはお前を溶かしてくれようぞ!!」

大きな隕石は目をギラギラと光らせていました。

「え…、私あなたのこと知らないけど…」
隕石はドシン!!と地上に降り立ち、戸惑う雪うさぎを横目に話しを続けました。

「私の先祖はお前の先祖に99勝99敗なのだ。ここで私が100勝目を決める!!」

「何のことだか…私にはわからないよ」

雪うさぎは驚き、胸に手を当てました。
すると、誰かの記憶がたくさん流れ込んできました。

「これがご先祖様の記憶と想い…?」
「思い出したか!いざ蒸発させてくれようぞ!!」

「ま…待って待って!何故か鯨も見えたよ…?やっぱり何のことだか分かんないよ。だって、さっき生まれたばかりでー」

 「時間稼ぎは見苦しいぞ!!いざ!!」

高熱の赤いパンチが、雪うさぎに向かってきました。
戸惑いながらも、雪うさぎは自分の強靭な右腕を繰り出すと、ピキっと腰に違和感を感じました。

「その対決、ちょっと待った!!」
遠くから、ねるとんの様な勢いで切り込みを入れてくる、2つの影がありました。




パタン

「ーと、今日はここまでにしよう」

「ぇええーーー!!パパ、強くなったうさぎはどうなるの?腰は?ねるとんってなぁに?!続きが気になるぅ〜。」
「約束は夜9時までだろ?絵本の続きは明日の夜な。」

「逆に眠れなくなっちゃったよ〜、ブツブツ………」
スーピースーピー


パパは寝顔を見届けたのち、絵本を机に置きました。
「…ってか何だこの絵本。シリーズ12…?累計500万部??…ママどこで買ったんだ?」



1250文字
----------------------------
はらとけいさんのお題に参加させていただきました♪ 7回目の参加です!

■せりふ
「今日はここまでにしよう」
■三題噺
置き配・コンビニ・雪うさぎ


今回は何だかわからない展開にしあげました。
何だかわからないのに、
シリーズ?の
累計?の
500万部だそうです。
うひー、好調w

前の話はご先祖様の話か??



🔽前回の投稿分はこちら💁‍♀️
覗いてみてください👀

#せりふ三題噺
#置き配コンビニ雪うさぎ
#世界線が違う


いいなと思ったら応援しよう!

ふふっ♪ 応援お願いします📣✨ いただいたチップは、クリエイター活動費(勉強の為の本の購入、一息つく為の珈琲代等)として使用させていただきます💕