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あの山あいのコーヒー畑で、学んだこと

この景色を見ると、今でもインドネシアで過ごした1か月を思い出します。
当時はアイスランドを旅したあと、次はどこへ行こうかと考えていました。

有名な観光地を巡るのもいいけれど、せっかくなら、
その土地の暮らしに少し触れてみたい。

そんな時に見つけたのが、インドネシアのコーヒー農園に滞在するボランティアでした。

「苗木から一杯のコーヒーになるまでを学べる。」

その言葉に惹かれ、参加を決めました。

農園では、苗木づくりから収穫、精製、乾燥、焙煎、カッピングまで、
一杯のコーヒーができるまでの工程を一つずつ教えてもらいました。
栽培方法は、教わりながら紙に手書きで書き留めました。
今見返すと少し読みにくいメモですが、見るたびにあの1か月がよみがえります。

その1か月を過ごした農園には、
見渡す限りコーヒー畑が広がっていました。

同じ時期にいたのは、ベトナムやカナダ、アメリカから来た参加者たち。
広い畑の中を一緒に歩きながら、旅や文化の話をしたり、
ベトナム人のバリスタからコーヒーの淹れ方を教わったりする毎日でした。

農園では、各国の参加者がそれぞれ自分の国について紹介する時間もありました。
発表のあとは質問を受けながら、お互いの暮らしについて話しました。
子どもたちが真っすぐな目で話を聞いてくれたことが、
今も印象に残っています。

振り返ると、あの1か月で学んだのは、
コーヒーの知識だけではありませんでした。

その土地で暮らす人が何を大切にしているのか。
どんな文化が受け継がれ、どんな歴史の中で今の暮らしがあるのか。

それを知って、その場所は「観光地」ではなく、人の顔が思い浮かぶ場所に変わりました。

だから今も、新しい場所を訪れるときは、観光名所よりも、
そこで暮らす人の話を聞きたくなります。

三原で出会う人の仕事や暮らしに、つい足を止めてしまうのも、
きっとあの1か月があったから。
景色だけではなく、その土地で暮らす人や文化にも目を向けながら、
その魅力を伝えていきたいと思っています。

そんな今の私の原点は、
あの山あいのコーヒー畑にある。


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