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もうひとつのミステリー ④

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先ほど出て行った刑事さんが戻ってきて何やら話していた。僕は渡されたティッシュで鼻をかみ、その勢いで涙も拭いた。
「今井さん、今日はお帰りいただいて結構です。またお話を聞くこともありますので、その時は捜査にご協力ください。」
警察署から出ると、辺りはすでに夕暮れ。
灯点し頃ひともしごろか…。」
呟いた言葉をそのままに、僕は宿へと歩き出した。
そう思ったけど宿へ歩いて向かうのは早々に断念した僕は警察署でタクシーを呼んでもらって到着した。皆さんとても心配してくれたようで、僕は何度も頭を下げた。部屋に入るや否や布団に倒れ込んだ。
「疲れたぁーーー。」
ゴロンと仰向けに体を向けてぼんやりと天井をしばらく見つめていた。ゆっくりと上体を起こし布団の上に正座して電話をかけた。
「はい、小野田探偵事務所」
「あ、お疲れ様です。僕です。」
「おう、随分かかったな」
電話越しの師匠はいつもの感じと変わらなかった。僕はたまらず
「迷惑かけてすみませんでした‼」
そう言って勢いよく頭を下げた。師匠は豪快ごうかいに笑って「おう」と言った。ひとしきり笑った後、師匠は本題に入った。
「この事件なぁ、ちょいと面倒なことになりそうだ。お前、調べた神社の中に御倉みくらと名の付く神社はあったか?」
「ちょっと待ってください…あ、あります。」
「明日、その神社を調べてくれ。」
「あの、僕、クビじゃないんですか?」
「は?なんで」
「いやなんでって、めちゃくちゃ迷惑かけたんでてっきりクビかと思ってました。」
師匠は、はははと笑って
「お前が犯人じゃないってことを証明してから帰ってこい。話はそれからだ。いいな、明日必ず神社を調べてこい。じゃあな」
そう言って師匠は電話を切った。僕は、怒られたり失望したと言われるものだと思って覚悟していた。けれど、僕にはまだ仕事がある。この件に関しては今までの恩返しのつもりで取り組む。そう心に決め、眠りについた。

—5—

 6つ、太鼓の音が響く。目を閉じ正座をしたままスゥっと鼻からしっかり息を吸って、よし、整った!目を開け姿勢よく立ち上がった僕はメモ帳やペットボトルの水を入れたカバンを肩にかけ、机に準備していた周辺地図を手に握り部屋の出口へと向かった。靴ひもを結び直し、いざ、調査!勢いよくドアを開けると目の前に女性が立っていて、とんでもなく驚いた声をあげてしまった。後ずさった拍子に足がもつれてしりもちをつく僕。それを見下す謎の女性。ちょっとカッコよくしていたそれまでの朝とは一変して、とても不格好ぶかっこうな朝となった。

(続く)

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